『アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃』は1987年4月17日にファミコン用ソフトとしてテクモから販売されたアクションゲーム。
オリジナルは同社が1986年にアーケード稼働させ大ヒットとなった『アルゴスの戦士』。
のちにたくさんのプラットフォームに移植された。
本記事はファミコン版をメインとして扱っている。
『アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃』とは
『アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃』(以後『はちゃめちゃ大進撃』)はACで大ヒットした横スクロールACT『アルゴスの戦士』のFC移植版である。
FC版は副題に『はちゃめちゃ大進撃』が追加されている。
独特の軌道を描く鎖付きのヨーヨー型・神盾ディスカーマーで敵を倒しながらステージを進めていくACTゲーム。
基本アクションはAC版と一緒だが、一発即死の残機制から体力の概念があるHP制に仕様変更された他、敵を倒すと攻撃力や防御力がアップしアイテム取得で精神力がアップし、全体攻撃や体力回復の技などを使える様になるRPG的要素が追加されている。
また、AC版はステージクリア型のみだったが、FC版はトップビューの全体MAPが追加され、これを探索しながら各ステージを行き来しゲームを進める形となった。
他にも様々な変更が取り入れられており、簡単に言うとAC版とはまったくの別ゲーとなっている。
ストーリー
西暦19XX年、獣王ライガーは甦った怪物たちと共に、世界を制圧していき、人類はライガーの支配下に置かれていた。
「獣が大地を覆いし時、アルゴスの地より戦士甦えりて、これを救わん」という古い言い伝えの通りに、アルゴスの戦士は人類を救うためにライガーに戦いを挑む。
パッケージ詐欺
AC版では漢臭さを全面に押し出した“これぞ漢の世界”といったイメージの作品だった。
ゲームポスターもこの様にマッチョで半裸な主人公がモンスターの生首を持ち上げ雄叫びをあげているグロいとも言えるイラストであった。
これがFCに移植されるにあたり、比較的年齢が低いFCユーザー層に配慮され可愛らしいキャラクターにデフォルメされ『はちゃめちゃ大進撃』という子供向けの副題も追加された。
そのためFC版のポスターもオリジナルとは似ても似つかない可愛いデザインとなった。
この様なFC移植に際する低年齢層への配慮によるデフォルメ化はこの時代にはよくある話であった。
他にもナムコの『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』などもFC移植に際しデフォルメ化され発売された。
この様な作品は、実際のゲームプレイ画面もキャラが二頭身だったりステージや敵も可愛く描かれていたりとデフォルメ化されているのが普通だった。
しかし『はちゃめちゃ大進撃』においてのデフォルメ化はこのパッケージのみとなっており、ゲームの中身は真っ赤な夕陽を背景にマッチョがモンスターどもを蹴散らしていくというほぼオリジナル通りの内容となっている。
さらにゲーム内のタイトル画面には『はちゃめちゃ大進撃』の文字もなく、パッケージのイラスト以外はオリジナル同様“紛れもない漢ゲー”となっている。
まさにパッケージ詐欺と呼ぶに相応しいタイトルであった(笑)。
最後に
オリジナルと全くの別物になっていたり、パッケージ詐欺だったりとネタに豊富なタイトルではあるが、肝心のゲーム内容の方はかなり良作と言える出来であった。
夕日をバックに綺麗に流れる多重スクロールの背景やディスカーマーによる戦闘アクションなども低スペックなFCでありながらちゃんと再現されている。
新しく追加され大幅に増えたBGMも特徴のあるかっこいい曲が多く好印象。
FC版独自の探索要素・RPG要素もよく出来ており特に不満点はみつからない。
ただしオリジナルとあまりにもかけ離れた内容のため、オリジナルファンからはあまり評判がよくない。(そりゃそうだよねw)
筆者は小学生時代、友達の家でこのゲームを遊ばせてもらった。
AC版はプレイしたことがないので筆者にとって『アルゴスの戦士』といえばこの『はちゃめちゃ大進撃』だ。
本作はゲームオーバーになっても無限にコンティニューができるので、何度も死にながら友達と試行錯誤して進めていき最後はクリアする事が出来たのはとても良い思い出だ。
※FCなので電源を切ったら次回は最初からとなる。
今回はパッケージ詐欺に衝撃を受けた『アルゴスの戦士 はちゃめちゃ大進撃』の紹介でした!
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