『TOMB RAIDERS(トゥームレイダース)』は1997年2月14日にPlayStation用ソフトとしてCore Designが制作し、ビクターエンタテイメントが発売したアクションアドベンチャー。
オリジナルのPC版はEidosが販売。
Core Design、Eidosは共にイギリスのゲームソフト開発会社。
現在の『トゥームレイダーシリーズ』の版権はスクウェア・エニックスが所有している。
PC・PS・SSのマルチプラットホームによる発売であり、SS版は同年1月24日、PC版は同年3月7日にそれぞれ発売されている。
今もなお新作が制作され続けており、これまでに13タイトルのシリーズが発売されている(2019年現在)。
本記事では初代『トゥームレイダース』PS版をメインに扱う。
超人気タイトルである『トゥームレイダーシリーズ』は、主人公である女性トレジャーハンターの「ララ・クロフト」が世界各地の遺跡で冒険を繰り広げるアクションアドベンチャーである。
三人称視点3Dアクションゲームの先駆けとなった本作であるが、開発当初主人公は男性キャラクターとして製作が進んでいた。
しかし遺跡発掘のトレジャーハンターはどうしてもインディアナ・ジョーンズに見えてしまうという理由から、思い切って女性キャラクターに設定を変更したところ、ララの「強い女性」というイメージが印象を残し、後の人気へと繋がることになった。
1996年にPlay StationやSEGA SATURNにて発売された『TOMB RAIDER』は世界中から絶賛され、次々と続編が発売される大ヒットシリーズとなった。
全世界シリーズ累計販売本数は2018年6月時点で6,700万本以上に達している
タイトルの「トゥーム(tomb)」は墓、「レイダー(raider)」は侵入者を意味する。
ララ・クロフト
本作の主人公ララ・クロフトは若き女性でありながら、秘境を探検して財宝を発見するのが生業のトレジャーハンターである。
女性特有の身軽さと天性の身体能力、生来の危機回避能力を活かして、秘境に隠された謎を解き明かしている。
「考古学界の天才」という称賛もあるが、「墓荒らし」と揶揄する者もいる。
ゲームの人気もあるが、特にララ・クロフトというキャラの人気が非常に高く、2001年にはアンジェリーナ・ジョリー主演で映画化され、彼女自身の出世作にもなった。
アメリカ・ヨーロッパではテレビ出演、雑誌のグラビアを果たし、フランスでは切手になった、はたまた新種のチューリップの名前にまでなる人気っぷりであり、2006年には「ゲームヒロインとして最も成功した人間の女性」としてギネスに認定された。
PS版『トゥームレイダース』
当時としてはほとんど類を見ない女性主人公の三人称視点の3Dアクションアドベンチャーであり、現在では当たり前となっているTPS-AADVの草分け的作品。
ゲーム性自体も高い難易度ながらとても洗練されていた事もあり、全世界で500万~700万本を売り上げたモンスタータイトル。
多様で奥深い操作性、画期的なグラフィック、好奇心をそそるゲーム設定など細部にわたり拘りのある作品。
さらにプレイヤーの緊張感を保つために敵とのバトルをバランスよく織り込んでいるなど誰もが唸る名作である。
1作目である本作のみ『トゥームレイダー“ス”』とSが付いているが、原題は『TOMB RAIDER』であり、次作からは『トゥームレイダー』となっている。
主人公のララ・クロフトも本作と続編である『2』まではレイラ・クロフトとされているが理由は不明。
個性豊かなステージ
ステージクリア型のAADVであり、各ステージ構成は個性豊かで、探索をするプレイヤーを飽きさせない。
生い茂る草木などで装飾されたインカの滅んだ町や、通路や柱が崩落したギリシャの教会など、古代遺跡を探索している時の没頭感は相当なものだ。
謎解き&アクション
謎解きはどれも手強いものばかりで、頭を捻って挑まなければなかなか解けない。
しかしその分謎が解けたときの感動は一入であり、閃くたびにアドレレナリンが分泌されてゆく。
アクションもかなりシビアであり、高所でクライミングしながら移動している時などは否でも手に汗を握る。
グラフィック
今でこそチープに見えるグラフィックだが、当時の技術としてはかなりリアルに描かれている部類であり、プレイヤーは遺跡の退廃的な雰囲気や、高いところで下を見下ろしたときの高所感などは感動すら覚えた。
BGM
本作は基本的にBGMは無い。
ララの移動や水の流れる音が遺跡の中に響くだけという静けさが逆に緊張感を盛り上げ、“遺跡探索をしている”という冒険感を演出している。
しかし猛獣やミイラなどの敵が現れた時などには鬼気迫る音楽が流れるなど、場面に合わせたBGMは少なからずある。
他にも謎解きの際にヒントとなる部分を調べると、音楽で重要な箇所が分かることもある。
筆者と『トゥームレイダー』
本作を初めてプレイした時の衝撃は言葉では言い表せない凄まじさだった。
今まで見たことのない視点であるTPS-AADVは驚きのリアルさであり、実際に自分が冒険をしているような臨場感はかつて経験をしたことのないものであった。
おまけにインディー・ジョーンズさながらの、古代遺跡の謎を解きながら秘宝を探すという設定は少年だった筆者の心を掴んで離さず虜にした。
毎日のように夢中にプレイしていたが、なにせこのゲーム、難易度がめちゃくちゃ高い。
何度も遺跡の高い場所から転落死し、ライオンやワニに襲われ死亡し、水中では息が続かず溺死した。
何度死んだか分からない、完全に死にゲーである(笑)。
心が折れそうにもなったが、先に進めた時の快感は相当なもので、それを求め挫けず攻略の日々を送った。
インターネットもあまり普及していない時代、ゲーム攻略雑誌の僅かなヒントのみを頼りになんとかクリアできた時の感動は今でも忘れられない思い出だ。
あれから20年以上の月日が経ったが、今でも新作が出るとワクワクしてプレイしている。
主人公のララ・クラフトもこの20年の歳月で凄まじい変化を遂げ、初代とは比べ物にならないほど美しくなった(笑)。
映画化作品に関しても、2001年に公開されたアンジェリーナ・ジョリー主演の映画、2018年に公開されたアリシア・ヴィキャンデル主演と全て劇場で鑑賞している大ファンだ。
現在は『トゥームレイダー リブート(再始動)』として三部作が次世代機でリリースされており、22年経ってなお、新たな展開を見せている『トゥームレイダーシリーズ』からこれからも目を離させない。
今回は世界中で愛され続けるトレジャーハンターの冒険を描くAADVシリーズの記念すべき第一弾『TOMB RAIDERS』の紹介でした!