日本におけるインターネット普及率が70%を超え、ゲームとオンラインがひとつとなった2000年中期。
ゲーム機が日本に登場した初期の頃に乱立したハードメーカーも、時代の流れで少しずつ淘汰され、この頃になると主にソニー・任天堂・マイクロソフトの大手3社がシェアの9割以上を占めるようになっていた。
ハードメーカーの減少に反比例しゲーム市場は拡大しており、日本国内におけるゲーム市場規模は8,000億円に達していた。(ちなみに2018年現在は1兆5,686億円と膨れ上がっている)
オンラインゲーム黎明期における日本国内のシェア争いはソニーと任天堂が互角の戦いを繰り広げたが、2012年に任天堂が『Wii U』を発売したのを皮切りに3社とも次々と次世代機を投入する。
オンラインゲーム全盛期における苛烈なゲームハードシェア争いの勃発である。
これまでの歴史
黎明期編~戦国時代編(1979年~1983年)
絶対王政編~レジスタンス編(1984年~1990年)
文明開化編~第一次次世代大戦編(1991年~1997年)
第二次次世代機大戦編(1998年~2004年)
ネットゲーム時代の幕開け編(2005年~2011年)
据え置き型ゲームの歴史(その陸)
そして僕らは永遠に…編(2012年~2018年)
今回紹介するゲームハードは『Wii U』を除いて全て現行機である。(2018年現在)
とうとう40年前に始まった日本国内におけるソフト交換式据え置き型ゲーム機の歴史の記録も最終章となる。
PCゲームでは1997年頃から徐々に人口が増えてきたネットゲームだが、家庭用ゲームシステムとして本格的に普及したのは2005年前後からだった。
オンラインで繋がりリアルタイムで複数人同時プレイや、ネットでゲームのダウンロード、アップデート。思い描いてた未来がそこにはあった。
そしてネットとの融合が当たり前になり、更なる技術とアイディアが投入され、僕らゲーマーを歓喜させる!
Wii U
メーカー:任天堂
発売日:2012年11月
定価:26,500円(税込)
販売台数:国内330万台/世界1,356万台
発売直後は好調に売れていたが、2013年は新作ソフトが他機種に比べて著しく少ないこともあって苦戦 する。
しかし2014年に入り「マリオカート8」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」、2015年には「スプラトゥーン」とスマッシュヒットを連発し任天堂を4期ぶりの黒字転換に導いた。
しかし販売台数では2年後に発売される『PlayStation 4』に敵わず『Wii』で取り戻したシェアを再び明け渡すこととなってしまう。
PlayStation 4
メーカー:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
発売日:2014年2月
定価:41,979円(税込)
販売台数:国内702万台/世界8,610万台(2018年現在)
『PS3』の後継機。前世代機用のソフトウェアの互換性を備えていない。2016年にはスリムな機体に4K解像度などに対応した『PlayStation 4 Pro』を発売した。
本機は新たに「シェア」機能を搭載している。ゲーム内容は常時録画され、コントローラに新たに設けられた「SHAREボタン」を押すことによって現在進行中のゲーム動画をインターネット上に配信すること(実況プレイ)や、録画されたゲーム動画やスクリーンショットを切り出して共有できるようになっている。
プレイ画像をTwitterにアップしたり、実況プレイをYouTubeなどにあげることが、本機のみで簡単に出来るようになりゲームの新たな楽しみ方を生み出し、さらにはゲーム業界の更なる市場拡大へ大きく貢献した。
Xbox One
メーカー:マイクロソフト
発売日:2014年9月
定価:29,980円(税込)
販売台数:国内9万台/世界3,648万台(2018年現在)
マイクロソフトが日本市場に投入する3機目。
過去2機は日本市場にて成功と呼べる実績を残せなかったので何としても今回は販売台数を伸ばしたかったマイクロソフトであったが、初週は3万台にも満たない販売実績であった。
結局2018年現在でも日本国内販売は10万台に届かず、残念ながら過去最低の実績となってしまった。
しかし全世界では3,600万台と『Wii U』よりも売り上げている。
PlayStation VR
メーカー:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
発売日:2016年10月
