『POLICENAUTS(ポリスノーツ)』は1994年7月29日にコナミよりPC用ゲームとして発売されたアドベンチャーゲーム。
メタルギアで名を知られるようになった小島秀夫氏が脚本、監督を担当した、『スナッチャー』に続くSFハードボイルドアドベンチャー第二弾。
細部まで作りこんだ世界設定と質の高いシナリオ、シリアスの中に散りばめられたユーモア等、非常に小島色が強い作品といえる。
1995年に3DO・1996年にPlayStationとSEGA SATURNに移植された90年代アドベンチャーゲームの名作のひとつである。
あらすじ
忠告しておこう。
宇宙は、まだ俺達には広すぎる。
あの暗闇は、人の心を見えなくする──。
2010年、人類はラグランオニール型スペースコロニー「BEYOND COAST」(ビヨンド・コースト)を完成させ、移住を開始した。
そして2013年、宇宙への一般市民の大量移住に対応すべく、世界中から選抜された5人の警察官が宇宙飛行士としての訓練を受け、BEYONDの治安を守るべく配備された。
警官(POLICE)であり宇宙飛行士(ASTRONAUTS)である彼らを、人々は「ポリスノーツ」(POLICENAUTS)と呼んだ。
『ポリスノーツ』 とは
近未来、スペースコロニー「BEYOND COAST」で繰り広げられる刑事ドラマアドベンチャーゲーム。
SFアニメでよくある「宇宙という開拓地のロマンやそこにかける希望」などといった明るいテーマではなく、「過酷過ぎる宇宙環境と、そこへ足を踏み入れてしまった人類が直面する限界」という重いテーマが主軸となっている。
更に、麻薬や臓器密売、コロニーという閉鎖環境ゆえの環境問題といった形で現実世界でも問題となっている要素が取り入れられ、重厚な物語が作られている。
スナッチャーの「映画的手法を導入したゲーム」を引き継いだ作品。
スナッチャー、メタルギアと脇役キャラや歴史がクロスオーバーしていて気付くとニヤリとしてしまう。
完成されたエンターテイメント作品
筆者は1996年発売のPS版が初めてのプレイだ。
ゲームの持つ独特の雰囲気と魅力的なキャラクター、素晴らしいストーリーに夢中になって遊んだことを覚えている。
30年近く経った現在でも定期的に5年に一度は再プレイするほど特別なタイトルである。
登場キャラクターが皆魅力的でセリフ回しがいちいちカッコいい。
まるでハードボイルドハリウッド映画を観ているようにサイバーパンクの世界で物語が進んでいく。
そしてポリスノーツをさらに盛り上げるのがBGMだ。
世界観にぴったりのサウンドはプレイヤーをこのゲームの更に深いところまで連れて行ってくれる。
『スナッチャー』と『ポリスノーツ』のサウンドトラックは至高のゲームミュージックなので是非聴いてもらいたい。
最後に
小島監督は無類の映画好きとして有名で、スナッチャーもブレードランナーをオマージュしていると本人も公言している。
本作『ポリスノーツ』に至っても要所にいくつもの映画オマージュシーンを取り入れられている。
「あ、このシーンあの映画のオマージュだな?」などと考えながらゲームを遊ぶのも楽しいだろう。
しかし主人公である元刑事のジョナサン・イングラムとその相棒のエド・ブラウン刑事。
あんたらはメルギブソン主演の刑事映画「リーサル・ウェポン」のオマージュって分かりすぎだ(笑)
サイバーパンクADV全盛期を代表するタイトル。
きっとプレイヤーの心に深く刻み込まれる物語になること請け合いだ。
小島監督には是非またサイバーパンクアドベンチャーというジャンルのゲームを製作してもらいたいものだ。
現在『ポリスノーツ』はゲームアーカイブスでDL購入できます。
PSvitaなどで遊べるのでまだプレイしたことのない方は一度プレイしてみて欲しい。
今回は『POLICENAUTS 』の紹介でした。
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