『オーダイン』は1989年9月8日にPCエンジン用ソフトとしてナムコから発売されたシューティングゲーム。
オリジナルは1988年に同社が稼働させたアーケードゲーム。
コンシューマ機への単体移植はナムコとしては珍しくPCEのみ。
その後1996年にPS用ソフト『ナムコミュージアム VOL.4』にも収録されている。
本記事はPCE版をメインとしている。
『オーダイン』とは
AC版は当時新開発されたばかりの基盤システムⅡによる回転、拡大縮小機能を十二分に利用し、背景に固定された障害物が回転したり、敵キャラクターがローリングしながら体当たりするなど、これまでのシューティングとは一線を画した独特の演出が特徴のSTGであった。
これらの演出は当時としてはとても斬新であり、プレイヤーに大きなインパクトを残した作品である。
ポップでコミカルなステージ舞台や、色彩豊かで細かく描写されたグラフィック、ノリのいいBGMなどで人気を博した。
PCE版『オーダイン』
翌年に本作はPCEにて移植販売されることとなった。
しかしAC版のシステムⅡによる回転、拡大縮小などの演出はこの時代の家庭用ゲーム機で再現する事は不可能であり、ボイス・2重スクロールは全て割愛され、回転拡縮を利用した業務用の演出もほとんど差し替えられていた。
それでもプログラミングにより擬似的な回転を再現するなど、業務用での様々な演出がうまくアレンジされており、家庭用機のハードスペックにしてはかなり頑張っていると高評価を得ている。
ストーリー
天才科学者、泊裕一郎は、あらゆる物質を好きなものに作り変える事ができる夢の原子変換装置「オーダイン」を完成させ、その起動装置を組み込んだペンダントを婚約者の相原香奈にプレゼントする。
ところが、結婚式の前日、オーダインに目をつけた悪人クボタがペンダントもろとも香奈をさらってしまう。
オーダインを取り戻すと共に香奈を救い出すべく、泊博士は弟子のサンデー珍と共に戦闘機に乗り込み、クボタ率いる悪の軍勢に立ち向かっていくのであった。
ゲーム概要
全7ステージの個性豊かな可愛らしい舞台の横スクロールSTG。
各面のラストにはBOSSが待ち構えており、これを撃破するとステージクリア。
全7ステージをクリアするとエンディングとなる。
残機制で敵機・敵弾・地形に接触すると1ミスとなり、全機失うとゲームオーバー。
コンティニューは5回まで可能となっている。
裏技のコマンド入力により、難易度設定・残機設定が可能となっている。
2人同時プレイ及び途中参加可能となっており、1P側が泊博士、2P側が助手のサンデー珍を操作する。
敵を倒すと出現したりステージクリアボーナスで獲得できるクリスタルを集めると、ステージの途中で出現するショップにて買い物が可能となっている。
武器は「ショット強化」「ボム強化」「バリア」「スピードアップ」「残機増」の中から好きなアイテムをひとつ購入できる。
それにより自機をパワーアップさせ、有利にゲームを進めることができる。
ショップには「スピードアップ&ショット系」などの抱き合わせアイテムもあり、一度に2種類のパワーアップを購入することも可能。
最後に
筆者はアーケードでは本作をプレイした事はないが、PCE版は友人に借りて遊んだことがある。
プレイしてみて最初に感じたのはSEGAの往年の名作STG『ファンタジーゾーン』に似ているという印象だった。
横スクロールのSTGであり、可愛くてコミカルなステージやキャラクター。
ショップでは買い物ができ、自機をパワーアップできるしすてむなど様々な要素が『ファンタジーゾーン』を彷彿とさせていた。
この手のSTGが好みだった筆者は、すぐに本作の魅力にハマり夢中になってプレイした。
AC版はなかなかの難易度だったらしいが、PCE版は家庭用機に合わせ難易度が大幅に下げられており、STGが下手糞な筆者でもやり込む事でなんとかクリアできたタイトルである。
なかなかの名曲揃いであるBGMは、本作の明るくポップな雰囲気のグラフィックにマッチしており、ゲームを盛り上げるのに一役買っている。
PCE版はそこまで大ヒットはしなかったが、そこはやはり老舗メーカーナムコの手掛けるSTG。
システム・バランス・BGM・グラフィックと全てが高い水準でまとまっている隠れた名作と言えるタイトルである。
PCE版以外だとWiiのバーチャルコンソールとPSの『ナムコミュージアム VOL.4』でしか移植されてないので、現在プレイするのは少し難しい。
今やっても面白いと思えるタイトルのひとつなので、是非Switchなどの次世代機で配信して欲しい。
今回はポップでコミカルなPCEの隠れた名作シューティング『オーダイン』の紹介でした!
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