『さんまの名探偵』は1987年4月2日にファミコン用ソフトとしてナムコより発売されたコマンド選択式アドベンチャーゲーム。
明石家さんまを主人公に登場人物全てを吉本芸人で固めてる推理ADVである。
出せば儲かると思われ無数のファミコンソフトが発売された昭和60年代、その中でも異彩を放つタイトルであった。
- さんまの名探偵とは
- あらすじ
- ゲームシステム
- 島田紳助の未来を予言?
- ミニゲームが熱い!
- 豪華キャストにも拘らず登場人物へのギャラは0円!?
- 子供でもクリアできる難易度ながら手抜きのないストーリー
- あわせて読みたい
さんまの名探偵とは
タイトルの明石家さんまの他、吉本興業の実在の芸人をゲーム中に数多く登場させたコマンド選択式アドベンチャーゲーム。
プレイヤーはさんまの助手となって、聞き込みや捜査を行いながら犯人を追う。
メインキャラクター(さんま)が探偵でプレイヤーが助手というのは「ポートピア連続殺人事件」(1983年)。「北海道連鎖殺人事件オホーツクに消ゆ」(1984年)などの一般的なミステリゲームとは逆の構図である。
冒頭で桂文珍が殺害され、その事件をプレイヤーは探偵明石家さんまの助手となり共に事件を捜査していく。
犯人を筆頭に関係者、被害者全て吉本芸人、今となってはギャラの問題などで制作するのは難しい作品だろう。
ポートピア連続殺人事件:エニックス
オホーツクに消ゆ:アスキー
あらすじ
吉本社長の別荘でパーティーが開かれている最中に、金庫室で桂文珍が殺されているのが発見された。
それだけではなく、金庫室から「アフリカの星」というダイヤが盗まれていた。探偵の明石家さんまは依頼を受け、事件の犯人を捜すことになった。
ゲームシステム
このMAP画面で移動していく先々で情報を集めていく。
最初は行ける場所は少ないのですが、事件捜査が進展していくに連れ捜査対象の場所が増えていく。
新たな場所にたどり着くと新しい手がかりが手に入り操作に進展が見られる。
今まで登場した人物からも新しい証言を入手することも可能になってゆく。
島田紳助の未来を予言?
今では引退してしまった島田紳助も登場。
このセリフ…20余年後、まさか現実になるとは…
ゲーマたちの間では、このセリフは予知だったのでは?と密かに有名である。
ミニゲームが熱い!
ボートレースや追跡ゲームなどのミニゲームも盛り込まれており、バッドエンドなどストーリー進行に関わる内容もある。
特にミニゲーム「ギャラクシガニ」は同社のゲーム「ギャラクシアン」(1979年)のセルフパロディである。
他にもBGMの一部や効果音などに、「ディグダグ」(1982年)、「ゼビウス」(1983年)、「ワルキューレの冒険」(1986年)などの作品で用いられたフレーズが現れるといった、ナムコ作品のセルフパロディ的な要素が随所に見られる。
捜査の過程で、女の子の部屋を調べて下着を見つけたり、露天風呂で女の子を覗いたりするなどのお色気要素もある。
豪華キャストにも拘らず登場人物へのギャラは0円!?
登場人物のギャラだけでもどれくらいお金が掛かるか想像もつかない。
しかし当時は芸人たちにはギャラが支払われてないとの事。(ナムコは吉本興業に払ってる)
更に主人公であるさんまにも無許可で発売されたらしい。
殺害される役の文珍だけは会社に出向き「わし、死んでるみたいやねんけど、御香典もらえまへんか?」と言い、出演料をもらったとのこと。
すごいな…なんていい加減な時代だろう、昭和(笑)
子供でもクリアできる難易度ながら手抜きのないストーリー
二転三転するシナリオ展開、複雑な人間関係、事件の裏に隠された真相など、推理物の王道を踏まえた質の良いストーリーは評価されている。
事件当時や事件後に不審な動きを見せる人物がかなり多く、調査の結果無実であったり本当に怪しかったりと、物語全体に大きな起伏が仕掛けられている。
また、山場を盛り上げる「アリバイが磐石だった人物の意外な真相」といった王道展開もある。
ゲーム画面のコミカルさとは裏腹に、そのシナリオは「火曜サスペンス劇場」並みのシリアスさと言っても差し支えない。
緊迫する最終局面、そしてその結末は、是非自らの手で一度は見て欲しい。
まだ幼かった筆者にとっては、発売されてから数年後に近所のお兄ちゃんから借りてクリアした思い出のゲーム。
子供でも頑張れば攻略本なしでクリア出来る難易度が心地良かった。
万が一行き詰ってもミニゲームの「ギャラクシガニ」をクリアすると、現在の捜査状況に応じたヒントが貰える。
単なるお遊び要素だけではなく、便利なお助けミニゲームとして重宝される。
何だかんだと親切設計であり、とても楽しく遊んだ思い出が残るタイトルだ。
今となっては肖像権などの問題でリメイクどころかバーチャルコンソールなどでの販売も難しいと思われる。
その為現在プレイするとしたらファミコンで遊ぶしか方法が無い。
いつの日か懐かしき昭和を思い出しながらまたプレイしたい作品のひとつである。
今回は吉本芸人総出演の異色のADV『さんまの名探偵』の紹介でした!
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