『スパルタンX』は1985年6月21日に任天堂よりファミコン用ソフトとして発売された横スクロールアクションゲーム。
オリジナルは1984年にアイレムが稼働させたアーケードゲーム。
同じく1984年に公開されたジャッキー・チェンの主演の映画「スパルタンX」を題材としたタイトルである。
スパルタンXとは
元はアイレムが1984年に稼働させたアーケードゲームである。
ジャッキー・チェン主演の映画「スパルタンX」を題材にしたアクションゲームである。
主人公のトーマスが、拐われて塔の最上階に監禁されている恋人「シルビア」を救うために各階のボスをカンフーで倒しながら最上階を目指すというストーリー。
しかし主人公が「トーマス」、ヒロインが「シルビア」という名前の設定以外は全く映画とは関係がないストーリーであり、どちらかと言うと塔の各階のボスを倒し上階へ向かう設定はブルース・リー主演の「死亡遊戯」の方が近い。
アイレムは自社のファミコン参入第一弾として本作を発売する予定だった。
しかし本作に惚れ込んだ『スーパーマリオブラザーズ』の産みの親でもある任天堂の宮本茂がどうしても出したいとアイレムと交渉。
その結果任天堂が発売することになった。
当時のファミコンブームも手伝って、売り上げは約142万本という大ヒットを記録。
これはファミコンソフト 全1252本の中でも歴代21位の実績であり、本家であるアーケード版を上回る人気と知名度を獲得したといっても過言ではないだろう。
ゲームシステム
操作方法は格闘ゲーム風であり、ABボタンでパンチ、キック。十字キーの左右で移動、上でジャンプ、下でしゃがむ。
群がりくる雑魚敵を倒し、トラップの「毒蛇」「龍」「くす玉」「毒蛾」などを避けながら最上階を目指す。
雑魚敵は基本1撃で倒せるためボタン連弾でどんどん蹴散らしていけるので今で言うところの「無双系ゲーム」に通ずる気持ち良さがある。
BGMはカンフーアクションゲームをイメージしたテンポの良いサウンドで今でも憶えている古参ゲーマーは多いのではないだろうか?
BGMにと共にトーマスの「アチョー!アチョー!」という音声合成が印象的であった。
ボス攻略
ファミコン初期の割には各階のボスはそれぞれ特徴がある。
その攻撃パターンと特徴をしっかり把握していないと攻略するのに少し骨が折れる。
1階:棒術使い
距離を取られると、こちらの攻撃は届かないのに敵の攻撃は当たるので一方的にボコられる。
一気に距離を詰め、密着して連続攻撃で倒そう。
2階:ブーメラン使い
同時に2つ投げてくるブーメランをジャンプとしゃがみで躱して距離を詰める。
ゼロ距離まで近づいたらしゃがみパンチ連打で倒そう。
3階:怪力男
通常のパンチと蹴りしか繰り出してこないが、パワーが凄まじく一撃食らうだけで即死する。
焦らず敵のパターンを読み、的確にダメージを与えて冷静に倒そう。
4階:妖術使い
かなり厄介な難敵。
分身の術でトーマスを翻弄し、隙あらば毒蛾を投げつけて攻撃してくる。
なんとか距離を詰めて蹴りを当てると首がもげ落ちるが再び生えてきてノーダメージ。
しゃがみパンチのみが有効なので、距離を詰めたら一気にしゃがみパンチで撃破しよう。
5階:ミスターX
最強のラスボス。
こちらの攻撃はヒラヒラと躱すかガッチリとガードされる。
強力なジャンプキックを繰り出してきて一度隙を見せると一気にラッシュを浴びせてくる。
まともに戦うと本当に厄介な敵であるが、実はしゃがみキックを連打してるだけで倒せる。
ちょっとずるい感じの攻略法だが筆者はこの方法でしか倒したことが無い!
本作の醍醐味
ボス戦でやられた時やステージ合間のデモ画面での「ワッハッハッハッハッハ!」という独特のイントネーションの声が印象的で、現在でもフラッシュ動画などで素材として扱われることがある。
ファミコンで「声」を表現したごく初期の例である。
怪力男にやられた時の笑い声は他のボス(男性キャラクター)の声より低い一方で、妖術使いにやられた時の笑い声は他のボスの声よりも高く、まさに老婆のような印象を受ける。
このそれぞれ特徴を持った5人の各ボスを攻略する楽しさが本作の醍醐味といえるだろう。
ちなみにミスターXを倒すとシルビアを助け出し抱き合ってENDとなり、その後難易度が上がった2週目が始まる。
伝説の裏ボス「シルビア」
このゲームは当時のファミっ子なら誰もが知っているだろう噂話に“真のボスは恋人であるシルビア”というものがある。
この噂は当時コロコロコミックで連載されていたファミコンを題材とした「ファミコン ロッキー」という漫画のスパルタンX回が発端となっている。
漫画の中でスパルタンXを24周回すると囚われのシルビアが突如襲いかかってくる最強の敵となり、シルビアを倒すと真のエンディングを見れるというストーリーがあった。
24周である理由はアルファベットの「X」が24番目だから。
当時は24周できるプレイヤーがほとんど居なかった事からこの設定の真偽を確かめることができず、実際はどうなのかとかなり話題となった。
最終的には嘘だと分かり24回目のミスターXを倒してもそのまままた1階からプレイ再開となる事が確認された。
連日友達の家に集まり24周クリアを目指し遊んだのも良い思い出である。
昔を懐かしみまたプレイしたいと思う時もあるが、版権作品のためバーチャルコンソールなどでも再販できないところが残念だ。
遊ぶなら当時のROMカセットをプレイするしかない。
今回はカンフー映画っぽいBGMと音声合成による声を聴くと今でもあの頃の思い出が蘇る『スパルタンX』の紹介でした。
あわせて読みたい