『マッハライダー』は1985年11月21日に任天堂からファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたレースゲーム。
開発はHAL研究所が手掛けている。
同時期に、任天堂VS.システムにより、ファイティングコースのみがプレイできるアーケード版も稼働された。
マッハライダーとは
『F1レース』『エキサイトバイク』に続く任天堂のファミコン用レースゲームの第3弾である。
ゲームの基本システムは同社の『F1レース』同様フロントビューのレースゲームであるが、プレイヤーの乗るバイクにはマシンガンが搭載されており、攻撃を仕掛けてくる敵車両を攻撃・破壊しながらゴールを目指すというクレイジーなタイトルだ。
スリップ系の罠や速すぎるスクロールなどから非常に高い難易度を誇っている。
ストーリー
西暦2112年──。
凶悪な暴徒集団の侵略によって世界は荒れ果てた。
1kmをわずか3秒で駆け抜けるバイクを駆るマッハライダーは生存者と新天地を探し求め、暴徒集団の妨害をマシンガンでかいくぐりながら荒野を爆走する。
マッドマックス×北斗の拳
荒廃した近未来が舞台となっており、暴徒と呼ばれるならず者集団が好き勝手に略奪行為を行う世界観は当時流行していた映画『マッドマックス』(1979年)や漫画『北斗の拳』(1983年)をモチーフにしているのは一目瞭然である。
どう見ても上記2作品の影響をもろに受けているのだが、公式の資料でそれを任天堂が公にしている物は無い。
ゲームシステム
プレイヤーは主人公の乗るバイクを操作し、進行を阻害しようとする敵を回避・撃破しつつゴールを目指す。
ゴール到達前にタイム・燃料・残機のいずれかが尽きたらゲームオーバーとなる。
その時画面に表示される文字は「GAME OVER」ではなく「THE END」であるのがシュール。
全20ステージだがエンディングは存在せず、ステージ20をクリアしてもステージ1に戻りループする。
操作方法
このゲーム、操作方法が凄い。
十字キー左右:ハンドル操作
十字キー上:シフトアップ
十字キー下:シフトダウン
Aボタン:アクセル
Bボタン:マシンガン
操作方法はこの様になっているのだがお気付きだろうか?
そう、レースゲームなのにも拘らずブレーキが無いのである。
ファミコンは十字キーとA・Bボタンしかないから割り当てるボタンが足りなかったのかも知れないが、それならマシンガン積んでないでブレーキを搭載しろよと言いたい。
演出
1kmを3秒で走る設定なだけの事はありそのスクロールはと凄まじく高速である。
遥か前方にあるカーブや障害物が一瞬で目の前に迫ってくる演出に常に緊張感を纏ったプレイとなる。
プレイ画面上部にはバックミラーがあり、ちゃんと後方から迫る敵車両を表示している。
障害物に衝突したり、敵車両から追突されてりすると一撃爆死となるが、その際にライダーがバイクごとバラバラに四散するのだ。
さらに残機が残っているとバラバラに飛び散った体の破片が再集結して復活という変態染みた演出が衝撃的である。
最後に
筆者は本作を持っていなかったが、友達の家で遊ばせてもらった事がある。
かなり難易度が高かったので、幼かった我々はなかなか先の面まで進めずに苦戦した。
ある時、ファミマがに載っていた「タイトル画面で右とBを押しながらスタート」するとコンテニュー できるという裏技を知ることでだいぶ進める様になったが、それでも全面クリアはできなかった。
その高速スクロールとシビアな爆死判定のために任天堂作品としては珍しく難ゲーとして有名だが、ファミコンのスペックでこれほどまでのスピード感やバックミラー仕様などがあるゲームは当時は他には無く強く印象に残っているタイトルである。
のちにWii・WiiU・3DSのバーチャルコンソールで配信されているが、リメイクや続編などは出ていない。
ブレーキの無いバイクレースゲームは、おそらくゲームの歴史の中でも本作ぐらいだと思うので、一度プレイしてみても良いかも知れない(笑)。
今回はマシンガン搭載バイクで世紀末を駆け抜けるレースゲーム『マッハライダー』の紹介でした。
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