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【プロ野球ファミリースタジアム'87】前作の箱にシール貼っただけという手抜きパッケージでお馴染み!シリーズ唯一の“飛ばない”ファミスタ。【ファミコン・ナムコ・レビュー】

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『プロ野球ファミリースタジアム'87』は1987年12月22日にファミリーコンピュータ用ソフトとしてナムコから発売された野球ゲーム。

ナムコットファミリーコンピュータゲームシリーズの第36弾。

以後『ファミスタ87』と呼称。 

 

 

『 ファミスタ87』とは

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前作『ファミスタ86』(1986年)のほぼ1年後に発売された後継作品である。

実際のプロ野球での1987年度の成績による選手データの変更が行われ、世紀の大型トレードにより落合がロッテから中日へ移籍、この年に加入した助っ人外人ランスやホーナーなどが新たに登場する。

 

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スポーツゲームの選手データだけ最新版に変更して新作として販売する商法の走りとも言えるタイトルである。

販売本数は130万本であり、これはファミコンソフト全1252本の中でも25位の歴代記録である。

 

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ゲームシステム

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基本システムはほとんど前作を踏襲する形となっているが、いくつかの変更点もある。

10球団から12球団になったことでセ・パ両リーグ全チーム揃ったかと思いきや、日本ハムとロッテはFチーム(フーズフーズ)として連合チーム、南海と近鉄もRチーム(レールウェイズ)として連合チームのままである。

ただし阪急は1987年の成績がパ・リーグ2位と良かったため、前作のRチームから独立してBチーム(ブラボーズ)となっている。

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Nチーム(ナムコスターズ)は健在。

そして今作からのスーパーチームとして、アメリカ大リーグのオールスターチームであるMチーム(メジャーリーガーズ)が登場している。

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球場は変わらずピッカリ球場であるが、ナムコットスポーツに掲載されている収容人数は3万人から4万人に増えている。

その他には選手データの表記方法や、球場の外観など細部のグラフィックが変更されている。

 

歴史に残る手抜きパッケージ

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ナムコは本作を販売するにあたり、前作『ファミスタ86』のハードケース(箱)・カセットラベル・説明書をそのまま利用してタイトルの横に「87年度版!」というシールを貼るだけという暴挙に出た(笑)。

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取扱説明書にいたってはゲーム画像と文章を数箇所変えただけという手抜き仕様である(笑)。

このユーザーを舐めてるとしか思えない大胆な手の抜き具合に、ゲーム雑誌では「手抜きパッケージ& カセット!」だとか、「馬鹿野郎!シール貼っただけ!」などと酷評され、ユーザーからは嘲笑やネタの対象にされた(笑)。

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出荷時期によっては箱裏の一文「個性豊かな160人の選手が~」が190人に、カードリッジ裏の一文「10球団の中から〜」が12球団になどの僅かな訂正はされているが、新作として出すならパッケージや説明書くらい最初からちゃんと新しくデザインしろよと言いたい(笑)。

これも昭和というゆるい時代だからこそ許された所業だろう(笑)。

 

最後に

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ホームラン打者の打球がよく飛んだ前作に対し、今作は飛距離が抑えられた投高打低な仕様となっている。

さらにバッターボックスでは前方に移動できなくなっており、変化球が曲がる前に打つというテクニックも封じられているため打者はなおさら不利になっている。

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これにより点が入りにくくなっているので、よりテクニックが重視されるようになった。

上級者同士の対戦では1点を争う試合が多くなり僅かなミスが命取りであった。

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息もつかせぬ投手戦と言えば聞こえはいいが、ユーザーからはホームランが出ないので爽快感が無いと概ね不評であった。

この評価を受け翌年発売された『ファミスタ88』(1988年)からは再び打者有利の内容に戻り、“飛ばないファミスタ”は後にも先にもこの1作だけという結果に終わった。

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この様に世間の評価はイマイチな本作であったが、筆者は『ファミスタ87』の熱い投手戦が結構気に入っていた。

九回裏まで0対0とスコアボードに0が羅列していく試合の、コントローラーを握る手が緊張で震える様な感覚が忘れられない(笑)。

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次作の『ファミスタ88』以降はホームランが出やすくなったのと、エラーが実装されたことにより、運の要素が少なからず多くなった。

それはそれでゲームとしてはプラスの面もあるとは思うが、個人的にはあのドット単位で投球コースを投げ分けるようなギリギリの投手戦をまた味わいたいと願う。

 

今回は前作の箱にシール貼っただけという前代未聞の手抜きパッケージで有名な『プロ野球ファミリースタジアム'87』の紹介でした!

 

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