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【特集記事】数々の名作ソフトを産んだ名機PCエンジンの歴史を紐解く【Huカード・CD-ROM2・歴史】

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1987年10月31日にハドソンとNECの共同開発により発売された家庭用据え置き型ゲーム機である。

ファミコンブーム真っ盛りのこの時代に真正面から任天堂に勝負を挑んだハイスペックハードだ。
1987年当時の家庭用ゲーム機の常識を覆す高速・高性能な機体であった。

任天堂のシェアを覆すには至らなかったが、新規ハードとしては一定の普及に成功し、国内市場では25%のシェアを獲得する事になる。

 

PCエンジンとは

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 任天堂のファミリーコンピュータが発売され数年が経過し、ファミコン用ソフトを制作していたハドソン社員からは"より高性能なハードウェア"を望む声が高まる。

同時期にNEC社内において計画されていたCD-ROM機開発の思惑と合致したため、ハドソンとNECホームエレクトロニクスにて新型ゲームハードの開発が開始される。

そうして1987年に市場に投入されたゲーム機がPCエンジンである。

 

ハドソン&NECアベニュー

PCエンジンの発売当初はハード開発元のハドソンとNECアベニューの2社のみで初期のラインナップを充実させていた。

R-TYPE Ⅰ・Ⅱ(ハドソン)

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1980年代の横スクロールシューティングの金字塔。

溜め撃ちシステムやフォースシステム、巨大戦艦との対決など、それまでの作品では見られなかった斬新な表現が数多く用いられていた。

 

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邪聖剣ネクロマンサー(ハドソン)

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PCエンジン初のロールプレイングゲーム。

PCエンジンの性能を駆使し、戦闘シーンでは敵キャラから音を立てて血が吹き出たり、内臓や死体などを模したグロテスクな敵が登場した。

画像と音楽は非常に凝った作りになっている。

 

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ビックリマンワールド(ハドソン)

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ハドソンの横スクロールアクションゲーム。

セガがアーケードゲームとしてリリースした「ワンダーボーイ モンスターランド」を、ハドソンがPCエンジンに移植する際、当時人気だった「ビックリマン」に登場するキャラクターに書き換えて制作された。

 

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カトちゃんケンちゃん(ハドソン)

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探偵のカトちゃんとケンちゃんが活躍する横スクロールのアクションゲーム。

目的は誘拐された資産家を救出しに行く事。

「大技林」などの徳間書店発行の本では「とにかくキャラの表情がリアルなのが印象的」と紹介されている。

 

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スペースハリアー(NECアベニュー)

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セガのアーケードゲームシリーズ「体感ゲーム」第2弾としてリリースされたタイトルのPCエンジンへの移植版。

主人公の若き超能力戦士ハリアーがドラゴンランドの危機を救うべく単身突入する擬似3Dシューテイングゲーム。

 

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ファンタジーゾーン(NECアベニュー)

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セガが稼働させた業務用横スクロールシューテングのPCエンジンへの移植版。

任意方向へのスクロールと買い物によるパワーアップシステムが特徴。

オパオパを操作しファンタジーゾーンの巨大要塞を破壊するのが目的。

 

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桃太郎活劇(ハドソン)

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ハドソンよりPCエンジン専用ソフトとして発売されたアクションゲーム。

「桃太郎シリーズ」初のアクションゲームであり、4段階の難易度が用意されている。

 

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ナムコの参入 

のちにファミコンソフトの製造での優遇措置停止で任天堂とのトラブルになっていたナムコが参入する事によりハドソン・NECアベニューと共にソフト提供メーカーは三本柱になる。

PCエンジンが勢いづいてきた時期である。

スプラッターハウス(ナムコ) 

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ナムコから発売されたアーケードゲームのPCエンジンへの移植版。

主人公リックを操作し、さらわれた恋人ジェニファーを救出するため、館に巣喰う化け物を倒してゆくアクションゲームである。

 

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妖怪道中記(ナムコ)

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ナムコからリリースされた横スクロールアクションアーケードゲームのPCエンジンへの移植版。

たろすけを操作して、縦横移動可能なサイドビューステージ、妖怪を倒しながら進んでいく。

お金の概念が導入されていてショップでアイテムを購入できる。

 

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ワルキューレの伝説(ナムコ)

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ナムコが稼働させたアーケードゲームのPCエンジン移植版。

トップビュー視点のアクションアドベンチャー。

剣による直接攻撃とMP消費による魔法攻撃を使いステージを進んでいく。

 

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続々とソフトメーカーが参入

ナムコのPCエンジン参入の成功により、その頃参入社数過多により飽和状態になっていたファミコン市場から新たな市場を求めたサードパーティがPCエンジンへと参入し始めた。

