『ゴルフ(GOLF)』は1984年5月1日にファミリーコンピュータ用ソフトとして任天堂から発売されたスポーツゲーム。
ファミコン黎明期のタイトルであり、ファミコン初のゴルフゲーム。
開発責任者は当時の任天堂社長・山内博である。
『ゴルフ』とは
ファミコンが発売された約9ヶ月後にリリースされた、ファミコン黎明期における名作と呼べるタイトルである。
開発責任者は当時の任天堂社長である山内博、デザイナーに『スーパーマリオブラザーズ』の生みの親でありのちの代表取締役フェローとなる宮本茂、プログラマーにのちの任天堂社長・岩田聡と今となってはとんでもない顔ぶれの開発陣である。
のちにアーケードへ逆移植され、PC8801やディスクシステムにも移植された人気タイトルである。
ゲーム概要
コースは全18ホールからなる。
クラブを選択し、ショットの方向を決定したら上記方法でスイングをする。
コースには風向きやグリーンの芝目なども実装されており結構本格的である。
ボールの非球音やカップインなどの効果音はあるがBGMの類は一切無く終始無音。
ゲームモードは3種類が用意されている。
1人で18ホールを周り、記録を目指す「1 PLAYER STROKE PLAY」、2人対戦モードで18ホールでのストローク数を競う「2 PLAYER STROKE PLAY」、2人対戦モードで18ホールでの勝利ホール数を競う「2 PLAYER MATCH PLAY」から選択をして遊ぶことができる。
ちなみにプレイヤーが操作するキャラクターはマリオに酷似しているがマリオではないと言う説が濃厚である。
実はスポーツゲームジャンルで世界2位の売上本数(2021現在)
ファミコン初のゴルフゲームであり、販売本数は246万本。
これはファミコンソフト全1252本の中でも5位の歴代記録である。
この販売本数はスポーツゲームジャンルとしては全てのハードの中で第2位の記録である。
発売されてから2006年まで実に22年間販売本数はTOPであったが、2006年12月にWii用ソフトとして発売された『Wii Sports』(販売本数353万本)にその座を明け渡した。
とは言えまだまだゲーム人口が少なかったファミコン初期のソフトでありながら、その後様々なハード機が発売されゲーム人口が爆発的に増えていった時代に22年間破られぬ記録を打ち立てたことは称賛に値するであろう。
ゴルフゲームの基礎を築いたタイトル
本作の功績はなんと言っても
①Aボタンを押すとスイング開始
②もう一度Aボタンを押すタイミングでショットの強弱を選定
③さらにもう一度Aボタンを押すタイミングで飛球の曲がり具合を変える
という具合で”同じボタンを3回押してショットする”というシステムを確立したことであろう。
このシステムは本作の発売以降現代に至るまで他メーカー含め数々のゴルフゲームがリリースされてきたが、そのほとんどのタイトルで使われ続けられる基本スタイルとなっている。
のちにディスクシステム専用ソフトとして任天堂から発売された『ゴルフJAPANコース』『ゴルフUSコース』(共に1987)も本作のシステムをブラッシュアップしたものだ。
Switchのインディーソフト『ゴルフストーリー』などでは、本作にインスパイアされた証として作中で「ガルフ」というミニゲームで遊べるが、これがファミコンの『ゴルフ』そのままの内容となっている。
最後に
非常にシンプルでありながらも完成されたシステムとバランスにより大人から子供まで広く愛された名作である。
特にまだ“テレビゲームは子供の遊ぶモノ”という認識が大多数だった昭和50年代において、ファミコンの『ゴルフ』と『麻雀』(1983)は大人も楽しめるゲームソフトとしてファミコンの売り上げに大きく貢献したと言えるだろう。
現にファミコンを買って欲しい子供たちのお父さんに対するおねだりのセリフは「ゴルフとか麻雀もできるんだよ!」というフレーズが常套手段であった(笑)。
実際に本作にどっぷりとハマって、子供が寝静まってから毎夜遊んでいたお父さんも多いのではないだろうか?(笑)。
今回はファミコン初のゴルフゲーム『ゴルフ(GOLF)』の紹介でした!
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