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【ファイナルファンタジーⅡ】この悲劇、忘れない──。ドラマティックな物語でFFの基礎を築いたシリーズ第二弾!【ファミコン・スクウェア・レビュー】

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『ファイナルファンタジーⅡ』は1988年12月17日にスクウェアよりファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。

略称は『FF2』。

前作ファイナルファンタジーより約1年後の発売となり、販売本数は大ヒットした前作を上回る76万本となった。

本作は初出のファミコン版だけでなく、他ハードへの移植・リメイクが幾度となく行われている。

 

 

前作ファイナルファンタジーとは 

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1987年12月にスクウェアから発売されたシリーズ最初の作品。

のちのFFシリーズの基礎となった作品で52万本を販売し、ドラクエと並びシリーズをJRPGの双璧としたタイトルである。 

 

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ストーリー

舞台は遥か彼方の世界。

パラメキア帝国の皇帝は地獄の底から魔物たちを呼びよせ、全世界に総攻撃を仕掛けた。

フィン王国はカシュオーン王国、ディスト王国と共にこれに反旗を翻し抗戦するが、圧倒的な軍事力と魔物たちの前に敗退を重ね、ついには陥落。

そしてまた、フィン王国に住むフリオニール・マリア・ガイ・レオンハルトの4人の若者たちも故郷を奪われ、迫り来る帝国の魔の手から逃亡を続けていた…。

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しかし逃亡むなしく帝国軍の襲撃を受け、フリオニールらは倒れる。

反乱軍を指揮しているフィン王国の王女ヒルダは彼らの内、フリオニール・マリア・ガイを発見し側近である白魔道士ミンウによる治療を施す。

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フリオニールらが目覚めた先のアルテアの町は、他にもフィンから逃れてきた住民や義賊ポール、カシュオーン王国から落ち延びてきた第2王子ゴードンらも居た。

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フリオニールらは反乱軍への参加を志願すると共に、襲撃により行方不明となったマリアの兄・レオンハルトの捜索を胸に誓う。 

 

登場人物

フリオニール

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主人公の1人で、フィン王国に住む青年。
レオンハルトとマリアの生家で育つが、パラメキア帝国に襲撃された時、義理の両親を殺され、自分達も殺されかける。
反乱軍のヒルダとミンウによって一命を取り留め、祖国のため仲間と共に反乱軍に身を投じる。

 

マリア

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レオンハルトの実の妹で、フリオニールとは義理の兄妹である。
行方不明になった兄・レオンハルトのことを常に気に掛けている。

帝国軍の指揮官・ダークナイトと何度も遭遇するうちに、彼の正体がレオンハルトであることに気付く。

 

ガイ

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フリオニール達と共に反乱軍に参加する若者。大柄で、怪力。

片言で会話をするが、動物の言葉を理解することができる。

なぜ片言なのか、動物の言葉がわかるのか、その素性は謎のままである。

 

レオンハルト

 

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マリアの実の兄。
フリオニール達と共に帝国からの追っ手に襲撃された際、消息不明となる。
実は正体を隠し帝国軍の指揮官・ダークナイトとなっていたのだ。

 

ミンウ

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ヒルダの右腕で偉大な白魔道士。
物語序盤で一時的にパーティに加わるが、そのときの強さが印象深い。
大戦艦の空爆によって負傷した人々とフィン国王の治療に専念していた。

王が息を引き取る際に使命を託され、「アルテマの本」を求めてミシディアの塔へと向かう。

 

ヨーゼフ

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サラマンドに住む反乱軍の協力者。
ヒルダに「ミスリル」について調査するよう命じられていたが帝国のボーゲンに娘のネリーを人質に取られていたため、連絡が途絶えていた。

当初は人質のこともあって、フリオニール達に対して非協力的な態度を取っていたが、ネリーが救い出されたことをきっかけに彼らに協力するようになる。

 

ゴードン

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カシュオーン王国の第2王子。
祖国が襲われた際、兄のスコットを見捨てて逃げてしまったことを後悔し、アルテアの町に逃れてからも片隅で苦悩していた。
その後、「太陽の炎」とそれを灯す「エギルの松明」を求めてカシュオーン城に潜入したものの、魔物がいて先に進めずにいたところをフリオニール達と再会してパーティに加わる。

 

レイラ

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海賊船の女船長。
帝国軍にも反乱軍にも属さず、船を求めてパルムへやって来たフリオニールたちを騙し、海賊船に乗せて身ぐるみはがそうと手下をけしかける。
しかし、手下たちが返り討ちに遭い、改心してからは反乱軍の一員としてフリオニール達と共に戦うようになる。

 

リチャード

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ディスト王国の竜騎士で、竜騎士団唯一の生き残りである。
帝国の攻撃で王国が壊滅した時、「アルテマの本」を求めて旅に出ていたために生き残ることになった。
その後はリバイアサンに呑み込まれてしまい、外へ出られないでいたところへフリオニール達と出会い、パーティに加わる。

 

