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【METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN】悪に堕ちる。復讐の為に。【PS4・コナミ・レビュー】

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『METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN(メタルギアソリッド5ファントムペイン)』は2015年9月2日に、コナミデジタルエンタテインメントからマルチプラットフォームにて発売されたステルスゲームであり、メタルギアシリーズの8作目にあたる。

略称は『MGSV:TPP』。

本作は序章に位置付けられた、MGSグランドゼロスの本編としての扱いである。

小島秀夫が率いる小島プロダクション(通称コジプロ)が開発元。

本作の発売後2015年末に小島はコナミを退社し、新会社「コジマプロダクション」を設立した為、コジプロがコナミの元で制作した最後の作品となった。

 

 

MGSV:TPPとは

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『GZ』から一年を経て発売された、いわゆる『V(ファイブ)』の本編。
ストーリーへの期待、前作より遥かに広大なオープンワールド、それに伴う自由潜入(プレイヤー自身が潜入方法を決める自由度)など、さまざまな点からファンのみならず新規ユーザーからも期待されていた。

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特に今作はシリーズの始祖である『メタルギア』に繋がる物語として注目され、シリーズ一番の謎に踏み込むものであることも、期待を高める後押しとなった。

発売された作品もシステム、ストーリー、バランスと共に素晴らしい出来であり世界中のゲーマーから絶賛される事となる。

しかしゲームストーリーが後半に差し掛かるにつれ、大きな問題点が浮き彫りとなった。

それは今作は2章構成だが、1章の非の打ち所のない内容に比べ、2章ではメインストーリーのボリュームが激減し、最後はかなり唐突に終わりを迎えるという点である。

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コナミとコジプロの確執は発売前から噂されており、いわゆる制作打ち切りで未完成の状態で強制発売に至ったと言っても決して過言ではない内容であった。

完全に完成していれば、歴史に残るタイトルとなったのは確実だっただけに実に残念な結果であった。

 

あらすじ

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1984年3月11日。

病室で目を覚ましたヴェノム・スネークは、自分が昏睡状態のまま9年間も眠り続けていたことと左腕の喪失、整形手術が施されていたことを知らされる。

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目覚めたばかりの彼の前に、謎の女と全身が燃えている男、燃える男を操る子供の3人が現れ暗殺されそうになる。

彼らの包囲網をくぐり抜け、なんとか逃げ延びたスネークはかつての仲間達と共に新たな傭兵組織ダイアモンド・ドッグズを創設する。

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世界中の紛争依頼を引き受けてビジネスを拡大し、かつてあった力を取り戻していくダイアモンド・ドッグズ。

彼らの目的はただ1つ。自分たちの全てを奪っていった組織サイファーと、その張本人であるスカルフェイスへの復讐だった。

 

主な登場人物

スネーク/ビッグ・ボス

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傭兵集団ダイアモンド・ドッグズのボス。

スカルフェイス率いるXOFの襲撃に遭い、ヘリでの帰還中に起きた爆発の影響で9年間昏睡していた。

「地獄から戻ってきた鬼」として組織を拡大しながら、サイファーの目的を探る。

 

マスター・ミラー

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ビッグ・ボスの相棒。通称カズ。

国境なき軍隊 (MSF) およびダイアモンド・ドッグズ (DD) の副司令官。

ダイアモンド・ドッグズの基盤を立ち上げていたが、ビッグ・ボスが覚醒する直前にアフガニスタンで拘束されていた。

 

リボルバー・オセロット

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ビッグ・ボスに心酔しており、特別な感情を抱いている。

「THE PHANTOM PAIN」ではアフガニスタンで拘束されているミラーの救出任務をスネークに依頼する。

ビッグ・ボスの相棒であるミラーが立ち上げていたダイヤモンド・ドッグズに合流した。

 

ヒューイ

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ピースウォーカー事件に関与していた科学者。

「THE PHANTOM PAIN」の事件に深く関わり多くの事件を引き起こした。

スカルフェイスですら、ヒューイを「腐った男」と称して一緒にされることを嫌う。

 

クワイエット

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言葉を発しない女性狙撃手。様々な特殊能力の持ち主。

両眼を利き目にすることが可能であり、観測手を必要としない。

XOFの特殊部隊スカルズと同じ能力を持ち、ミラーからは信用されていないが、オセロットには貴重な情報源や重大な戦力として期待されている。

 

コードトーカー

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スカルフェイスの命令で、寄生虫の生物兵器利用を研究していた高齢な研究者。

声帯虫による伝染病を救える唯一の存在であり、ヴェノムに協力する。

 

