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【天外魔境Ⅱ 卍MARU】前作を凌ぐボリュームでゲーマーたちを圧巻した超大作RPG!PCエンジン最高峰との声も多いタイトル!【PCエンジン・CD-ROM²・ハドソン・レビュー】

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『天外魔境Ⅱ 卍MARU』は1992年3月26日にPCエンジン SUPER CD-ROM ²用ソフトとしてハドソンより発売されたロールプレイングゲーム。

2003年にGC版・PS版にてリメイクされ、その後PS2・DS・PSP・PS3に移植された。

2020年3月に発売されたPCエンジン miniの収録タイトルのひとつにもなっている。

 

 

『天外魔境Ⅱ 卍MARU』とは

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『天外魔境Ⅱ 卍MARU』は 1989年に発売された前作『天外魔境 ZIRIA』の続編としてハドソンより発売された作品である。

30分に1度は大きなイベントが発生するという触れ込みで宣伝されていた超大作である。

キャッチコピーは「わが道に敵なし!!!」。

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前作を凌ぐボリュームと、感動的なストーリー。

特に魅力的なキャラクターたちがフルボイスでアニメーションするイベントシーンは、この時代には類を見ない演出であり、現代におけるRPGのパイオニア的な作品であったと言える。

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開発スタッフは企画・監修に広井王子、音楽に久石譲など前作と比べて勝るとも劣らぬ顔ぶれであり、その完成度は凄まじく、ユーザーから高い評価を得ることとなった。

 

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ストーリー

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美しい国ジパング。

かつてこの国は突如現れた「根の一族」の怪物により侵略を受けた。

全土が侵略されるかと思われたその時、どこからともなく現れ、怪物たちに挑んだ者たちがいた。

「火の一族」である。
そして、長く激しい戦いの末、「火の一族」は「根の一族」を倒し、七本の聖剣で地下深く封じた。
しかし「火の一族」もまた、その戦いの中で滅んでしまったという。

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そして千年の時が流れた。

ジパング大和地方の火多(ひだ)の国にある白川村に、戦国卍丸という少年が住んでいた。
村のガキ大将である彼は、子分たちを連れて近くの高山村に祭を見に行くが、突如として巨大な花「暗黒ラン」が地面から現れ、村は破壊されてしまう。

そして同時に「根の一族」を名乗る死神兄弟に母と村人たちを人質にとられてしまった。

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人質の捕えられている洞窟へ向かった卍丸は、死神兄弟を倒し人質たちの救出に成功する。

そして助けた母の口から、自分が1000年前に「根の一族」と戦った「火の一族」の末裔であることを明かされるのだった。
自らの宿命を知った卍丸は、根の一族の邪神の復活を阻止するため、暗黒ランを斬ることのできる「七本の聖剣」を求めて旅立つのだった

 

主人公(火の一族)

戦国卍丸

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火多国・白川村に生まれ育った火の一族の末裔、戦国卍丸。

卍丸は村中の子供たちを子分に持つ、イタズラ好きのガキ大将。

素顔は母親想いの心やさしい少年でもある。

現在は母と二人暮らし。

火の勇者ならではの超人的な成長力を持ち、旅を続ける中で奥義として様々な秘剣を身につけていく。

カブキ団十郎

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とてつもなく軽薄な火の勇者。それがカブキ団十郎。

一族の宿命に対する意識はかけらもなく、火の勇者の能力を利用し、ただ派手に楽しく生きることだけ考えている。

派手好き!女好き!の二枚目半。

術や得意技も「効果より見た目が優先!」という精神に貫かれている。

極楽太郎

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千年前の「火の一族」と「根の一族」の戦いの生き残り。年令1024才。

この年令は、寿命が千年延びるという「人魚の涙」を飲んだおかげなのだが、そのために極楽太郎は千年の大半を牢に閉じこめられて過ごしている(不思議な過去である)。

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予知能力を持つ薄幸の美少女。

かたわらには、巨犬シロが、まるで絹を守るかのように常に寄り添っている。
絹は火の一族の末裔として自らの宿命を感じ、卍丸たちの仲間に加わるのだが、なぜか戦うことを拒み続ける。

