『コズミック・ファンタジー 冒険少年ユウ』は1990年3月30日に日本テレネットよりPCエンジンCD-ROM²用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。
CD-ROM²の性能を活かした美しいビジュアルシーンや声優を起用した喋るキャラクターはこの時代には衝撃できであり話題となった。
キャッチコピーは「ドラマチックなビジュアルの連続に、キミはもう、声も出ない!」。
後にシリーズ化され「4」まで発売された。
ストーリー
銀河系の惑星が連邦統一されてから約一世紀。
科学文明が発達する一方で、それらを悪用する犯罪も急増していた。
これは、銀河系の平和を守るため、悪に敢然と立ち向かった少年、コズミックハンター・ユウと、その仲間たちの愛と冒険を綴った物語である。
キャラクター
ユウ
宇宙を守る腕利きのコズミック・ハンター。年齢は14歳。
ピンチになると強力なサイキックを使用し数々の事件を解決してきた。
ネズミをモチーフにした宇宙船「アルジャーノン」と、バイク型ロボットの「もんも」と常に一緒に行動し、何故かクマの顔が描かれたヘルメット「ももんがヘルメット」をいつも被る。
サヤ
本作のヒロイン。年齢は20歳。
妖姫モルガンを倒した勇者ティタニスの末裔で銀河魔法を使用する。
惑星ノーグ出身でユウと出逢い共に銀河へ旅立ち、コズミック・ハンターとなる。
ニャン
自称銀河一の星間商人。シャム星出身。
普段はズルをしてでも金儲けに走るが、主人公がピンチに陥るといつもどこからともなく現れてアイテムを「売りつける」。
もんも
ユウと共に行動するモモンガ型の生体メカで、バイクになったり空を飛んだりする。
元々ユウの両親からプレゼントされた。
見かけが「タヌキ」とニャンによく言われるため、ニャンとはケンカが絶えない 。
アルジャーノン
ユウの愛機。
メインコンピュータの愛称は「マザー」。
モニタに描写される「マザー」は女性の姿をしている。
『コズミック・ファンタジー』とは
概要
CD-ROMによるテレビゲームの黎明期に発売されたRPGシリーズである。
企画・シナリオ・監督は越智一裕、メカデザインはアニメーターの小原渉平。
この時代のRPGにしては珍しく、宇宙を舞台としメカなどが登場するSF的な世界観ではあるが、トップビューのフィールドマップにコマンド式の戦闘など、システムとしては至ってオーソドックスなRPGを踏襲している。
メディアミックス化
本作は越智一裕によるキャラクターデザインなどが人気を博し、後にファンクラブ発足や小説、漫画、OVAが発売されるまでに至る人気作となった。
当時はまだ少なかったゲームを原作とするメディアミックス化に見事に成功している。
その後『コズミック・ファンタジー』はシリーズ化され1994年に4作目が発売されるまで続編は続いた。
ビジュアルシーン
CD-ROMの大容量を活かし「RPGの重要シーンにアニメーションを使って表現する」手法を本格的に採用した作品である。
該当シーンは作品中は「ビジュアルシーン」と呼ばれている。
当時のコンシューマ機としては、ゲーム中でキャラが動き、喋るというのは衝撃でありかなり話題となった。
エッチなシーン満載
シリーズを通してヒロインの入浴シーンや着替えシーンは“お約束”として導入されており、子供達には少し刺激が強かった(笑)。
しかしシリーズが進むに連れ、それまでは湯気などで隠していた際どい部分がどんどんエスカレートしてゆき、とうとう裏技を利用するとヒロインの全裸のビジュアルシーンが見れるというところまで暴走した(笑)。
当時は家庭用ゲームに年齢制限やCEROレーティングなど存在していなかったから許された内容である。
最後に
この時代にゲームの映像がこれ程までに精細に描かれ、キャラがアニメーションし声優が声を当てているビジュアルシーンは他に類がなく、まさに衝撃的なタイトルでした。
さらにオープニング主題歌には西村知美が歌う「光の海の中へ」が起用され、まるでアニメを見ているかの様な演出に驚きました。
CD-ROMというディスクメディアを利用したゲームの記憶媒体の可能性を示すには十分な役割を担った作品だと言えます。
そのキャラクターの魅力などを利用したメディアミックス化によって商業的には成功を収めた本作ですが、逆にこれまでのロムカセットに比べ、CD-ROMの弱点も課題として残りました。
それはロード時間の長さです。
エンカウントの度にCD-ROMへのアクセスが発生するので、戦闘開始まで読み込み時間が時々極端に長くなり、長い時は数十秒かかる場合もありました。
それに追い討ちをかける様に本作はかなりエンカウント率が高かったので、少し歩くと敵と遭遇、長時間読み込みを繰り返すので相当のストレスでした。
結局筆者はそのストレスに負けて途中でゲームを継続するをやめてしまいました。
その様な経験から筆者にとっては少し残念な思い出の本作でしたが、ディスクメデア媒体でのゲームの凄さはしっかり感じる事ができた記憶に残るタイトルでもあります。
今回は『コズミック・ファンタジー 冒険少年ユウ』の紹介でした。
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