スカルフェイス

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「XOF」を指揮する男。

黒いスーツ・アイマスク・帽子を纏っているが、その素顔は白く焼け爛れて髑髏のようになっている。

相手の弱みに付け込んだ尋問や拷問を得意としており、スカルフェイスに反抗心を抱きながらも、彼の思い通りの行動をせざるを得ない状況に追い込まれている者が多数いる。

 

スカルズ

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XOFの特殊強化部隊。

「覆い尽くすもの」と呼ばれる寄生虫により高い身体能力や特殊能力を持つ。

いずれもスキンヘッドで、高速で移動しターゲットを強襲する。

 

ハイクオリティな映像

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リアルな映像と、細部までアイディアが散りばめられたシステム。

絶妙なバランスと雰囲気抜群のBGMで極上のゲームに仕上がっている。

潜入時の緊張感と戦闘時の爽快感は相当なもので、時間を忘れて遊ぶ事ができる。

 

広大なオープンワールド

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舞台となるマップは一定のエリアで区切られることのないシームレスマップが採用され、攻略ルートの制限も撤廃された。

非常に広大なマップが用意されており、それを探索しながら目標を見つけ出す必要がある。

 

時間経過・天候変化による状況変化

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昼間から夕方へ・夕方から夜へとリアルタイムに時間が経過し、時間経過とともに雨が降ったり、砂嵐が起こるなど天候が変化する。

同じマップでも夜に比べると昼間は見通しがいいため発見されやすい、雨が降っていると足音に気付かれにくいが警戒時間が長い、砂嵐が起こっていると視認距離が短くなるといった違いがある。

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無線通信時や装備変更画面でもゲーム進行時間は止まらないため、それらを行う時は安全な場所を確保してから行う必要がある。

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夜の闇に紛れて潜入したいが、まだ辺りは明るいなどという場合には「ファントムシガー」という電子タバコを吸うことで時間の早送りが可能となっている。

 

バディシステム

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複数のバディから1名(1匹)を選びミッションに同行させ、連携行動が可能となっている。

バディにより得意とする戦略行動が違っており、高速移動に役立てたり、また先に潜入させた仲間を介して敵の配置をマーキングする・援護攻撃などを行わせることが可能である。

 

フルトン回収システム

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敵兵士や捕虜にフルトン回収装置を装着することでマザーベースへと回収し、仲間にすることができる。

それだけでなく羊などの動物や、開発を進めることで敵が所有する車やコンテナ、対空機関砲などの固定武装もフルトン装置で回収することが可能となっている。

 

マザーベース開発

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拠点開発を行い基地を大きくしたり、武器の開発や医療班、戦闘班の強化など細かく管理ができる。

ストーリーが進み、敵捕虜回収やミッション中での資源回収を多数する事により、より一層マザーベースの開発が進む。

 

様々なミッション

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救出ミッションや破壊ミッションなど、多種多様なメインミッションが用意されている。

「自由潜入」と銘打たれ、「潜入ゲームから潜入シミュレーターへ」と標榜されていただけあり、本作のミッションクリア方法は非常に幅広い。

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「敵司令官を排除する」というミッションなら、敵に見つからない潜入を目指したり、重装備を用いて強行突破したり、遠距離から狙撃したり、ヘリで敵陣上空に強行突入するなど様々な方法がある。

また、殺害以外にも無力化してフルトン回収でもクリア可能。

 

カスタマイズ

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本作では武器や装備品からバディや戦闘ヘリ、フルトン機能まで様々な装備品をカスタマイズが可能である。

武器はマガジンを大容量のものに変えたり、ロングバレル化して射程を伸ばすなどさまざまなカスタムが行える。

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ビジュアル面のカスタムは、武器のほかに車両やヘリコプターなども可能。

スコープは赤外線サーモグラフィ対応にしたり、フルトンはワームホールで異次元回収可能にするなどユニークなカスタマイズも多い。

 

幻の最高傑作

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冒頭でも触れたが1章における最高のシナリオ、細部まで拘られたシステム、高揚するBGM、絶妙なゲームバランスと全てにおいて完璧なゲームだっただけに、2章の打ち切り的に崩壊する展開が残念でならない。

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この2章のなし崩し的な終わらせ方に関しては当時かなりのプレイヤーを失望させ、批判もされたが、筆者個人は不思議とそれほど怒りは覚えなかった。

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逆にそれでも1章が面白すぎた為それでだいぶ満足でき、名作との位置付けである。

小島監督の手により再リメイクされれば間違いなく伝説の名作になるが、コナミと小島監督の確執はかなりのものがありそうで現実は難しいと思われる。

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それでもいつかは「版権買取」などの方法により、MGSの権利をコジマプロダクションが取り戻し、「完全版」として世に送り出してくれる事を望まずにはいられない。

 

今回は『メタルギアソリッドV ファントムペイン』の紹介でした。

 

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