『MOTHER2 ギーグの逆襲』は1994年8月27日にスーパーファミコン用ソフトとして任天堂より発売されたロールプレイングゲーム。
2003年にGBA版『MOTHER1+2』として『1』と『2』が収録されたものが発売された。
その他バーチャルコンソールでも配信されている。
『MOTHER2 ギーグの逆襲』とは
FCでの名作『MOTHER』から5年の歳月を経て、プラットフォームをSFC移し満を辞しての発売となったシリーズ2作目である。
前作に引き続きコピーライターの糸井重里がゲームデザインとシナリオを手がけている。
現代アメリカ風の世界を舞台に主人公とその仲間達による冒険を描くRPGである。
基本コンセプトは前作を踏襲しているが、シナリオや世界観での繋がりは一切ない。
本作を映画に例えた上で、「今作は続編という位置付けではなくハリウッドによるリメイク作品である」と関係者が語っている。
FC版『MOTHER』の持つ独特の特徴を保ったままの完全新作をプレイしたいというファンの気持ちにしっかりと応えた、その独自性と“少年少女の大冒険物語”という王道さを兼ね備えたファン待望の作品と言えるタイトルである。
キャッチコピーは「大人も子供も、おねーさんも。」
販売本数は30万本となっている。
岩田聡の天才エピソード
本作は完成までに約5年を費やし、その途中には開発が頓挫しかけたこともあった。
その際、当時ハル研究所の社長だった岩田聡が名乗り出て、糸井に対し「今あるものを活かしながら手直ししていく方法だと2年かかります。イチからつくり直していいのであれば、半年でやります」と語り、開発を請け負った。
そして岩田は公言通り半年で完璧に『MOTHER2』を仕上げてくる。
このエピソードは岩田のプログラミングの天才的手腕を含め、現在でも語り草となっている。
販売促進用のチラシが42万円で落札
2018年には販促用チラシがヤフオクにて421,000円で落札されるという衝撃的な出来事が起こった。
試作品として作られた可能性が高く、一般配布はされていないので現存している数は30枚にも満たないと言われている。
通常のチラシとの相違点としてはキャッチコピーが「発売前から、忘れられない」となっており、イメージカラーが青となっている。
後にイメージカラーの赤いチラシが一般用として配布された。
日本版クラシックミニSFCには未収録
2017年に発売された「ニンテンドークラシックミニスーパーファミコン」 には本タイトルは収録されていなかった。
未だにファンの多い名作であり、さらに発売元である任天堂の作品ということもあって収録タイトルになると予想されていたが残念ながらそうはならなかった。
しかし、同年に欧米にて発売された海外版には『MOTHER2』は収録されているのだ。
なぜ日本版には未収録であり、海外版には収録されたのか?
その質問に、任天堂は以下のように応えている。
収録しているタイトルが変わってくるのは、やはり地域性を出すという意味があります。
しかしながら単純に日本だから『MOTHER2』が入らなかったというわけではないのですが、各ジャンルやIP(知的財産)、キャラクターのバランスがあって、『MOTHER 2』のほかにも収録したいRPGはいっぱいあったんですよね。
また、今回はお子さんやお友だちといっしょに遊んでいただくということもコンセプトにあったんです。
なるほど、色々と大人の事情があったらしい(笑)。
最後に
ファミコン屈指の名作RPGだった『MOTHER』の独自性を完全に受け継ぎながらも、オーソドックスだった戦闘システムは一風変わった緊迫感のある戦闘システムへ洗練され、魅力的な世界観はより広く深く掘り下げられている。
良さを壊さずに面白さを追求した結果、続編ともリメイクとも言える、前作を超えた素晴らしい作品に昇華することになった。
要所要所で発揮される台詞回しや愛すべき数々のモブキャラのなど、糸井節の真骨頂は今作でも健在。
BGMも素晴らしく、各シーンでの感動をひと回りもふた回りも増幅させる。
前作に引き続き「音楽を大切にする」というコンセプトもしっかりと継承されているとこなど製作者の作品に対する愛を感じる。
アメリカンながらどこかノスタルジックな懐かしさを感じる唯一無二のRPG。
世代を超えて様々な方に遊んで欲しい作品。
まさに「大人も子供も、おねーさんも。」である。
今回は現在でも語り継がれるSFCRPG最高峰『MOTHER2 ギーグの逆襲』の紹介でした!
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