『クロノ・トリガー』は1995年3月11日にスーパーファミコン用ソフトとしてスクウェアから発売されたロールプレイングゲーム。
オーソドックスながら非常に高い完成度を誇る名作である。
特に海外ではJ-RPGの最高傑作に挙げられることも多く絶大な人気を誇る。
PS・DS・携帯アプリ・スマートフォン・Steamと移植されている。
『クロノ・トリガー』とは
『クロノ・トリガー』は『FFシリーズ』の坂口博信がエグゼクティブプロデューサー、『DQシリーズ』の堀井雄二がストーリー原案・シナリオ監修、キャラクターデザインは『ドラゴンボール』の鳥山明が勤めるというこの時代におけるまさに夢のコラボレーションと呼べるゲームタイトルである。
平成7年当時、最高のビッグネームである3人がタッグを組んでゲーム制作が行われるというニュースはゲーム業界に激震を走らせ、週刊少年ジャンプや各ファミコン情報雑誌は一斉に特集を組み、ゲーマーを期待の渦に巻き込んだ。
ライバル企業であるスクウェアとエニックスのメインクリエイターが一堂に介してのプロジェクトであることも世間に衝撃を与えた。
奇しくもその後2003年にスクウェアとエニックスは合併し、スクウェア・エニックスとして生まれ変わることとなる。
ストーリー
ガルディア王国歴1000年。
平和なこの時代に暮らす少年クロノは、王国千年祭の日に活発な少女マールと出会う。
成り行きから千年祭を見て回り、仲良くなった2人はクロノの幼馴染である発明少女ルッカが発明したワープ装置の実験会場に向かった。
実験は大成功……と思いきや、マールのペンダントが共鳴し、不気味な空間の歪みが出現。マールはその中に引き込まれ消えてしまう。
クロノは消えたマールを追いかけ、空間の歪みに飛び込む。たどり着いた先は、クロノ達が生まれるよりずっと前、中世のガルディア王国であった。
ふとしたきっかけから始まったこの冒険は、時空を超えてこの星の謎を突き止める為の壮大な戦いへと発展していく。
個性豊かな仲間たち
本作はいくつもの時代を旅し、たくさんの登場人物と出逢う。
ここでは主人公・クロノと仲間になり、共に旅をする7人のパーティーメンバーを紹介する。
クロノ
主人公・17歳の少年。
現代のガルディア王国で母親と暮らす普通の町民だったが、マールとの出会い、ルッカの発明による事故から世界の未来を護るための戦いに身を投じることになる。
マール
クロノが千年祭会場で出会った16歳の少女。
綺麗な金髪をポニーテールにしている。
A.D.1000年のガルディア王国の王女であり、本名はマールディア 。
ルッカ
クロノの幼馴染である19歳の少女。
紫のショートヘアで顔が出るタイプのヘルメットを着用しており、眼鏡を掛けている。
大の発明好きで、自分の才能に強い自信を持っている。
ロボ
未来のプロメテドームで壊れかけたまま放置されていたロボット。
偶然通りかかったルッカが修理し仲間となった。
カエル
中世ガルディア王国の騎士。
ガルディア王国前騎士団長であった親友サイラスの遺志を継ぎ、新たなる「勇者」として伝説の剣グランドリオンを手に戦うことになる。
エイラ
原始時代の集落イオカ村の長。
パワフルでセクシーな女性であり、片言な口調が特徴。
強い者を好み、特にクロノには好意を見せている。
魔王
中世ガルディア王国の平和を脅かす魔族を統べる存在。
実は古代ジール王国の王子ジャキが成長した姿。
世界を滅亡に導くと言われるが、全ては姉の運命を狂わせた者への復讐のための行動だった。
ゲーム内容
シナリオ
本作は「時間」「星」「運命」を大きなテーマとしており、主人公・クロノが偶然できるようになってしまったタイムトラベルにより、交わるはずの無かった全く異なる時代を生きる個性的なキャラクターが出逢うこととなる。
やがて主人公たちは惑星の運命を揺るがす1つの危機を見つけて、それに立ち向かうという熱い物語は絶賛され過去最高のシナリオとまで言われた。
BGM
BGMはのちに様々なゲームミュージックを手がける光田康典のプロ作曲家デビュー作であり、新人とは思えぬ素晴らしい楽曲の数々は非常に評価が高い。
メインテーマ・ボス戦・各時代のフィールドミュージック・各キャラクターのテーマなどどでも素晴らしくサウンドトラックはゲームミュージックファンだったら必須アイテムである。
戦闘
本作はシンボルエンカウント制を採用しており、モンスターに接触すると戦闘に突入する。
その際にマップ上の地形やモンスターの位置関係がそのまま戦闘画面に反映されるので接触のタイミングも重要である。
戦闘システムは、『FFシリーズ』でお馴染みのアクティブタイムバトル(ATB)を進化させたアクティブタイムバトルVer.2(ATB Ver.2)を採用。
ターン制を廃止し、常に時間が経過している中で次の行動を決めていくATBは戦闘に緊張感と深い戦略性をもたらし好評であった。
最後に
前述した制作陣のビッグネームは伊達ではなく、ストーリー・グラフィック・BGM・ゲームシステムなど、全てにおいて最高のクオリティであり、その魅力から発売して20年以上経つ今でも多くのファンがいる名作である。
特に海外での人気は凄まじく、向こうのファン達が無許可で作った3Dリメイクや続編などが発表されることもあったほどでであった。
こちらは流石にスクエニが警告を出して公開を差し止めたため現実とはならなかった。
販売本数は203万本であり1,448タイトル発売されたSFCソフトの中でも12位の成績を収めている。
SFC時代に青春を過ごした者にとって忘れることのできないタイトルであることは間違いない。
本作が発売されてからすでに25年の時が経っている。
そろそろ次世代機でフルリメイク版などが制作されることを切に望むタイトルのひとつである。
今回はSFCを代表する不朽の名作RPG『クロノ・トリガー』の紹介でした!
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