『聖剣伝説2』は1993年8月6日にスーパーファミコン用ソフトとしてスクウェアより発売されたアクションロールプレイングゲーム。
同社の人気RPGシリーズの第2作目。
ナンバリングタイトルは『4』まで発売されている。
その他にも『外伝』やリメイク作品も多々発売されるスクウェアの看板タイトルのひとつである。
『聖剣伝説シリーズ』
『聖剣伝説シリーズ』は『ファイナルファンタジーシリーズ』(以下FFシリーズ)や『ロマンシング サ・ガシリーズ』などと並び平成初期のスクウェアの主軸RPGの一角を担うタイトルである。
1991年にGB用ソフトとして発売された最初の『聖剣伝説』は副題として『〜ファイナルファンタジー外伝〜』と銘打たれており、『FFシリーズ』の派生作品として発売されたが、『聖剣伝説2』以降の作品はFFシリーズから独立し、独自の路線を歩んでいる。
現在『4』まで発売されている『聖剣伝説シリーズ』はARPGに新しいアイディアを多々導入した意欲的なタイトルとして、他社の作品にも多大な影響を与えたスクウェアの看板タイトルとなった。
『聖剣伝説2』
プラットフォームをSFCへ変えての発売となった本作は、『FF』の外伝に過ぎなかった前作をオリジナルの世界観を創出することでスクウェアの代表的シリーズにまで押し上げた傑作である。
実は本作は1990年~1991年に開始された初期の制作段階ではSFC用CD-ROM機のソフトとして開発されていた。
その時の仮名はなんと『クロノ・トリガー(仮)』であった。
しかしキャラクターデザイン担当の鳥山明が多忙により開発が延期。
塩漬け状態になっているうちに任天堂とSONYのトラブルでSFC用CD-ROM機自体が発売中止となり、発売は実現不可能となってしまった。
しかし原案などは魅力的だあったため、後に改めて企画を再利用してドリームプロジェクトとして新規に開発し直され『聖剣伝説2』として生まれ変わったのが本作である。
そのため、『聖剣伝説2』と『クロノ・トリガー』の主人公&ヒロインはイメージが似ている。
本作の販売本数は150万本であり、これは1,448タイトルあるSFCソフトの中で16位の記録である。
※開発中止となった幻のハードSFC用CD-ROMの逸話は「コンソール・ウォーズ3」に詳細が載ってるのでこちらを参照して欲しい。
ストーリー
はるか昔……。
マナの力によって進化した文明が地上に栄えていた。
やがて人々は、マナの力を戦争に利用するようになり、マナの要塞と呼ばれる巨大な船を生んだ。
しかし、あまりに強大なその力は神々の怒りにふれ、神獣が地上へとつかわされた。
要塞と神獣の激しい戦いが世界を炎と毒で包み、地上からはマナが失われていった。
そのとき、聖剣を携えた勇者によって、要塞は落とされ、神獣も人々の前から姿を消した。
戦争によって文明は失われたが、世界には、再び平和が戻った……。
ときは流れ……、歴史は繰り返す……。
独創的な戦闘システム
操作方法がシンプルで分かりやすい戦闘システムは、動作も軽快なため操作感は抜群だった。
詳しくは後述するが、そのほとんどのシステムを直感的に操作できることが好評を得て、本作の大きな特徴として挙げられた。
モーションバトル
戦闘自体はプレイヤーはキャラクターを操作してフィールドを自由に動き回りながら攻撃・回避など、数々の行動のタイミングを計りながら戦うアクションバトル。
敵とエンカウントすると、それまでのRPGのように戦闘画面に切り替わらず、そのままフィールドでシームレスに戦闘開始となる。
このシステムは「モーションバトル」と名付けられ、当時としては珍しいバトルシステムであり、そのテンポの良さからプレイヤーの評価も高かった。
リングコマンド
装備の変更や、アイテム・魔法などの使用には「リングコマンド」を使う。
これは対象キャラクターの周囲にリング状に並べられたコマンドが出現し、使用したいアイテムや魔法などを選択できるシステムであり、のちの『聖剣伝説シリーズ』にも引き継がれる機能となる。
操作キャラ
本作は3人のパーティーメンバーのうち、1名を操作する。
操作するキャラはセレクトボタンでいつでも変更できるので、要所でキャラを変更しながら戦闘してゆく。
操作をしていない残りの2キャラはAIにより自動戦闘となる。
Ⅰコン・Ⅱコンでそれぞれ操作するキャラを分け2人同時プレイすることが可能。
しかも別売りのマルチタップを使えば最大で3人同時プレイ可能となる。
ARPGで3人で協力プレイできるのは当時としてはとても画期的であり、非常に盛り上がるシステムであった。
創り込まれたグラフィックとサウンド
コミカルで可愛らしいグラフィックは、背景までもが丁重に書き込まれており、その神秘的な世界観を奥深く表現している。
味方だけでなく敵も含めたキャラクターは、アニメーションが豊富であり、様々な演出によりプレイヤーを楽しませてくれる。
特筆すべきはサウンドであり、菊田裕樹が拘りを持って作曲した数々のBGMはどれも素晴らしいものである。
特にボス戦で使用される楽曲「危機」はまさに神曲と言うべき名曲だ。
前半と後半で著しく曲調が変わり、前半は圧倒的な力を誇るボス敵の攻撃ターンを表し、後半は主人公たちの反撃のターンをイメージさせる、ストーリー性の強い曲となっている。
最後に
様々な新システムの導入により、ARPGの可能性を大きく変えたと言っても過言ではない『聖剣伝説2』。
初めて本作をプレイした者は皆この全く新しいゲームの虜になり、発売当時大きな話題となった。
実はこのタイトル、たくさんのバグがあり、中にはその後のプレイ続行が不可能となる致命的なバグもあった。
そんなマイナス点を補ってもあまりある魅力が本作にはあったため、それでもミリオンセラーを記録したのだろう。
筆者も本作にどっぷりとハマり、何度もバグに悩まされながらも最後までクリアした経験を持つ(笑)。
これほどまでの名作だったので、もちろん次世代機でもリメイクが為されている。
2017年にはSwitchにて『聖剣伝説1~3』がセットになっている『聖剣伝説コレクション』が発売された。
これに収録された『聖剣伝説2』はSFC版そのままの移植のため、流石にユーザーインターフェースが古くさく評判はイマイチだった。
さらに2018年にはPS4・PSvita・PCにて3Dフルリメイク版の『聖剣伝説2 SECRET of MANA』が発売されたが、こちらはオリジナル以上にバグ満載であることや次世代機とは思えないショボいグラフィックなどで不評であり、劣化リメイクとしての烙印を押されるクソゲーであった。
2度の復刻・リメイクに失敗してしまった本作だが、3度目の正直で今度こそ完璧なリメイクをいちファンとして期待したい。
今回は90年代のスクウェアを代表するシリーズのひとつ『聖剣伝説2』の紹介でした!
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