『EVE ZERO(イヴ ゼロ)』は2000年3月30日にゲームビレッジよりPS用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。
同年にはPC版が、翌年2001年にドリームキャスト版が移植販売されている。
前作『EVE burts error』の2年前が舞台なっている>
主人公は1作目と同じく探偵「天城小次郎」と捜査官「法条まりな」。
2人の主人公を操作しストーリーを進めていくマルチサイトアドベンチャーゲームである
EVE ZEROとは
ハードボイルドサスペンスアドベンチャーの金字塔『EVEシリーズ』。
私立探偵、天城小次郎と国家エージェント、法条まりなの2人の主人公を交互に操作し物語を進行させるマルチサイトシステムが特徴の推理サスペンスである。
第1作目である前作『EVE burst error』は当初アダルトゲームとして制作された。
しかしそのシナリオがあまりにも秀逸だった為、アダルトゲームファンだけでなく全てのゲーマーにプレイして貰おうとアダルト要素を削除したサスペンスアドベンチャーゲームとしてリメイクされた。
そのリメイク版の方がセガサターンを始め、たくさんのコンシューマ機に移植され大ヒットしたという珍しい経緯をもったタイトルである。
その後『EVEシリーズ』は3つのの続編が制作され、各ゲーム機への移植も積極的に行われ、アドベンチャーゲーム史上に名を刻む名シリーズとなる。
『EVE ZERO』はシリーズとしては2作目であり、時系列としては1作目の『EVE burst error』の2年前となっている。
その為主人公である「天城小次郎」と「法条まりな」は『EVE burst error』で初めて出会う設定の為、本作では物語のエンディングまで顔を合わせる事はない。(ニアピンですれ違ってる事は多々あるが…)
あらすじ
『EVE burst error』の2年前を舞台に、桂木探偵事務所の所長代理「天城小次郎」と警視庁公安第六課の敏腕捜査官「法条まりな」の2人の主人公が連続猟奇殺人事件に巻き込まれ、やがて事件の真相にせまっていく。
小次郎編
家出した息子の捜索という依頼を引き受けた小次郎。
最初はごくありふれた依頼かと思われたが、ただの家出人探しだけでは終わらなかった。
依頼人「仁科秀人」から逃げようとする中学生の息子「榊原真」。家出騒動の裏には小次郎の過去にもつながる大きな事件の真相が隠されていた…
まりな編
本来殺人事件の捜査は担当外であるはずの公安第六課に連続猟奇殺人事件の捜査をまわされ、まりなにその任務がまかされた。
時を同じくしてアメリカからやって来たVIPの護衛任務、不思議な少女「トア」との出会い……
別々の出来事と思われたそれぞれの事象にやがて関連性が見え始め、より深い事件へと発展していく。
サスペンスハードボイルドアドベンチャーの金字塔
シリーズ通して言える事であるがサスペンス要素を含んだシナリオと、魅力溢れるキャラクターが素晴らしい。
ハードボイルド系の物語がが好きな人には確実に刺さる作品となっている。
スケベでいつもはズボラだが、いざという時は頼りになり、不器用な優しさと天性の並外れた推理力を併せ持つ小次郎。
お酒が大好きでダンディな叔父様が好みの、いつも明るくハイテンションな性格のお姉ちゃん。しかしその裏の顔は任務成功率99.9%を誇る内閣情報捜査室1級捜査官であるまりな。
どちらもこれでもかというくらい格好の良い主人公です。
その魅力的な2人を中心に、サスペンス要素がふんだんに盛り込まれたストーリーが展開されていきます。
内臓がそっくりくり抜かれ持ち去られるという連続猟奇殺人…
一体誰が何のために?
捜査が進むにつれ小次郎とまりなのそれぞれの追う事件が交錯する。
2年後の『EVE burst error』に大きく繋がるストーリーですが冒頭でも書いた通り主人公の2人はEVE bursterrorで初めて出会っている設定なので、本作で直接顔を合わせる事はありません。
2年後、衝撃的な事件で出会うまでは…
台詞回しやBGMにもセンスが感じられ、世界観に没頭できる演出となっている。
シナリオ自体も優秀で、謎が謎を呼び先が気になる物語である。
古き良きコマンド選択式アドベンチャーゲームとしてはかなり完成されている作品と言えるだろう。
最後に
開発元であるネットビレッジのゲーム部門シーズウェアブランドが事実上活動停止となってから永らくリメイクおよび続編の開発がされていなかった本シリーズ。
しかし版権をEl Diaが買い取った事により2016年に待望のシリーズ第1作目のリメイクである『EVE burst errorR』がPSvita用ソフトとして販売。
もちろんそちらは筆者も購入して20年ぶりにプレイした。
リメイク完成度は高く、見事にEVEを蘇らせていたと思う。
最近はコマンド選択式アドベンチャーゲームは古いコンテンツであり、なかなか新作でお目にかかる事も少なくなってきてはいるが、レトロゲームファンとしてはこの様に昔のシリーズのリメク版が発売されるのは嬉しい。
El Diaは本記事で紹介しているEVE ZEROを始めとする、他のEVEシリーズのリメイク版もどんどん発売して貰いたい。
今回は『EVE ZERO』の紹介でした。
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