『SNATCHER(スナッチャー)』は1988年11月26日にコナミよりPC用ソフトとして発売されたサイバーパンクアドベンチャー。
1992年にPCエンジンCD-ROM²に移植される。
のちにメタルギアシリーズで有名となる小島秀夫が監督した初期の作品である。
キャッチコピーは「疑い…全ての闘争はそこから始まる──。」
サイバーパンク世界が舞台となっており、そのゲーム設計や表現はのちに発売された『ポリスノーツ 』の原型ともなった。
あらすじ
2042年のネオ・コウベ・シティ(神戸港を埋め立ててできた架空の都市)を舞台に、人間を殺しその人物と入れ替わって潜伏している正体不明のアンドロイドの「スナッチャー」と、それを追う捜査官(ジャンカー、JUNKER)である主人公ギリアン・シードとの戦いを描く。
舞台から3年前、第17次シベリア捜索隊によって、原因不明の記憶喪失状態でジェミーと共に発見、保護される。
妻(発見前の所持品から判明)のジェミーとは2年前に別居。保護された後に特殊訓練を受け、通称JUNKERとなった彼が、ネオ・コウベ・シティに配属された所からストーリーが始まる。
サイバーパンクアドベンチャーの最高傑作
サイバーパンクという世界観が好きな人には堪らないアドベンチャーゲーム。
テキスト形式のコマンド選択型ADVに劇場型の演出を取り入れた始祖的作品。
筆者はPCE版で初プレイしたがその面白さに魅了され、寝る時間も惜しみながら遊んだものだ。
細かく世界設定がなされており、それがゲーム中に細かく説明されていくのでSFであるのも関わらずかなりリアリティーを感じられる物語となっている。
JUNKER
主人公はJUNKER所属のギリアン・シード。
JUNKERとはJudgement Uninfected Naked Kind & Execute Rangerの略であり、一般人に紛れたスナッチャーを特定し、処理することを任務とする政府直属の特殊警察を指す。
JUNKERと言う名前で敵がアンドロイドである事から「屑鉄処理人」とも呼ばれる。
スナッチャーの手により惨殺されたJANKERの同僚も多数いる。
敵もJUNKERは最優先殺害ターゲットとしていると見られ油断していると命がいくつあっても足りない。
敵は人間に成り代わっている為、要職に就いている人や犠牲者の家族であっても全てを疑って細心の注意を払いながら捜査を進めて行かなければ、次は自分が犠牲になるやも知れない仕事なのだ。
スナッチャー
それは正体・目的が一切不明のアンドロイド。
人間を殺害し、殺害した人間とすり替わる(スナッチ)ことからスナッチャーと呼ばれている。
素体は金属製の人体骨格標本のような形状をしている。
すり替わった人間の性別・体型をはじめとした身体的特徴をすべて似せることができる(血液型まで同じにすることができる)ため、一旦すり替わってしまうとスキャニング以外の手段でスナッチャーと判断することは非常に困難である。
敵は警察内部にも既に入り込んでいると予想されている。
最悪の場合JUNKER本部にも既に潜入しているかも知れない…。
メタルギア mk-Ⅱ
唯一信用できるのは主人公をサポートする小型の二足歩行のナビゲーター型ロボット「メタルギア mk-Ⅱ」だけだ。
高度な人工頭脳と高い分析能力を持っているため、捜査では非常に役に立つ相棒だ。
規則には厳しいものの、お茶目で憎めない性格設定がされており、場面や現場の解説やアドバイスをくれたり、ギリアンのボケに対してツッコミなども入れてくる(笑)。
20世紀の遺物であるメタル・ギアの設計図を元に開発されたと言われている。
小島監督は過去のゲーム作品に関わるキャラクターや歴史をクロスオーバさせることが多い。
メタルギア、スナッチャー、ポリスノーツなどは要所でリンクされていたりしてファンをニヤリとさせる設定が多い(笑)。
今プレイしても色褪せない名作
2043年の日本、ネオコウベシティを舞台に記憶をなくした一人のJUNKERがスナッチャーの謎に迫る物語。
果たしてスナッチャーとは何の目的で、一体誰が作り出したのか?
SF感たっぷりのサイバーパンクの世界でハードボイルドサスペンスを堪能して欲しい。
BGMも素晴らしく映画を見ている様な高揚感を与えてくれる。
このタイトルを昭和の時代に世に出すとはさすがと言うしかない。
今の若いプレイヤーが遊んでもきっと楽しめるだろう。
しかし実際に現在プレイするとしたらPS版、PCE版、SS版くらいだろうか?
残念ながらゲームアーカイブスでは配信されていない。
小島監督のコナミ退社と関係があるのかは不明である。
歴史に残る名作ADVなのでいつかリメイクを実現して欲しい。
その時はやはり小島監督に制作願いたいものだ。
今回は『SNATCHER』の紹介でした 。
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