『マリオブラザーズ』は1983年9月9日にファミリーコンピュータ用ソフトとして任天堂から発売されたアクションゲーム。
オリジナルは1983年7月14日に任天堂が稼働させたACゲーム。
ゲーム画面でのタイトルは「Brothers」を省略形にした「MARIO BROS.」と表示される。(『スーパーマリオ』以降シリーズ共通)
本記事ではファミコン版をメインに取り扱っている。
『マリオブラザーズ』とは
任天堂の看板キャラクターであるマリオの名が初めてタイトル名に冠された作品。
それ以前も『ドンキーコング』を始めいくつかのゲームに出演していたが、マリオとして主人公に抜擢されたのは本作が初である。
マリオの弟であるルイージは本作がゲーム初出演であり、兄弟の職業がそれまでは大工だったのが配管工になったのも本作からである。
ゲーム内容はマリオとその双子の弟であるルイージを操作し、下水道から流出したカメ、カニ、ハエなどを駆除していく固定画面ACT。
実はAC版より前の1983年3月14日に同じく任天堂から「ゲーム&ウオッチ」版が発売されているが、こちらはゲーム内容が全く違っている。
通常は『マリオブラザーズ』といえばAC版とその移植作品のゲームを指す。
ファミリーコンピュータ版
AC版が稼働されてから2ヶ月も経たずにFC版は移植販売された。
ハードの性能、容量の兼ね合いからAC版と比べると、演出の劣化、仕様の変更はあるものの、FC版でもAC版さながらに楽しめる様によく考えられた移植となっておりプレイヤーに愛された名作となっている。
いくつかの違いとしてはルイージのオーバーオールが白色になっている、つららのギミックなどが排除されている、ファイヤーボールの大きさが小さくなっていることなどが挙げられる。
本作の販売本数は163万本であり、これはファミコンソフト全1252本の売上順位において12位の記録となっている。
ディスクシステム版
1988年11月30日にはディスクライター書き換え専用ソフト『帰ってきたマリオブラザーズ』としてリメイク発売された。
当時マリオとタイアップしていた永谷園がスポンサーになっており「マリオカレー」「お茶漬け海苔」などのCMがゲーム中に流れる。
この広告料の関係で通常500円だったディスク書き換え料金が、本作においては400円に引き下げられた。
ディスクシステムになり容量が増えたため、キャラのグラフィックがAC版に近くなった他、つららの復活、ボーナスステージで床が見えなくなるなどAC版の仕様がそのまま移植されている。
本作はマリオシリーズとしてはディスクシステム最後のソフトとなった。
2Pプレイ(殺し合い)が熱い
本作の2Pプレイは協力プレイが基本となるが、自キャラがぶつかり合うと勢いの弱い方が押し出される他、下から突き上げられると浮き上がってしまうなどお互いが邪魔になってしまうこともある。
さらにひっくり返った敵キャラを下から突き上げると復活する仕様を利用して、相手キャラが近づいた瞬間に復活させてミスを誘発するテクニックなども存在するため、協力プレイより殺し合いによる対戦プレイの方が数段白熱する仕様となっていた。
この対戦プレイはプレイヤーが見つけた遊び方と思われがちだが、AC版ポスターには「協力し合うか、それとも…裏切るか…」というフレーズが記されており、任天堂側は予めふたつのプレイスタイルを意図していたことが伺える。
最後に
シンプルでありながら奥が深い、非常に素晴らしいゲームである。
FC版への移植がファミコン黎明期における本体の売り上げにかなり貢献したと言われているキラータイトルであった。
2年後に発売された『スーパーマリオブラザーズ』に比べると知名度は低いが、たくさんのリメイクが発売され現代でもファンが多い本作は、マリオをメジャーなスターダムにのしあげたタイトルであろう。
筆者は本タイトル発売時はまだファミコンを持ってなく、友達の家で何度か遊ばせてもらったくらいしかプレイ経験はないが、友達と協力プレイや対戦プレイをしたのがとても楽しかった記憶がある。
それまでの“かわりばんこ”の2Playではなく“一緒に遊ぶ”2人同時プレイ”という感覚を教えてくれたのは間違いなくこのタイトルだったと言える。
今回は2人同時プレイの楽しさを見出したアクションゲームの金字塔『マリオブラザーズ』の紹介でした!
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