その憂いを秘めた表情の奥には、両親の死が深い心の傷となって残っているようなのだが…。

 

規格外のボリューム

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PCエンジン SUPER CD-ROM ²を代表する名作と言われており、前作より一層のボリュームであり総プレイタイムは70時間を超える。

平成初期の他の作品と比べても、群を抜いて規格外であったビジュアルとサウンドは世のゲーマーたちを圧巻した。

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CD-ROMの大容量を存分に活かし、フルオーケストラのBGM、24名の声優を起用したフルボイスアニメーションなど、当時のゲームソフトの常識をはるかに超えたスケールで大きな話題となった。

 

ストレスのないゲームシステム

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ボリュームだけにものを言わせている訳ではない。

戦闘では敢えて背景を黒くし、エフェクトやBGMなども簡素にすることでCD読み込みを排除する事により、CD-ROMの欠点と言われた“読み込みロード時間”を無くし快適なゲーム環境を作り出す事に成功している。

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敵の強さは全体的に高めであり、雑魚戦でも気を抜くと全滅する緊迫した戦いになる。

しかし戦いが終わるとフィールドを歩いているだけで体力が回復したり、仮に全滅しても所持金半額などのペナルティーをなくす事により、戦闘難易度における総合的バランスをとっている。

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この調整のおかげでボス戦だけでなく雑魚戦も緊張感のある戦闘を楽しむ事ができる。

この様にプレイヤーに対する気配りと、ゲームを快適にする為のアイディアが随所に取り入れられておりストレスなくプレイすることができる。

 

販売本数

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同じ時代に本作のクオリティーに肩を並べるタイトルは無かったが、販売本数は20万本前後と言われており少し寂しい結果であった。

これはプラットフォームであるPCエンジン SUPER CD-ROM ²の価格にも関係してくると考えられる。

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PCエンジン本体が24,800円、周辺機器であるSUPER CD-ROM ²が47,800円と合計で72,600円と非常に高価であり、同じ時代でシェア争いをしていたメガドライブ(セガ:21,000円)やスーパーファミコン(任天堂:25,000円)と比べても3倍近い価格であった。

子供がおいそれと購入できるハードの値段ではなく、SUPER CD-ROM ²対応のソフトをプレイしたくてもその環境を整えるのは容易では無かった。

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つまりプラットフォームのユーザー数が圧倒的に少数であり、それが本作の販売本数にも多大な影響を与えたと推測される。

その裏付けとしてのちに移植発売されたGC版・PS2版・PSP版・PS3版などを入れた本作の販売累計本数は200万本を超えヒットとなっている。

 

※PCエンジン CD-ROM²の発売当時の様子はこちら。

 

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最後に

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前述した通りPCエンジン版ではハード価格の問題で、プレイできた人は少ないかもしれない。

しかしストーリー、登場人物、ゲームシステムなど、どれをとっても高い水準でしっかり創り込まれており、間違いなく平成初期のRPGの中ではトップクラスのタイトルである。 

そのクオリティーの高さは、現在のタイトルと比べても見劣りのないレベルと言える。

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余談ではあるが、本作の主人公である4人の火の一族「戦国卍丸」「カブキ団十郎」「極楽太郎」「絹」は皆魅力的で愛すべきキャラクターではあったが、中でも“お調子者で女好き”な青年「カブキ団十郎」の人気は一際凄まじかった。

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その人気はのちにスピンオフ的な位置付けで「カブキ団十郎」を主役とした『天外魔境 風雲カブキ伝』が発売される程であった。

こちらも完成度の高い良作でありファンからの評判も良かった。

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本作はPCエンジンminiやニンテンドーDSなどに移植されているので、比較的現行機でもプレイすることが可能な作品となっている。

プレイ環境を確保できる方は、是非一度遊んでみて欲しい。

70時間というボリュームではあるが、きっと忘れられない素晴らしい冒険を体験できる事請け合いだ。

 

今回はPCエンジン最高峰との声も多い超大作RPG『天外魔境Ⅱ 卍MARU』の紹介でした!

 

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