ドラマティックなストーリー

当時のRPGには珍しいパーティーメンバーがストーリーに応じて入れ替わるシステム。

それまでの他のRPGは基本パーティーメンバーは入れ替わる事なく最後まで冒険を共にし、死んでも教会や魔法で蘇生可能なことが殆どであった。

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しかしFF2は物語の流れにより4人目の仲間が次々と入れ替わり、パーティーを抜けたらもう会えなかったり死亡する事もある。

これは当時のファミコンRPGとしては衝撃的で多くのプレイヤーに涙を流させた。

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時に色仕掛けにハマり…

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時に最後の飛竜の末裔を復活させ…

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時に封印されし伝説の究極魔法を解放し…

 

光の戦士は世界の平和を取り戻すため長く険しい冒険を続けるのであった。

パラメキア帝国の皇帝を倒すその日まで…

 

斬新なキャラクター成長システム

一般的なRPGに見られるキャラクターレベルやクラスの概念を持たず、戦闘中の行動や受けたダメージなどによって能力が少しずつ成長する。

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各キャラクターの初期能力値には差異もあるが、戦闘中に「たたかう」を主に選択していけば戦士タイプとなり、「まほう」を主に選択していけば魔法使いタイプのステータスになるように自然と成長していく仕組みとなっている。

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ダメージを受ければHPの最大値が伸びるしMPを失えばMPの最大値が伸びる。

一見時代を先取りしたような素晴らしいシステムだが、当時は珍しいパーティーアタックも可能だったため、仲間を攻撃する事でHPはどんどん上がり、裏技に近いが「攻撃」→「キャンセル」→「攻撃」→「キャンセル」の繰り返しでゲーム内の攻撃回数がどんどん蓄積され武器の熟練度を一気に高めることが可能であった。

上記の方法により序盤の数少ない戦闘でキャラクターを成長させるプレイヤーも多かった。

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主人公たちを一気に成長させる事により、序盤から中盤にかけてかなり有利な展開になるが思わぬ落とし穴にはまる。

それはステータスのひとつである「回避率」の存在であった。

回避率は敵の攻撃を受ければ受けるほど上がっていく。

このパラメータが高いと敵の攻撃を躱しやすくなる。

逆に低い場合高確率で敵の攻撃がヒットしてしまうのだ。

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そしてこのゲームの後半の敵はかなりの確率で石化、小人化、カエル化などの即死攻撃を仕掛けてくる。

特殊攻撃による死亡がゲームオーバーの大半を占め始めるようになるのだ。

序盤で強くし過ぎた場合、敵は大体一撃で倒せるか倒す前に逃げ出してしまう。

その為攻撃を受けることが殆どない状態で終盤まで来てしまう。

つまり後半になり回避率が低いままで終盤の敵に挑む事になり、即死攻撃をほぼ確実に喰らい、どれだけHPや防御力が高くても全滅してしまうのだ。

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この回避率のシステムが説明書のどこにも表記されていなかった為、当時のファミっ子たちは軒並み後半苦戦を強いられる事になりFF2はとても難しいゲームだという印象が着いてしまった。

しかしちゃんと正攻法でプレイして回避率をしっかり上げていけばそこまで難しくないバランスであるはずだ。

 

最高のBGM

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広大な世界を冒険する光の戦士の旅を盛り上げるBGMは今作も素晴らしい楽曲ばかりだ。

フィールドミュージック、城下町、戦闘、ボス戦、飛空挺。

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他にも様々なシーンにそれぞれのBGMが用意されており、そのひとつひとつが心に染み渡る名曲となっている。

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FF2のBGMは個人的に歴代FFシリーズ最高峰だと思う。

もしも聴いたことのないプレイヤーは、サントラだけでも是非一度鑑賞して欲しい。

 

チョコボ初登場

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ファイナルファンタジーを代表する乗り物(?)としてファンから愛されているチョコボは本作からの登場である。

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主人公たちを乗せて走るダチョウのような生き物であるチョコボは、その可愛らしい姿と軽快なテーマBGMが大人気となり本作以後も全てのシリーズで登場するファイナルファンタジーを代表するマスコットとなった。

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その人気ぶりは凄まじく、『チョコボの不思議なダンジョンシリーズ』を筆頭にたくさんのチョコボを主人公にしたスピンオフ作品が発売される事となった。

 

忘れることのできない悲しき英雄譚

昭和を代表するRPGのひとつ。

壮大な冒険を奏でるファンタジー。

この時代にしては珍しく何人もの犠牲の上に成り立つ世界の平和と秩序を描く物語。

幼かった筆者はかなり衝撃を受け、未だにはっきりとこのゲームのことは胸に焼き付いている。

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今後のFFシリーズに受け継がれていく、ドラマティックなシナリオの基礎となったタイトル。

またいつの日か次世代機でのリメイク版でこの冒険をしたいと心から願う。

光の戦士たちの悲しき物語を…。

 

今回は『ファイナルファンタジーⅡ』の紹介でした。

 

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