『ビックリマンワールド』は1987年10月30日にハドソンよりPCエンジン用ソフトとして発売されたアクションロールプレイングゲーム。
『上海』と共にPCエンジンのローンチタイトルとして、本体と同時発売された2作品のうちのひとつである。
ビックリマンワールドとは
PCEのローンチタイトルとして発売されたARPGである。
オリジナルは1987年8月にウエストンが開発しSEGAが稼働させ、大ヒットしたアーケードゲーム『ワンダーボーイ モンスターランド』の移植タイトルである。
ハドソンが移植する際に本作のキャラクターを当時子供達の間で大人気だった「ビックリマン」に置き換えて製作された。
ちなみに同時期から「ビックリマン 天使VS悪魔」のテレビアニメが放映開始しており、『モンスターランド』の移植というよりは「ビックリマン」のゲーム化というイメージの強いのタイトルである。
ビックリマン
1977年から発売されているロッテのチョコレート菓子。
おまけでシールが1枚入っているのが特徴。
特に1980年代から1990年初頭に掛けて発売された「天使VS悪魔」シリーズは子供達を中心に爆発的なブームを巻き起こし、この頃に子供時代を過ごした者で知らない人はいないほどの流行となった。
おまけのシール収集が大流行りし、レアシールの高額レートでの取引や大量に購入してシールだけ抜き取りお菓子を捨てるといった行為が横行し社会問題にまでなった。
肝心のお菓子はアーモンド入りのチョコレートをウエハースで挟んだ物でありかなり美味しい。
筆者は箱買いしてシールだけ抜き取っていたお金持ちの友達にお菓子をしこたま貰って喜んでいた思い出がある(笑)。
ゲームシステム
ゲームシステムは『モンスターランド』とほぼ同じで主人公、各ステージのボス、ショップの店員などのグラフィックをビックリマンのキャラクターに差替えてあるだけである。
プレイヤーは主人公のヘッドロココを操作し、全11ステージを進めてゆき、ラスボスであるブラックゼウスを倒すのが目的。
最初は弱いヘッドロココだが、敵を倒しスコアを重ねるとHPなどが増えていき強くなってゆくというRPG要素が採用されている。
剣は中ボスを倒す事で手に入れることが可能。
またお金の概念があり、お金を貯めてショップで装備品を購入してステータス強化もできる。
ゲームバランスはよく取れており、難易度はそこまで高く無いため子供でも全面クリアが可能なタイトルであった。
最後に
アーケードゲーム『モンスターワールド』とほぼ同様という、その移植度の高さが素晴らしい。
当時のコンシューマ機ではスペック差からアーケードゲームの移植はかなり内容を削られたり、変更されていたのだがこの移植によりPCEのハードとして高性能さを周知するには十分な内容だった。
さらに当時人気絶頂だった「ビックリマン」のキャラクターを採用することにより、『モンスターワールド』のファン層と「ビックリマン」のファン層、両方を取り込めたことはローンチソフトの役割として成功したと言える。
しかしゲーム内容は100%『モンスターワールド』のため、「ビックリマン」要素は全く皆無であり、「ビックリマン」のゲームを楽しみに購入したプレイヤーには何が何だか分からない状態であった(笑)。
それでもゲーム自体がバランスの良い名作と言ってもいいタイトルなので、結局プレイヤーからは概ね良い評価を貰える結果となった。
なお、BGMと効果音はオリジナルに忠実に再現されており、これもPCEの性能を知らしめる要素のひとつとなった。
余談ではあるが、のちに主人公を高橋名人に置き換え『新高橋名人の冒険島』として携帯アプリで配信されたことがある。
ちなみにオリジナルである『ワンダーボーイ モンスターランド』は2019年5月30日にNintendo Switch向けに復刻する「SEGA AGES」シリーズで配信開始されているので、昔を懐かしみそちらをプレイしてみるのも良いだろう。価格は925円。
今回はPCEのローンチタイトル『ビックリマンワールド』の紹介でした。
あわせて読みたい