『ストリートファイターⅡ』はスーパーファミコン用ソフトとして1992年6月10日にCAPCOMより発売された対戦型格闘ゲーム。
オリジナルは同社が1991年に稼働させたアーケードゲーム。
略称は『ストⅡ』
ゲームセンターで空前の大ヒットとなり、格闘ゲームブームの火付け役となった名作シリーズの第二弾。
現在でも新作が出るたびに世界中を熱狂的渦に巻き込む誰もが認める対戦型FTGの金字塔である。
『ストリートファイターⅡ』とは
『ストリートファイターⅡ』は1987年に稼働された前作『ストリートファイター』の続編である。
ボタンを叩く強弱で技を使い分ける“感圧式ボタン”という特殊デバイスを搭載した前作とは大幅なシステム変更を施された本作は、レバーと複数のボタンを駆使して様々な駆け引きと技を繰り出すシステムに改良されている。
打撃・ガード・投げの3すくみ、必殺技・コンボ・ピヨリなど現在の格闘ゲームの基礎の全てが本作で確立されたと言っても過言ではないまさに対戦型FTGの金字塔である。
SFC版『ストリートファイターⅡ』
本作はAC版が稼働した翌年にCAPCOMにてSFCに移植された。
ハード上のスペック差の関係から登場キャラクターが削られるなどの大幅な劣化が予想されたものの、いざ発売となったSFC版はAC版をほぼ完璧に再現した非常に高い移植度であった。
元々高かったAC版の人気と、移植度の高さによりSFC版『ストリートファイターⅡ』は爆発的に売れ、最終的に国内288万本・世界630万本の大ヒットとなった。
これは1,448タイトルあるSFCソフトの中でも堂々の5位の記録である。
その結果SFC版の知名度はAC版を凌駕しており、こちらの方が記憶に強く残っているゲーマーも多い。
SFCで発売されたバージョン違い
その後SFCではバージョン違いが立て続けに発売される。
1993年には『ストリートファイターⅡターボ』が発売され、国内210万本・世界410万本(SFC歴代11位)、1994年には『スーパーストリートファイターⅡ』が発売され、国内129万本・世界200万本(SFC歴代22位)が発売され初代も含めた累計で国内627万本・世界1,240万本と驚異の販売実績を記録している。
主な相違点としては、『ターボ』はプレイヤーキャラクターが8人に四天王を加えた12人が操作可能になり、速度調整が実装されている。
『スーパー』はオンラインで通信対戦プレイが可能となっている。
登場キャラクター
本作は8人の個性豊かなキャラクターの中から1人を選び戦う。
1Playでは残り7人を全員倒した後に出現する四天王を撃破すればクリアとなる。
2Playでは8人のキャラからお互いに1人を選び対戦し先に2ラウンド選手したら勝ちとなる。
デフォルトキャラクター
リュウ
シリーズを通し主人公的。
ひたむきに強さを追い求める求道者。
ケン
リュウの親友でありかつライバル。
リュウとは同門出身であり同じ技を使う。
エドモンド本田
日本の力士。
相撲の素晴らしさを世界に広めようと闘いの旅に出る。
春麗
インターポールの刑事で、ベガを首領とする犯罪組織「シャドルー」専任の捜査官。
対戦格闘ゲーム初の女性プレイヤーキャラクター。
ブランカ
子供の頃に飛行機事故に遭い、アマゾンの奥地で育った野生児。
本名はジミー。
ザンギエフ
ソビエト連邦出身のプロレスラー。
赤きサイクロンの二つ名で呼ばれる鍛え上げられた筋肉をもつ巨漢。
ガイル
アメリカ空軍少佐。
ベガに殺された親友の仇を取るために、家族を捨て復讐のために闘う。
ダルシム
インド出身の僧侶で、ヨガの達人。
自身の技を戦いの道具として使うことに迷いを感じながらも、自分を必要とする家族や村人たちのために戦う。
四天王キャラクター
M・バイソン
シャドルー四天王の一番手。
アメリカの黒人ボクサー。
手加減することを知らずに数々の対戦相手を再起不能にしたため、対戦カードを組まれなくなりボクシング界から追放された過去を持つ。
バルログ
シャドルー四天王の二番手。
白い仮面と、蛇が体に巻き付いたかのような刺青を入れていることから「仮面の貴公子」「スペインの狂える毒蛇」の異名を持つ。
サガット
シャドルー四天王の三番手。
身長2メートルをゆうに超える偉丈夫で、「隻眼の猛虎」と呼ばれるムエタイ使い。
ベガ
悪の秘密結社シャドルーの総帥。
サイコパワーと独自の体術を組み合わせた格闘術は非常に強力で、「格闘王」と呼ばれるまでに至っている。
BGM
各キャラクターを的確に表現したBGMの数々はクオリティが非常に高い。
プレーヤーの体力が半分以下に減るとBGMのテンポが速くなるのも本作の特徴の一つで、対戦に緊張感を持たせることにも一役買っている。
『キングダムハーツシリーズ』や『ファイナルファンタジー XV』などを手掛けるゲームミュージック作曲家の下村陽子の代表作と言える会心のBGMとなっている。
ちなみにキャラクターボイスは声優ではなく、なんとカプコン社員が担当している(笑)。
最後に
もはや説明の必要すらない対戦型格闘ゲームの金字塔。
過去にも対戦型格闘ゲームはあったが、ここまで人間同士の駆け引きを白熱させるように設計されたものは無かったと言える。
クオリティの高いBGM、派手な打撃音&演出、一瞬の隙からコンボで瞬殺KOまで持っていくことも可能なテクニックなど全てが斬新であった。
さらにプレイヤーキャラクターもバランス型から、パワー型、イロモノまで揃っており、キャラクターによって戦略がガラリと変わり、組み合わせによって不利有利も様々で飽きない内容となっていた。
このような緻密に設計されたシステムと絶妙なバランスにプレイヤー達はかつてない緊張感と興奮に酔いしれた。
本作の人気は凄まじく、1994年(アメリカ)・2009年(アメリカ)・2014年(イギリス)と映画化されている。
『ストリートファイター』としての映画ではないが、ジャッキー・チェン主演映画『シティーハンター(1993年)』ではジャッキー・チェンが春麗にコスプレして闘うという衝撃的なシーンも有名である。
映画以外にもアニメや漫画といった様々なメディアミックスも展開されている。
まだ子供だった筆者はAC版は未経験だが、SFC版はもちろんどっぷりとハマり、毎日友達と集まり闘いに明け暮れたのが懐かしい。
波動拳や昇竜拳の出し過ぎで親指の皮が破けても痛みに耐えながらゲームをやり続けたのも良い思い出だ(笑)。
筆者は対戦格闘ゲームは苦手であり、あまり好きではないのだが、このゲームだけはすごく面白くかなりやり込んだものだ。
とは言っても下手くそで友達の中でも弱い方だったが…(笑)。
その後も続編が次々と制作され、現在は『ストリートファイターⅤ』がアーケードや最新次世代機で稼働中だ。
世界中の猛者達と熱い闘いを繰り広げたい格ゲープレイヤーは即刻参戦してみてはいかがだろうか?
今回は世界中を熱狂の渦に巻き込んだ対戦型格闘ゲームの金字塔『ストリートファイターⅡ』の紹介でした!
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