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【ダブルキャスト】みるドラマから、やるドラマへ──。ラブコメの皮を被った狂気のサイコサスペンス!【PS・SCE・レビュー】

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1998年6月25日にPS用ソフトとしてソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたアドベンチャーゲーム。

キャッチコピーは「みるドラマから、やるドラマへ。」

フルボイス、フルアニメーションで展開されるADVである。

のちにシリーズ化される『やるドラ』の記念すべき第一弾。

 

『ダブルキャスト』とは

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『やるドラ』シリーズの第1作目。ゲーム中の季節は「夏」。

各種ホラー映画の要素を含んだストーリーや、凄惨なバッドエンドなどが特徴であり、

グロテスクな表現も見られる。

タイトルの『ダブルキャスト』とは「二人一役」という意味であり、ヒロインの赤坂志穂が二重人格者であることにちなむ。

 

あらすじ

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大学の映画研究部に所属したばかりの主人公は、ある夏の夜、赤坂美月という少女と出会う。
自分の名前以外の記憶を全て無くしていた美月はそれが甦るまで主人公と同居することになり、映研は自主制作の映画の主演女優として美月を誘うことになった。

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しかし、その映画のシナリオ「かこひめの寝屋」は、かつて映研が撮影中に死者が出たことで何年もの間封印されていたという、曰く付きのものだった。


ダブルキャスト - 予告編1

 

最初は騙される

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筆者がそうだったのだが、なんの前情報もなくゲームをスタートさせると最初は完全に騙される。

ホラー要素を多分に含むサスペンスアドベンチャーである事を微塵も感じさせない序盤の展開。

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独り暮らしの大学生である主人公がひょんなことから記憶を無くした18歳くらいの美少女、赤坂美月と出逢う。

そして2人は成り行きで同居生活を始めるという、恋愛ドラマさながらのストーリー。

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実際に筆者はデレデレしながらゲームを楽しんでいた…。

その後待ち受ける戦慄の物語などまったく知らずに…。

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ヒロインの美月が超可愛い!

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 美月はとにかく可愛らしく、スタイルも良く、お転婆な性格で一人称は『ボク』のボクっ娘(笑)。

なんだか最近のラノベのような設定である。

主人公との同居中の家事全般もそつ無くこなせる才色兼備。

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「赤坂美月」という名前以外の記憶が失せており、素性なども一切謎に包まれているが、普段は至って明るく振る舞っている。

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こんな子が彼女だったらなぁと溜息が出てしまうほど魅力的なヒロインだ。

反対に容姿や性格は至って平凡、女性にはやや奥手という設定の主人公は美月にグイグイ引っ張られ、振り回されながらもだんだん惹かれていく。

 

ドキドキわくわく?楽しい同棲生活

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 大学の友人たちとも打ち解け、楽しい同居生活を送る。
イケメン同級生に美月が気があるんじゃないかとヤキモチ焼いたり、逆に自分が他の女友達に言い寄られたりまさに青春ラブストーリー。 

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 海で疲れて寝てしまった美月を見ながらニヤける主人公。

本当に幸せな大学生活を過ごす物語の前半。

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ところどころに少し不安になるような謎な描写もあるが、美月の笑顔がそんな不安は掻き消してくれた。

こんな生活がずっと続くと思っていたのだが…。

 

驚愕のサスペンスへとの展開

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物語は中盤から想像を絶する恐怖の展開を迎える。

あの可愛かった美月が?

まさか映研の仲間たちが!? 

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選択肢を誤ると、自分はおろか美月の人生までもが狂ってゆく。

それどころか最悪「死」すらその影をチラつかせる。

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前半のラブコメな雰囲気は全く姿を消し、驚愕のサスペンスホラーへと加速するクライマックス!

正直かなり驚かされた。
実はここまでのラブラブな展開の中にも不穏な布石はちらほらあった。

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ちゃんとストーリーの伏線を追える賢いプレイヤーならばきっとその布石に気づける筈。

鼻の下を伸ばして全く気付かないで美月にデレてる、筆者ようなスケベプレイヤーは十中八九面食らう事になるので要注意だ(笑)。

 

キャラデザ&BGM

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本作のキャラクターデザインは『機動戦艦ナデシコ』で有名な後藤圭二であり、その魅力的なキャラクターたちがフルボイスでアニメーションするのだから嫌でも感情移入してしまう。

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加えてBGMは『魔法少女まどか☆マギカ』でお馴染みの梶浦由記。

ストーリーを盛り上げるBGMはどの曲も流石としか言いようのない素晴らしいものばかりである。

エンディングテーマである『door』も名曲。


ダブルキャスト_door

 

『やるドラ』シリーズ

1996年6月『ダブルキャスト』

1998年7月『季節を抱きしめて』

1998年10月『サンパギータ』

1998年11月『雪割りの花』

本作『ダブルキャスト』を皮切りに『やるドラ』シリーズは順次発売されていった。

PlayStationソフトとして発売された初期4作は「一人暮らしの大学生である主人公が、記憶喪失のヒロインと出会うストーリー」で統一され、各作品が四季に対応している。

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 また『ダブルキャスト』を除き、その季節の花がシナリオの重要な要素となっている。

これは、当初『フォーシーズンズメモリー』という1本のソフトとして開発されていたものを、内容量が増え過ぎたので4本に分割したためである。

 

最後に

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サスペンス調のアニメを見る感覚で楽しめる良作。
エンディングは20種類以上あり、その殆どがバッドエンドだ。

しかし2~3回バッドエンドを経験すると選択肢でヒントが出るようになり、ハッピーエンドに辿り着きやすくなる親切設計となっている。

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現在はやるドラポータブル版としてフルリメイク版がPSP用ソフトとして発売されているので、今プレイするならこちらの方が現実的か…?

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梶浦由記のBGMはかなりクオリティであり、サウンドトラックはゲームミュージックファンとしてお薦めの1本となっている。

洗練されたシナリオと演出で多くのADVファンに認められたタイトル。

機会があれば一度プレイしてみては如何だろうか?

 

今回はラブコメの皮を被った狂気のサイコサスペンス『ダブルキャスト』の紹介でした。

 

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