サブカルチャーのある生活

なつかしのレトロゲーム同好会

ーPICKUPー
ファミコン
“クソゲー特集”
20210509220713
“ファミコンマガジン”
CONSOLEWARS

【学校であった怖い話】平成初期に発売され、24年経った今でもカルト的人気を誇る禁断のタイトル。狂気染みた人間達が織りなす戦慄のホラーサウンドノベル!【SFC・バンプレスト・レビュー】

f:id:zel_8bit:20191115100637j:plain

 

『学校であった怖い話』は1995年8月4日にスーパーファミコン用ソフトとしてバンプレストから発売されたサウンドノベル。

平成初期に多数発売されたゲームジャンル「サウンドノベル」の中でも異彩を放つ作品として多くのゲーマーに愛されたタイトル。

現在でも「アパシー・シリーズ」と称して商業・同人で小説やゲームが制作されており根強い人気を持つ。

 

『学校であった怖い話』とは

f:id:zel_8bit:20191117032820j:plain
平成4年に世界初のサウンドノベル『弟切草』がチュンソフトより発売され、その面白さに魅了されるプレイヤーが続出。

その人気に押され平成初期から中期にかけ、様々なメーカーからサウンドノベルソフトが発売された。

サウンドノベルはシリーズの草分けである『弟切草』『かまいたちの夜』の影響から恐怖心を煽るホラー物やサスペンス形式の作品が多かった。

 

zel.hatenablog.com

zel.hatenablog.com

 

 

f:id:zel_8bit:20191117030844p:plain
数あるタイトルの中でも異彩を放ち、未だにカルト的なファンが多い作品が本作『学校であった怖い話』である。

1997年にはリメイク版『学校であった怖い話S』がPSで発売。

2007年には『学校であった怖い話S』がゲームアーカイブスにて、2008年にはSFC版『学校であった怖い話』がバーチャルコンソールにてそれぞれDL販売が開始されている。

 

ストーリー

f:id:zel_8bit:20191117030925p:plain

「今度の新聞で、うちの高校の七不思議の特集を組もうぜ」

新聞部長の一言で学校の七不思議を特集することになり、高校1年生新聞部員の主人公・坂上修一が取材担当に抜擢される。

今年の夏に、長い間使われていなかった旧校舎が取り壊されることになり、それに合わせて恐怖ネタをやりたいということだった。

f:id:zel_8bit:20191117030939p:plain
取材当日、語り部として部室に集まったのは6人。

主人公の知っている顔は1人もいなかった。

部長の話では7人に声をかけるとのことだったが、待てど暮らせど7人目は現れない。 「……あのう、どうでしょうか? このまま待っていても仕方がないので、そろそろ始めませんか?」

まだ見ぬ7人目を待たずして、“学校であった怖い話”が始まった──。

 

システム

f:id:zel_8bit:20191117031000p:plain

従来のサウンドノベルとは一線を画す、短編集という形式を取ったシナリオ。
6人の語り手から好きな順番で怪談を聞くという内容で、誰をどの順番にしたかによってまったく違う話を聞くことができる。

6人全員から話を聞くとその物語の締めである“7話目”が始まり、その話の結末を迎えるとエンディングとなる。

f:id:zel_8bit:20191117031157p:plain

また、特定の条件を満たすことによって解放される“隠しシナリオ”もあり、シナリオ総数は50本に上る。

原作・演出・監督・脚本の全て開発元であるパンドラボックスの社長・飯島多紀哉が1人で手がけており、のちにゲームシナリオライターとして活躍する氏の名前を最初に知らしめたゲームである。

 

グラフィック

f:id:zel_8bit:20191117031217j:plain

本作は登場人物にも実写取り込みを採用した史上初の作品として知られている。 

SFCのスペックでは実写取り込みといっても限界があるため、画質はだいぶ粗いが、そんなグラフィックが逆に不気味な味わいを醸し、恐怖をかきたてる要因にもなった。 

ちなみに登場人物を演じているのは開発スタッフ達である。

f:id:zel_8bit:20191117031238p:plain

登場人物は全員高校生だが、スタッフは当然成人なので「登場人物が高校生に見えない」という声が多かった(笑)。

これを踏まえ続編『学校であった怖い話S』では登場人物はプロの役者に差し替えられている。

 

最後に

f:id:zel_8bit:20191117031252p:plain

6人の話を聞きながら最終話の7話目に向けて徐々に盛り上げていくシナリオは秀逸である。

50本というシナリオ数は他のサウンドノベルゲームの追随を許さないほどの膨大な数なのにも拘らず、どれも怖く、よく練られた話となっている。

特に一部のシナリオは、話の内容・グラフィック演出ともに本当に恐ろしく、トラウマになったプレイヤーも続出した。

f:id:zel_8bit:20191117031341p:plain

6人の話をどの順番で聞くかで、それぞれ話す内容が変わるため、繰り返しプレイしたくなる中毒性は異常。

登場人物も皆、個性豊かで不気味でありキャラが非常に際立っている。

怪談話の内容より、語り手の人間の方が怖いと言われることもあるほどだ(笑)。

f:id:zel_8bit:20191117031324p:plain

BGMもクオリティーが高いものが多く、演奏とフラフィック演出で恐怖心を盛り上げプレイヤーを引き込む手法と、短編集という形式によりプレイするたびに新鮮な感覚を味わえる創りは見事としか言いようがなく、カルト的なファンが多数生まれたことも深く頷ける作品である。

f:id:zel_8bit:20191117030547p:plain

筆者は学生時代、友達と集まり本作をプレイしたことがある。

もともと怖い話が苦手だったこともあり、超ビビリながら遊んだのも良い思い出だ(笑)。

レビューを書いていたら20数年ぶりにプレイしたくなってきたので、ゲームアーカイブスで購入して今度は独りでこの恐ろしいサウンドノベルに挑戦してみようと思う。

 

今回は24年経った今でもカルト的人気を誇る禁断のホラーサウンドノベル『学校であった怖い話』の紹介でした。

 

あわせて読みたい

 

zel.hatenablog.com

zel.hatenablog.com

zel.hatenablog.com