定価:44,980円(税抜)
販売台数:世界300万台(2018年現在)
『PS4』用周辺機器。「バーチャルリアリティシステム」。略称は『PSVR』。
提供コンテンツ数は340本で、累計2190万本が利用された。
発売当初は「VR元年」などと騒がれ、ゲーム業界の話題を独占した。
実際にゲームの世界に入り込み、360度を見回せるシステムは衝撃的であり、ゲーマーたちはゲームの未来に胸を躍らせた。
現に「バイオハザード7」や「スカイリムVR」などは完全にVR世界を完成させており、実際にプレイすると言葉では表せないほどの感動を味わうことができた。
しかし莫大なソフト開発費がかかることからサードパーティが参入を足踏みしたためのコンテンツ不足、ディスプレイ解像度の低さ、三半規管への影響によるゲーム酔いなどまだまだ問題は山積みで、現在はほぼ話題にも上らなくなってしまっている。
しかし未来のゲームは間違いなくVR発展の先にあると思われるので、ぜひ技術開発を重ねより素晴らしいVR体験を期待したいものである。
Nintenddo Switch
メーカー:任天堂
発売日:2017年3月
定価:29,980円(税別)
販売台数:国内552万台/世界2,286万台
据え置き機の位置づけだが、携帯機としても扱える2スタイルでの運用を特徴とする「ハイブリットゲーム機」。
触感を再現するHD振動、物の形や距離を読み取るモーションIRカメラなどが搭載されている。
発売直後から世界中で爆発的な売り上げを記録し、発売から1年経った時点でも品切れで購入できない者があとを絶たなかった。
「ゼルダの伝説 Breath of the Wild」「スプラトゥーン2」「スーパーマリオ オデッセイ」など次々とスマッシュヒットを飛ばし、2018年度のソフト売り上げはついに『PS4』を抜いた。
これからも胸いっぱいのワクワクを!
Switchのヒットで任天堂が再び覇権を握るのか?
しかし先日海外メディアのウォール・ストリートジャーナルが『PS5』の存在を暴露!
発売は2020年を目指しているとの噂が飛び交ってます。
これからもゲームハード業界から目を離せません。
6回にわたって連載してきた「日本国内における家庭用ゲーム機の歴史」でしたが、今回で最終章になります。
日進月歩で進歩する技術はこれからもゲームを進化させ、新しい歴史を紡いでいくでしょう。
新たな体験に胸を踊らせたり、昔遊んだゲームを思い出して懐かしんだり、そんな感動をくれるゲームは本当に素晴らしいエンターテインメントだと思います。
初めてファミコンのコントローラーを握ったあのワクワク感は35年経った今でも色褪せません。
これからもきっと僕らの想像をはるかに超える"楽しさ"をゲームは与えてくれることでしょう。
全6回という長い記事になりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
据え置き型ゲームハード歴代売上ランキングベスト20
【2018年12月現在】
1位:PlayStation 2【ソニー】2000年 1億5,768万台
2位:PlayStation【ソニー】1994年 1億240万台
3位:Wii【任天堂】2006年 1億163万台万台
4位:PlayStation 3【ソニー】2006年 8690万台
5位:PlayStation 4【ソニー】2014年 8610万台
6位:Xbox 360【マイクロソフト】2005年 8580万台
7位:ファミリーコンピュータ【任天堂】1983年 6191万台
8位:スーパーファミコン【任天堂】1990年 4910万台
9位:メガドライブ【セガ】1988年 3075万台
10位:Xbox One【マイクロソフト】2014年 3648万台
11位:NINTENDO64【任天堂】1996年 3293万台
12位:Atari2600【アタリ】1979年 3000万台
13位:Xbox【マイクロソフト】2002年 2400万台
14位:Nintendo Switch【任天堂】2017年 2286万台
15位:GAME CUBE【任天堂】2000年 2174万台
16位:Wii U【任天堂】2012年 1356万台
17位:PCエンジン【NEC】1987年 1000万台
18位:SEGA SATURN【セガ】1994年 926万台
19位:Dreamcast【セガ】1988年 913万台
20位:Atari7800【アタリ】1984年 377万台
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