これにより任天堂のファミリーコンピュータが独占状態であった国内家庭用ゲーム機市場でPCエンジンは任天堂に次ぐ二番手となった。

魔境伝説(ビクター音楽産業) 

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 PCエンジン初期の1988年にビクター音楽産業からリリースされた横スクロールアクション。

村長から託された伝説の斧「スティング」を手にジャグウの根城である魔境へと単身乗り込む。

ゲームバランスが良く根強いファンがいた。

 

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ビジランテ(アイレム)

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アイレムから発売されたアーケード用横スクロールアクションのPCエンジンへの移植版。

さらわれたヒロイン「MADONNA」を救う為、主人公がニューヨークの裏通りでバトルを繰り広げる。

全5面からなり、各面ボスを倒して面クリアとなる。

 

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奇々怪界(タイトー)

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タイトーからリリースされたアーケード用のアクションシューティングゲーム。

巫女の小夜ちゃんが妖怪にさらわれた七福神を救うために戦う。

近接攻撃のお祓い串と遠距離攻撃のお札を使いわけ、妖怪を退治しながら神社の境内を進み、大物妖怪を倒す。

 

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PCエンジン情報雑誌も充実 

PCエンジンの勢いが増していくのに比例して、今までファミコン情報誌を出していた出版社が次々とPCエンジン情報誌を創刊していった。

マル勝PCエンジン(角川書店)

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もともと人気の高かった「マル勝ファミコン」の姉妹誌として角川書店が1988年11月に創刊。

 

電撃PCエンジン(メディアワークス)

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角川メディアオフィス社のスタッフが「お家騒動」により同社から一斉に離脱し、メディアワークスを立ち上げたのに伴い1992年に創刊。

 

月間PCエンジン(小学館)

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当時ハドソンが夏休み期間中に行っていた全国キャラバン大会のタイアップを通じて関係が深かったコロコロコミック経由で小学館が1988年11月に創刊。

 

PC Engine FAN(徳間書店)

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元々は「ファミコンマガジン」のコーナーの一画だったがPCエンジンの人気上昇と共に1988年10月に独立創刊となった。

 

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 驚異の5人同時プレイ 

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 さらに当時コントローラー接続は2個までという常識を覆すマルチタップが発売される。

マルチタップによりコントローラー5個同時接続が可能となり、5人同時プレイが出来るソフトも現れる。

今でこそオンラインゲームで多人数同時プレイのゲームは多々あるが、ネットすらない時代に、マルチタップを利用し友達4~5人で同時プレイはまさに未来のゲーム先取りと言えた。

 

ダンジョンエクスプローラー(ハドソン)

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1989年にハドソンにより発売されたアクションRPG

マルチタップにコントローラーを5つ繋げて最大5人同時プレイが行えるのが特徴。

プレイヤーは8つある職業の内の1つを選びスタートし、王様から指定されたダンジョンを順に探索していく。

ショットと魔法を駆使してフィールド上を進んで行き、各エリアの1番奥の部屋で待ち構えているボスと対決するという流れとなる。

 

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遊々人生(ハドソン)

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PCエンジン初期タイトルの1つで、同ハード初のボードゲームでもある。

ゲームタイトルこそ違うがれっきとした「人生ゲーム」の公認作であり、クレジットにもタカラ(現:タカラトミー)のライセンス表記がされている。

すなわち本作は事実上の人生ゲーム初の家庭用ゲームソフトデビュー作であり、人生ゲームシリーズにおけるルーツ的な存在に位置する。 

 

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スーパー桃太郎電鉄Ⅱ(ハドソン)

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元々はファミコンでシリーズ化されていた人気ボードゲームであったが、続編はプラットフォームを変更しPCエンジンでの発売となった。

本作から「キングボンビー」が登場し、さらにエキサイティングな駆け引きが可能となっている。

複数人でプレイすると盛り上がる事間違いなしのハドソンの看板シリーズだ。

 

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CD-ROM²の発売

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そしてとうとう1988年12月4日に世界初のソフトがCD-ROM仕様となる「CD-ROM²」PCエンジンの周辺機器として発売された。

次世代機と呼ぶに相応しいハイスペックマシーン。

大容量の540MBは圧巻。

当時のファミコンロムカセットは大容量のドラクエ4でも512KBでであった(1MB=1024KB)。

ゲームサウンドは生音源で声優によるボイス演出が導入され、まさに未来のゲームを遊んでる感覚になれた。

 

CD-ROM²ローンチタイトル

ファイティング・ストリート(ハドソン)

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カプコンのアーケード用対戦格闘ゲームストリートファイターシリーズの第一弾の家庭用移植版。

日本の家庭用ゲーム機としてはこれが唯一の移植となった。

グラフィックに多少の差異はあるものの良好な移植度で、ボタンを押している長さで弱・中・強の攻撃を使い分けることでアップライト筐体の「圧力センサー」の操作形態を再現していた。

