『熱血硬派くにおくん』は1987年4月17日にテクノスジャパンよりファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたベルトスクロールアクションゲーム。
オリジナルは同社が1986年に稼働させたアーケードゲーム。
ベルトスクロールアクションの始祖となったタイトルである。
AC版
1986年にテクノスジャパンにより稼働されたAC版『熱血硬派くにおくん』は、80年代に流行ったいわゆるツッパリ学生の喧嘩をテーマとした格闘アクションゲームである。
後に同社が発売する『ダブルドラゴン』やカプコンの『ファイナルファイト』などに代表される「ベルトアクションスクロール」の始祖になったと言われている。
本作は限られた範囲内での横スクロールのみだが、奥行きがある画面にて集団で出現する敵相手に格闘を駆使して立ち回り戦うというベルトアクションの基礎的な部分が既に確立されている。
その後『くにおくんシリーズ』としていくつものタイトルが発売される事になるが、不良の喧嘩を描く初代とは違い、ドッジボールや大運動会などコミカル学園物アクションへと展開していく。
FC版
AC版が稼働された翌年に、同社によりファミコン用ソフトとして移植発売された。
ハードスペックに差がある為、完全移植は不可能であったがアーケード版の雰囲気を残しつつ、様々な追加要素で劣化部分を補う事に成功している。
操作性、ゲーム性ともに概ね良好であり、アレンジ部分も良い意味でアクセントとなっており良移植と呼べるタイトルである。
ストーリー
熱血高校に通うヒロシは、いつもみんなに虐められていた。
そんなある日、一人の男が転校してきた。
彼の名はくにお。
生まれながらの熱血硬派である。
見た目はこわいが、弱い者虐めが大キライな心優しい男である。
いつのまにか二人は、親友となっていくのであった。
ところが、ある日ヒロシが何者かに誘拐されてしまったのだ。
くにおは、ヒロシを救い出すため立ち上がった。
1面:新宿駅
駅の構内で敵対高校の不良どもと大乱闘をする。
全滅させた後、電車に乗って移動するが電車内にも敵不良がいてここでも喧嘩を繰り広げる。
ボスは花園高校番格「りき」。
2面:港
不良が喧嘩に待ち合わせる場所と言えばなぜか港!(笑)。
敵不良を全滅させた後、敵のバイクを奪い走り出すが、ここでも敵のバイク部隊が追走してくるのでこれを蹴散らしながらボスの元まで行く。
ボスは暴走族特攻隊長「しんじ」
3面:繁華街
敵不良を全滅させると、2つのドアのどちらかを選び先へと進む。
選んだドアにより、次に戦う敵が変化する。
片方はバーとなっておりそこでたくさんの不良と戦う事になり、もう片方では和室でボスであるスケ番「みすず」とタイマン勝負となる。
「みすず」は女でありながら本作最強の敵である。
楽なのは間違いなくバーの方だが、真の不良なら「みすず」とのタイマンに挑め!(笑)。
4面:暴力団事務所
事務所内で敵不良を全滅させてから、2つのドアからどちらかを選び次の部屋へと向かう、というのを繰り返す分岐型迷路ステージ。
間違った扉を選んでしまうと、いくつか前の部屋に戻されたり、なぜか3面に戻されたりとかなり異次元なであり、まるで“どこでもドア”(笑)。
事務所内ではなぜか増殖した「りき」2人を同時に相手にしたり、「みすず」を3回連続で倒さなければならないギャグみたいな部屋が「くにお」を待ち受ける(笑)。
ボスは三和会若頭「さぶ」。
ヤクザであるにも拘らず、高校生の「くにお」とのタイマンで拳銃を惜しみなく撃ってくる(笑)。
「さぶ」の銃で撃たれると即死であり、かなりの強敵だ!
尚、このゲームは難易度選択ができ、高難易度モードでプレイするとラスボスである「さぶ」も増殖している。
アーケードアーカイブスにて配信中!
現在Nintendo Switchのアーケードアーカイブスにて本作が税込823円でDL販売されている。
「アーケードアーカイブス」シリーズでは、アーケードゲームの名作を忠実に再現されている。
ゲームの難易度などの様々なゲーム設定を変更したり、当時のブラウン管テレビの雰囲気を再現することも可能。
またオンラインランキングで世界中のプレイヤーとスコアを競ったりすることもできるので、あの頃を思い出しながらまた『熱血硬派くにおくん』に夢中になろう!
最後に
本作がアーケードで稼働開始された昭和61年はまだまだ中高生には不良が多く、実写版映画『ビー・バップ・ハイスクール』が大ヒットするなどツッパリ不良全盛期だった。
筆者はこの時代まだ幼かったので、不良などの事はよく理解できていななかった。
しかし近所に住む不良のお兄ちゃんが筆者を可愛がってくれており、そのお兄ちゃんの家でこのゲームを遊ばせてもらった事がある。
そのお兄ちゃんは周りからは怖がられていたが、筆者にはいつも優しくすごく好きだった。
煙草臭かったけど(笑)。
どんどん敵不良どもをぶっ飛ばしていく「くにお」 が格好良く、お兄ちゃんに攻略法を教わりながら目をキラキラさせてプレイしたのは良い思い出だ。
筆者が中学生にあがる前に引っ越していってしまったが、あの不良のくせにゲームが大好きだったお兄ちゃんは、きっとどこかでまだゲームをプレイしているはずだ。
今回はヤンキー喧嘩アクションゲームの金字塔『熱血硬派くにおくん』の紹介でした!
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