『麻雀』は1983年8月27日にファミリーコンピュータ用ソフトとして任天堂より発売されたテーブルゲーム。
1986年にディスクシステムへ移植されている。
2001年にゲームキューブ用ソフトとして任天堂から発売された『動物の森+』ではゲーム内でミニゲームとして遊ぶことができる。
『麻雀』とは
ファミコンが1983年7月15日に発売され、ローンチタイトル『ドンキーコング』『ドンキーコングJR.』『ポパイ』の3本であった。
その約1ヶ月後に第二弾として発売されたのが『五目並べ』と本作『麻雀』である。
ファミコン初の麻雀ゲームであり、コンシューマ機としては1982年に発売された麻雀専用の家庭用ゲーム機「マイコン麻雀」(日本メールサービス)に次いで2番目。
しかし「マイコン麻雀」は麻雀しかできないのに当時の価格で48,800円と非常に高価だった。
それに対しファミコンソフトの『麻雀』は3,800円(のちに4,500円に値上げされる)とリーズナブルさが際立った。
ファミコン本体が14,800円なので、本体と一緒に購入しても「マイコン麻雀」の半分以下の価格であった。
システム
1人用ゲームであり相手はCOMの2人打ち専用麻雀となっている。
難易度は三段階用意されている。
「初級」は配牌が甘く、チョンボ防止機能があるので麻雀を覚えた手の人でも安心してプレイできる。
「中級」は配牌が少し厳し目で、チョンボも見逃してもらえない。
「上級」は配牌はかなり厳しくなる。さらにCOMが捨牌をしてから12秒以内にツモ・アガリ・ポン・チー・カンを選択しないと強制ツモとなり、打牌関しても同様に12秒で捨牌をしないと強制的に捨てられるという時間制限ルールが導入される。
プレイ中にタイムをすると珈琲カップのデザインに「TEA TIME」の文字が表示された静止画面に切り替わる。
これは「上級」用に熟考の時間稼ぎ防止のためと思われる。
ちなみにBGMはオープニング画面以外は無音であり、SE音のみの寂しい雰囲気となっている。
最後に
本作の販売本数は213万本。
これはファミコンソフト全1252本の中でも8位の歴代記録である。
そしてこの記録は、現在では星の数ほどある麻雀ゲームソフトの中でも日本一売れた記録となっている。
これは明らかに子供がお父さんにファミコン本体をおねだりする際に「お父さん、麻雀もできるんだよ!」というのが常套句であったことが起因するであろう。
本作が発売された昭和58年の麻雀人口は1500万人と、2020年の500万人に比べ3倍であった。
○麻雀参加人口の推移(単位:万人)
現在みたいに老若男女が嗜んでいた訳ではなく、そのほとんどが成人男性であった事から当時のお父さんたちの間での麻雀人気の高さが伺える。
これらのデータを元に考えると「麻雀もできるんだよ!」という"おねだり戦略”はかなりの効果があったと推測される(笑)。
この時代はまだ“テレビゲームは子供の遊ぶもの”と考えられがちであった。
そんな中、任天堂も本作をお父さんたちを攻略する重要な鍵として考えており、ファミコン本体のCMでは、『ドンキーコング』などのキラータイトルを差し置いて真っ先に『麻雀』のソフトを紹介する戦略を取っていた(笑)。
総評としては、まだまだファミコン初期とのこともあり凝ったギミックも演出もなくシンプルな作品ながらも、麻雀の楽しさをテレビゲームでも十分に味わえるという魅力をしっかりと伝えることができた良作と呼べるタイトルであろう。
今回はファミコン初の麻雀ゲーム『麻雀』の紹介でした!
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