 

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NO・RI・KO(ハドソン)

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当時人気を博していたアイドル小川範子との恋愛アドベンチャーゲーム。

作中でヒロインとして実写で登場。内容はアドベンチャーゲーム方式でバーチャルデートをするというものだった。

小川範子は世界で初めてCD-ROMに生声が収録された人物となった。

 

ローンチタイトルしては上記の2作品がラインナップされた。

双方ともCD-ROM²の性能を活かした、今までのゲームの常識を覆す内容でかなり話題になった。

特にファイティング・ストリートは元々アーケードでストリートファイターが人気だったため目玉ソフトとして注目を浴びた。

しかし価格が59,800円とゲーム機としては破格の値段であった為、当初は殆ど普及しなかった(当時の物価は2018年現在の約半分)。

 

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ビッグタイトルリリースによるCD-ROM²の普及

しかしその半年後に発売された「天外魔境ZIRIA」を皮切りに、「イースⅠ・Ⅱ」や「スーパーダライアス」などのビッグタイトルが立て続けにリリースされ、CD-ROM2の持つ可能性が認知される事により、ゲーム機に高額を投資できるマニア層をメインに普及していく事になる。

天外魔境ZIRIA(ハドソン)

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1989年6月にハドソンから発売されたロールプレイングゲーム。

火の一族、ガマ族の末裔。ガマ仙人の元で育てられ、マサカド復活をたくらむ大門教を討ち果たすために旅立つ。

 

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イースⅠ・Ⅱ(ハドソン)

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1989年12月にハドソンから発売されたアクションロールプレイングゲーム。

ファルコムのイースシリーズの1と2をひとつにして発売した。

オリジナルと同様の味わいをそのままに512色発色の特性を活かし、更にブラッシュアップされている。

 

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スーパーダライアス(NECアベニュー)

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1990年3月にNECアベニューが発売した横スクロールシューティングゲーム。

タイトーのアーケード用ゲームの移植である。

アーケードではモニターを横3つに連結して表示する専用筐体を採用していた為移植は不可能と言われていたが完璧な移植が話題になった。 

 

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コブラ 黒龍王の伝説(ハドソン)

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1989年3月にハドソンより発売されたアドベンチャーゲーム。

それまでのゲームソフトとは桁違いとなるCD-ROMの容量を活かして、原作の絵を取り込んだものをドットに起こした大量のグラフィックやアニメーション処理、声優を起用した音声台詞などの演出が話題となった。

 

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コズミックファンタジー 冒険少年ユウ(レーザーソフト)

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1990年3月にレーザーソフトから発売されたロールプレイングゲーム。

CD-ROMによるテレビゲームの黎明期に「RPGの重要シーンにアニメーションを使って表現する」手法を本格的に採用した作品である。

 

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SNATCHER(コナミ)

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1992年8月にMSXより移植されたアドベンチャーゲーム。

2042年のネオ・コウベ・シティを舞台に、人間を殺しその人物と入れ替わって潜伏している正体不明のアンドロイドスナッチャーとそれを追う捜査官ギリアン・シードとの戦いを描く。

 

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ときめきメモリアル(コナミ)

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1994年5月にコナミより発売された恋愛シミュレーションゲーム。

3年間の高校生活の中で意中の女子から告白されるのを目的とするギャルゲー。

コンシューマ機におけるギャルゲーとしてはパイオニアとされる作品である。

 

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筆者とPCエンジン・CD-ROM²

最後に筆者の思い出を少しだけ語ります。

この時代の大人は皆そうだと思いますが、筆者の両親もゲームに良いイメージは持っておらず、すでにファミコンを持っていたのでPCエンジンは買ってもらえませんでした。

しかしラッキーなことに友達から安く譲り受けることができPCエンジンを堪能することができました。

その後CD-ROM2が発売されますが59,800円という価格は子供ながらに大金過ぎると理解していた為諦めていました。

あまり覚えて無いのですが「買ってくれ」とは口に出さないけど、父にいつもCD-ROM2の話を嬉しそうに話していたようです(父談)

ある日朝起きると、誕生日でもクリスマスでも無いのに枕元にはなんとCD-ROM2が置いてありました!父が買ってきてくれたのです!

厳格な父にしては前代未聞の出来事でありましたが、めちゃくちゃ喜んで何度もありがとうを言ったのを覚えています。

本当に嬉しくて今でもあの時の感動は忘れられません。

父とたまに呑む時、酔うとよくその話をします。

 

PCエンジンとCD-ROM²にはかなり名作ソフトが揃っていて、筆者が多感な時期だった事もありその数々のタイトルの事を今でも鮮明に覚えています。

その全ての思い出は大切な宝物であり、これからも大事にしていきたいと思います。

 

 今回は『PCエンジン』の紹介でした。

 

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