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【月風魔伝】魔歴元年、竜骨鬼が覚醒する──。リスペクトか?それともパクリか?コナミの贈るいわく付きの和風アクションRPG!【ファミコン・コナミ・レビュー】

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『月風魔伝』は1987年7月7日にコナミよりファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたアクションロールプレイングゲーム。

当時は珍しい和風ARPGとしてコナミを代表するソフトのひとつであるが、後述するナムコの『源平討魔伝』と酷似していることで色々と物議を醸したタイトルでもある。

 

 

『月風魔伝』とは 

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刻は鎌倉時代、舞台は日本…だと思いきや西暦14672年という遥か未来の日本での物語を描くコナミの贈るARPG。

おどろおどろしい雰囲気を上手く表現したクオリティの高いグラフィックと『悪魔城ドラキュラ』を手がけた前沢秀憲による名曲ぞろいの和風BGMにより見事に和風の世界観を演出した良作である。

 

ストーリー

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魔暦元年(西暦14672年)。

地獄界の魔王・龍骨鬼が突然目覚めた。

地上の統治者、月氏三兄弟の抵抗もむなしく、世界は人外魔境と化してしまう。

霊刀・波動剣を手に駆けつけた月氏の末弟、風魔の目の前で、兄たちが引き裂かれる。

そして三本の波動剣も地獄の神々の手に渡ってしまう…。

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かろうじて逃げのびた風魔は、あふれる憎悪を復讐の念にかえた。

兄たちの仇をうち、家宝・波動剣を取りもどすことを心に誓う!

決意も堅く、敵の牙城・狂鬼島へ向かう風魔。

そこで彼を待ち受けるものは何か!

 

主人公「月風魔」

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元・地上の統治者月氏三兄弟の末弟。

「月」が苗字で「風魔」が名前であり「月風魔」の伝記であることからタイトルは『月風魔伝』となっている。

その為、よく「月風・魔伝」だと思われているが正しくは「月風魔・伝」である。

読み方も「げっぷうまでん」は誤りであり「げつふうまでん」が正解。

 

ゲームシステム

本作は大きく分けて3つのモードがある。

フィールドマップ

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トップビュー方式のマップ画面。

道中にある“鳥居”、あるいは一部の地域に存在する“赤鬼”“骸骨”などに接触すると横スクロールアクション面に切り替わる。

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その他にも体力回復ができる“祠”やアイテムが購入できる“道具屋”などがある。

アクションステージ

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サイドビュー方式の横スクロールアクション面。

さまざまなタイプのアクション面が存在する。

ステージによっては足場が途切れている場所があり、転落すると1ミスとなる。

3Dダンジョン

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3つの島にそれぞれ存在する地下迷宮。

内部は3D視点の迷路となっており、特定の場所に配置された敵と遭遇すると戦闘が開始される。

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迷宮の最奥部に到着すると、横スクロールアクション面“三途の川”に切り替わる。

そしてその奥に待ち受ける魔神を撃破すると“波動剣”を入手できる。

狂鬼島

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鬼顔島・獄門島・三首島それぞれで待ち構えるボスを全て倒し、3本の波動剣を手に入れラスボスの待つ狂鬼島へと渡る。

狂鬼島北部にある巨大な城でラスボスである“龍骨鬼”とを撃破するとエンディング。

 

小ネタ 

パッケージ

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ゲーム内容とは関係ない話になるが、本作のパッケージの前面にはファミコンソフトとしては唯一のレンチキュラー仕様の印刷が施されている。

これは昔の子供向けのお菓子のおまけや、雑誌の付録などによくあった、見る角度によって絵が変わるという面白い仕様である。

他タイトルとのコラボ出演

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コナミが1986年にファミコンディスクシステム用ソフトとして発売した『悪魔城ドラキュラ』の主人公である“シモン”がムチ使いの敵キャラ“死門”として出演している。

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同社が1988年に発売した『コナミワイワイワールド』では8人のコナミを代表する主人公キャラクターの1人として本作の“風魔”が参戦している。

 

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最後に

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最後になるが、本作を語る上で絶対に外せない話題が『源平討魔伝』との酷似問題であろう。

『源平討魔伝』とは本作が発売される前年の1986年にナムコがアーケードで稼働させたアクションゲームである。

 

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本作『月風魔伝』はありとあらゆる部分にてその『源平討魔伝』にかなり酷似していることが当時大きな話題となった。

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タイトルに“魔伝”の文字が入り、舞台毎に異なる“ステージ構成”、ボス戦に必須な“3種類の武器”、仇討ちのために戦う“赤髪の鎧武者である主人公”など、キャラクター・システム設定・ストーリーなど酷似している箇所が非常に多い。

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極め付けに助言をくれるの老婆の姿は『源平討魔伝』の“安駄婆(あんだばあ)”そのものである(笑)。

上記のことから「パクリゲー」として悪いイメージで語られることも多い作品である。

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しかし『源平討魔伝』との類似性を指摘した上で、それでもオリジナル要素もたくさんあり、ある程度の差別化は図られていたと好意的な意見もあり、まさに賛否両論であった。

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確かにゲームバランス・グラフィック・BGMなどどれを取ってもしっかり作り込まれており、ただパクっただけでは無いことはその面白さからも証明できる。

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結局この問題は発売より10年以上が経過した時に、ゲーム雑誌上の企画コーナーでのインタビューが行われ、その際に『源平討魔伝』の影響を受けて製作した事を当時のコナミの『月風魔伝』開発スタッフも公式に認めて終止符が打たれている。

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筆者個人的な意見ではあるが、この作品にはパクリという悪いイメージよりも『源平討魔伝』への熱いリスペクトという良い印象を持っている。

どちらにせよ酷似していることは間違い無いので、著作権などがまだ緩かった昭和だったからこそ法的争いまで発展しなかったのだろうとは思うが…。

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筆者はそんなゆる〜い昭和が大好きである(笑)。

今回はコナミの贈るいわく付きの名作『月風魔伝』の紹介でした!

 

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