『EVE The Fatal Attraction(イヴ ザ フェイタル アトラクション)』は2001年9月27日にPlayStation用ソフトとしてゲームビレッジから発売されたアドベンチャーゲーム。
1作目『EVE burst error』の4年後が舞台。
主人公は私立探偵「天城小次郎」と捜査官「法条まりな」。
2人の主人公を操作してストーリーを進めていくマルチサイトアドベンチャーゲーム。
主に『EVE TFA』と略される。
EVE TFAとは
1990年にシーズウェアより発売された、Windows用アダルトゲーム「ADAM THE DOUBLE FACTOR」を元にした移植作品である。
その後、コンシューマー版として移植するにあたり、性描写の削除をはじめとするシナリオの大幅な加筆修正がおこなわれた。
「EVE ZERO」に続いての「EVEシリーズ」の5作目として題名も「EVE The Fatal Attraction」と改題されて発売。
本作単体で完結する完全版といえる作りになっている。
とはいえ、本作においても物語終盤ではストーリーをかいつまんだダイジェスト的演出となっており、全ての謎が明かされることはない。
また、栗栖野亜美が物語の重要なキャラクターになり、主役2人の性格などが一部変更されている。
あらすじ
EVE The Fatal Attraction オープニング
『EVE burst error』の4年後を舞台に、あまぎ探偵事務所所長「天城小次郎」と内閣情報調査室の捜査官「法条まりな」の2人の主人公が連続猟奇殺人事件を捜査し、またも「エルディア」と「EVE」に深く関わってゆく事になる。
小次郎編
相変わらず港の倉庫街で細々と仕事をこなしていた小次郎。
そこへボディーガードの依頼が舞い込む。依頼者は安藤商事という会社の社長、安藤左衛門。
最初は断ろうと思っていた小次郎だったがその報酬が破格だったため、胡散臭さを感じながらも引き受けた。
身を護ってほしいとしながらも多くを説明しようとしない安藤や秘書の栗栖野亜美。
助手の氷室とともに安藤商事の裏側を調べつつ、小次郎は生涯初めてのボディーガードという依頼に挑む。
まりな編
アメリカの特殊部隊での訓練を終えのんびり休暇を過ごそうと思っていた矢先、上司の甲野から連続猟奇殺人事件の捜査のため日本に呼び戻されたまりな。
国家的大事件に発展する可能性があるとの事で渋々任務に就いた。
被害者の娘ユカを保護しつつ、共に一連の事件の関連性を調べてゆくうちに、被害者たちが「旧エルディア情報部」に関わりがあることが判明していく。
ハードボイルドサスペンスの金字塔
このシリーズは古い作品ながら今プレイしても色あせない名作です。
お馴染みのマルチサイトストーリーで小次郎とまりなを交互に使い分けながら、全く別の事件を追っていくとやがて二つの事件は大きな一つの事件へと発展していく物語はやはり素晴らしい出来でした。
今回の最大の敵であるプリーチャーは残忍であり、各国の要人の暗殺をことごとく成功させている凄腕の殺し屋。
にも関わらず、その正体は一切不明、殺しで使う武器はナイフ一本のみという設定も熱い。
ハッピーエンドだけじゃないから物語に重みがある
しかし相変わらずというか、それがこのシリーズのリアリティでもあるのですが、登場人物の死亡率が高い。
やはり感情移入しながらゲームを進めていくので、キャラには愛着が湧きます。
護りきれず死なせてしまった時の絶望感も主人公と同じくらいの哀しみとなりトラウマ気味になりました。
それでも最終的にこの物語と出会えて良かった思えるエンディングなのはさすが名作と謳われるアドベンチャーゲームです。
哀しみを乗り越え事件解決となり流れるエピローグを見ていると、なんとも感慨深い気持ちになれる作品です。
ハードボイルドサスペンスが好きで、古き良きコマンド選択式テキストアドベンチャーに抵抗のない方であればプレイすることをお薦めできるタイトルです!
リメイク版に期待!
版権問題により永らくリメイクおよび続編の開発がされていなかった本シリーズでしたが、El Diaが版権を買取り2016年にシリーズ第1作のEVE burst errorがPSvita用ソフトとしてリマスターされ販売されました。
El Diaは今後本記事で紹介しているEVE TFAを始めとする他のEVEシリーズもどんどんリマスター版を販売して貰いたいものです。
この時代の古き良きアドベンチャーゲームがリメイクされていくのはとても嬉しく思います。
今回は『EVE The Fatal Attraction』の紹介でした。
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