『テニス』は1984年1月14日にファミリーコンピュータ用ソフトとして任天堂から発売されたスポーツゲーム。
AC版が同年2月に任天堂より『VS.テニス』として稼働。
PC版が1985年6月にハドソンにより『任天堂のテニス』として発売。
ディスクシステム版が1986年2月21日に任天堂より発売された。
その後バーチャルコンソールやSwitch Onlineでも配信されている。
『テニス』とは
『テニス』は任天堂より発売されたテニスゲーム。
『ベースボール』『サッカー』『ゴルフ』と並び、ファミコン初期のスポーツゲームのひとつである。
ファミコンソフトとしては初のテニスゲームであり、その後の各種テニスゲームの基礎となったタイトルである。
販売本数は156万本であり、これはファミコンソフト全1252本の中でも16位の歴代記録である。
ゲームシステム
6ゲームで1セット、2セット獲得した方が勝者となる。
1Pモードと2Pモードがあり、1PはシングルスでCOMと試合をする。
2Pはダブルスであるが2人協力プレイでCOMと試合をする。
なお残念ながら対戦モードは無い。
難易度は5段階用意されており、レベルが上がるほど球速が早くなりCOMが巧くなる。
スマッシュとロブの打ち分けができ、ボールをラケットに当てる場所とタイミングによって、方向が変えられる。
世界初のリアルテニスゲーム
それまでの家庭用機におけるテニスゲームはカセットビジョン(エポック社)用ソフトであった『ビッグスポーツ12』(1981年)の様にゲームセンターのエアホッケーみたいにボールを弾き合うだけのモノしかなかった。
そんな時代に本作はちゃんとしたテニスの試合そのものをビデオゲーム化した世界初のタイトルであった。
ボールの影を地面に表示する演出により、距離感が掴みやすくなるアイディアは素晴らしく、ゲーム雑誌のレビューでは「テニスゲームの原点的作品」と絶賛されている。
そのほかのシステムの完成度も非常に高く、選手のラケットの振り方まで再現したアニメーションも秀逸であった。
この時代のテニスゲームとしては家庭用機ソフトとしては当然のこと、アーケード筐体のテニスゲームですら凌駕する出来ばえであったと言われている。
最後に
ちなみに本作の審判はマリオが務めているだが、実はそれ以外にもマリオと深い関連性を持っている。
それは1985年頃に『スーパーマリオブラザーズ』のアンダーカバーである『ワールド9』や『256W』の世界を呼び出すためのソフトとして本作が話題になったことである。
BGMはオープニングとセットを取った時のみであり、試合中は効果音だけだったりと、今でこそシンプルすぎる感は否めない。
しかし前述した通り当時としてはまさに革新的な作品であり、その後のテニスゲームに与えた影響は計り知れない歴史に残るタイトルだと言えるだろう。
今回は世界初のリアルテニスゲーム『テニス』の紹介でした!
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