『ベースボール』は1983年12月7日にファミリーコンピュータ用ソフトとして任天堂から発売されたスポーツゲーム。
1984年に『VS.ベースボール』としてアーケードへ移植され、1986年2月にはディスクシステム版が発売されている。
『ベースボール』とは
『ベースボール』はファミコンの発売の約5ヶ月後に発売されたファミコン初の野球ゲームであり、その後『ゴルフ』『テニス』と続く任天堂スポーツシリーズの第1作目にも当たるタイトルである。
極めてシンプルな作りとなっているが、十字キーの各方向を4つの累と対応させた操作系統など、その後に登場する様々な野球ゲームの基礎を築いた。
販売本数は235万本。
これはファミコンソフト全1252本の中でも7位の歴代記録である。
システム
ゲームモードは「1 PLAYER GAME」と「2 PLAYER GAME」が用意されており、1PではCOMとの対戦、2Pは2人対戦にて試合の勝敗を争う。
ペナントレースなどの仕様は無い。
チームは「C・D・G・S・T・W」のセ・リーグ6球団から選択する。
ちなみにWは横浜大洋ホエールズである。(現・横浜DeNAベイスターズ)
パ・リーグはない。
投球には緩急をつけたり変化球を使用することができる。
野手は完全オートであるが、やたら打球をそらしたりエラーが頻繁に起こったりするのでかなりイライラする(笑)。
打者はスイングとバンドを使い分けることができ、走塁は任意となっている。
ダイヤモンドの周りを表示する内野画面と球場全体を表示する外野画面があり、長打が出ると外野画面に切り替わる。
BGMはタイトル画面、攻守交代、ホームランの際に短い音楽が流れる程度。
あとは無音の中にSE音が響くだけなので少し寂しい。
最後に
選手に個別の能力値設定はなく、投手にスタミナの概念もない。
そのため代打やリリーフなどの選手交代のシステムもなく、クリーナップも下位打線も関係ない。
ファミコン黎明期のタイトルなだけあって、現在の野球ゲームと比べると非常に物足りない内容となっている。
それでもテレビゲームで野球ができると言うこと自体が初体験だった子供たちには十分に楽しめるタイトルだった。
そしてこの数年後、本作で確立された野球ゲームとしてのシステムを参考にして『プロ野球ファミリースタジアム』などに代表される後継作が開発されることになってゆく。
野球ゲームの進歩に大きく貢献したタイトルと言って良いだろう。
筆者は本作が発売された頃はまだファミコンを所有していなく、本作のプレイ記憶は友達の家で数回遊ばせてもらった程度しかない。
だけどのちに発売された数々の野球ゲームには大いにハマり熱中したものだ。
これらのタイトルの基礎となった本作は、やはり野球ゲームの歴史を語るのには外せない作品の一つであることは間違いない。
今回はファミコン初の野球ゲーム『ベースボール』の紹介でした!
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