『ゴールデンアックス』は1990年3月16日にPCエンジンCD-ROM²用ソフトとして日本テレネットより発売されたベルトスクロールアクションゲーム。
オリジナルは1989年にセガが稼働させたアーケードゲーム。
ゲーム画面では『戦斧』という日本語タイトルもついている。
AC版『ゴールデンアックス』
88年にセガがACにて稼働させた『ゴールデンアックス』は、剣と魔法が支配するファンタジーの世界が舞台。
魔人に連れ去られた王と姫を救うため、3人の戦士が魔人の居城へ向かい戦いを挑む全5ステージからなるベルトスクロールアクションだ。
現代を背景にしたバイオレンス格闘ものが多かった初期のベルトスクロールの中で、珍しく西洋ファンタジーを舞台にした世界観と適度な難易度から人気を得た良作タイトルであった。
ゲーム内容
プレイヤーはファンタジー世界を舞台に3人の性別・種族が異なる戦士の中からキャラを選ぶ。
剣術と魔法を駆使してザコキャラやボスキャラを倒しながら各ステージを進み、最終ボスである宿敵「デス=アダー」を打ち倒すことが目的。
いわゆる横視点の2Dベルトスクロールアクションゲームではあるが、真横のみでは無く多少の奥行きがあり、左右だけでなく奥や手前にも移動できる。
時折登場するシーフが落とす青いポーションを使い強力な全体魔法で敵を一掃したり、敵の乗るドラゴンなどの騎乗生物を奪い取り乗り回すことも可能だ。
また、本作は2人同時Playが可能であり、協力しながらゲームを進めることができる。
しかし味方にも攻撃でダメージが入る上、騎乗生物は奪い合いになるので、殺伐としてくると殺し合いに発展することもあった(笑)。
前述した通り全5ステージとボリュームは多くはないが、良好なゲームバランスとド派手な演出が好評でプレイヤーの満足感も高い。
PCE版『ゴールデンアックス』
本作は89年に日本テレネットにより、PCE CD-ROM²用ソフトとして移植・販売されている。
CD-ROM²の特性を活かし豪華声優陣を起用したキャラ達の会話や、ビジュアルを交えた派手なストーリー演出が加えられている。
しかし肝心のゲーム本編が極めてお粗末な代物となっており、ユーザーをがっかりさせる内容となっている。
本作の目玉である2人同時プレイが削除されている。
本作の醍醐味である魔法を使用した時のグラフィック演出がショボい。
やたらと小ぢんまりとしたファミコン並のグラフィック。
かなり劣悪な操作性。
CD-ROM²の特性ではあるが、ロード時間が長い。
などなど挙げだしたらキリがないほど劣化箇所だらけである(笑)。
当時CD-ROM²のソフト制作に力を入れていた日本テレネットの「ビジュアルムービーとBGMだけなら最高」という評判通りの出来栄えとなってしまっており、派手なムービー演出はこれでもかと言うほど力が入っているが、ゲーム内容の劣化が激しく「ACTとしては最低」とまで言われてしまう始末であった。
同時期に本家セガから発売されたMD版はさすが本家というべきクオリティであり、AC版に比べると若干の劣化こそはあるが総合的に出来は良く、2人同時プレイも可能で追加ステージまで加えられており完全にこちらの方が良移植として認知されている。
最後に
本作をゲームセンターで初めて見た時は、大迫力の演出と圧巻の世界観に魅了され興奮した。
当時筆者はまだ幼かったので、もっぱら見ているのが専門であったが眺めているだけでワクワクできるすごいタイトルだと感じていた。
その『ゴールデンアックス』がPCE CD-ROM²に移植されると知った時はとても嬉しく発売日を心待ちにした。
そうしてやっと手に入れた本作であったが、AC版とはまるで別物のショボい内容に愕然としたことを今でも覚えている。
オープニングムービーは当時としては素晴らしく流石CD-ROM²と期待させられたのだが、如何せん肝心の本編であるACT画面は、操作し辛いは演出はチャチだはで散々だった。
友達と2人用で遊ぼうと思っていたが、その機能も削除されており、絶望に打ち拉がれながら3日くらいで中古ショップに売りに行ったのも今となっては良い思い出だ(笑)。
とは言っても本家は今でも楽しめる良作タイトルであることは間違いない。
今なら「メガドライブミニ」に良移植と言われたMD版が収録されているので、この機会にプレイしてみるのもいいかも知れない。
今回は剣と魔法のベルトスクロール・ファンタジーアクション決定版『ゴールデンアックス -戦斧-』の紹介でした!
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