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【特集記事】あの時、その場所には、もう一つの人生、もう一人の自分が間違いなく存在してた──。幾人もの廃人を産んだMMORPGの始祖であり金字塔Ultima Onlineの紹介!【UO・EA・飛鳥・PK】

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『Ultima Online(ウルティマオンライン)』は日本国内では1997年7月24日にEAより発売された世界初のMMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)。

天才プロデューサー リチャード・ギャリオットにより開発・運営されたネットワークRPGの始祖である 。

通称『UO』として何万人と言うゲーマーに愛され続けた。

時の流れによりだんだん人口は減ってきていたが2018年の月額利用料金の無料化に伴い再ダウンロードする復帰者が増えており、また徐々に活気を取り戻しつつある。

 

Ultima Onlineとは

今では珍しい月額課金制のシステムで、20年経った現在でも(流石にかなりプレイヤーは減ったが)稼働中である。

そもそも20年間継続しているオンラインゲームは数える程しかなく、現在稼働している事自体が奇跡に近い。

それほどファンが多く、その歴史の分だけの数々の冒険譚を産んできたNo.1オンラインゲームである。

 

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今でこそ当たり前のオンラインゲームであるが、当時はオフラインゲームしかなかった。

そんな時代に突如として現れた本作はかつて無い衝撃と感動を生み、多くのゲーマーを熱狂の渦に巻き込んだ。
RPGの中の世界にいるたくさんのキャラクターが、現実世界のどこかで実際に生きているプレイヤーが操作しているなどとは、理屈で理解してても実際に体感するとは大違いであり、言葉では言い表せない感情を生んだ。
そこには想像を遥かに超える壮大な世界があったのだ。

 

Zel、ブリタニアに降り立つ

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筆者は2003年6月に初めてのオンラインゲームとして、飛鳥サーバーにキャラを作る事にした。
誕生したばかりのGrifis(最初のキャラ名)は、始まりの街Havenに降り立った。
見るものすべてが新鮮であった。
街を行き交う沢山の人々とけたたましい行商の声、Guild勧誘の声、中には街の外でモンスターに殺され裸で助けを求める人もいる。
長年ゲームをやっててあの時ほどわくわくした事は無いかも知れない。

 

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右も左も解らないまま他のプレイヤーが捨てたゴミ装備を広い、さっそく街の外に冒険へ出る勇敢な戦士Grifis!(本当は周りの人に話しかけたかったけど、恥ずかしくて話しかける勇気が出ず、取りあえず静かな場所に行きたくて街の外に出たw)

どう見ても弱そうな雑魚モンスに戦いを挑むも、無残にも返り討ちに遭うよわよわ初心者Grifis(笑)

幽霊になって途方に暮れていると、1人の魔法使いが通りかかり魔法で蘇生してくれた。

蘇生と共に「ヤング(初心者)かい?」と話しかけてくれた旅の魔法使いは、そのままGrifisを護衛しながら安全な場所まで送ってくれた。

街まで歩きがてら、この親切な魔法使いから色々冒険のアドバイスを受けた。

「あぁ…本当にこの世界のどこかで存在してる人と一緒の世界でゲームをしてるんだなぁ…」と初めてオンゲーならではの人の優しさに触れて感動したものだ。

 

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それからと言うモノ筆者はUOにどっぷりとハマる。

Guildにも入隊して狩りの基本や魔法などを先輩に教わる。

少し慣れてきて、初キャラのGrifisは何も解らず適当にスキルを上げたので、スキル構成が非効率である事が解る。

それではと一からキャラクターを作り直す事にする(この世界では5人までキャラクターを持てる)。

そして生まれたキャラがZelである。

あれから14年経った現在でも、ゲームをする時のキャラ名とNetでのHNはZelだ。

 

土地とマイホーム

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この世界では空き地にマイホームを建てる事が出来る。
最少7マス×7マスから最大18マス×18マスの空き地を確保して、自分で建築設計して最大3階建て+屋上の家を好きなように建てられるのだ。 

しかし大人気のMMORPGなので、如何せんプレイヤーが多すぎる為、土地が需要に追い付かず常に土地不足だった。
なので空き地確保を生業とするプレイヤーが存在し、想像を絶するゲーム内通貨価格で売買されていた。
広ければ広いほど、環境が良ければ(静かな土地やモンスターが沸かない土地、近所にPK(プレイヤーキラー)が住んでない土地など)はより高価で売れた。
まさに現実の不動産だ。
EAはRMT(リアルマネートレード)を禁じていたが、実際にはヤフオクなどで一番小さな土地でもRM10万円などで取引もされていた。

 

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筆者も毎晩仲間と共にお宝が眠るダンジョンに狩りに行き、マイホームを手に入れる時を夢見て頑張ってお金を貯めたものだ。

 

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そしてゲーム開始から1年後小さいながらも念願の我が家を持てた時は、本当に感動したなぁ…
最終的には18×18の最大の土地を静かな湖畔の一等地にGetして大豪邸に住んでた。

 

PKギルド(快楽殺人集団)

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ところでこの世界にはPKと呼ばれる、プレイヤーを襲い、殺害して身ぐるみを剥ぐ殺人プレイヤーもいる。

通常キャラ名は青色(通称青ネーム)で表示されるところ、5回以上プレイヤーを殺すと名前の色が赤くなり(通称赤ネーム)、周りから「こいつは殺人鬼だ」と避けられ始める。

自業自得であるがMMOで他のプレイヤーとの交流が取れないのは寂しい。

その為赤ネーム同志で仲間になりGuildを作る事が多い。

PK Guildの誕生である。

徒党を組みダンジョンなどで通常のプレイヤーを一方的に惨殺して、アイテムやお金を奪う行為を毎日のように行う。

当時はネットモラルも低く、このゲームの運営陣が割となんでもありなタイプであり、殺した相手に「雑魚wwwwwwっうぇw」などの暴言を吐く行為は当たり前であった。

宗教上の暴言や人種差別発言はBAN対象であったがそれ以外は何でもアリだった(現在は知りません)

「殺すぞ雑魚wwwwwww」もゲーム上でのRPとして何の御咎めもなし。

筆者も何度もPKに殺され、PKを心底忌み嫌っていた…はずだった…。

しかしUOを開始して1年経つ頃には、Zelは真っ赤な名前の生粋のPKになってしまっていた。

殺人カウント(殺した数)は1000を超えていた。

 

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切っ掛けはダンジョンで友達と狩りをしているところを邪魔されて、更に暴言を浴びせかけてきた(青ネーム)プレイヤーを我慢できず殺した事だったが、そんな事はどうでもよかった。
Player Killerは蜜の味だった…もはやこの甘い誘惑からは逃げられなかった…
それからと言うもの、快楽殺人の味に溺れてしまったZelは、連日連夜狂ったようにダンジョンや街から離れた僻地で、狩り人や旅人を襲い殺す盗賊Playに明け暮れた。
PK Guildも結成して、青ネームだけでは無く時には他のPK Guildと戦争になり、血で血を洗う争いも繰り広げた。
PK Guildのメンバーは皆PKなだけに粗暴で短気な者が多かったが、仲間意識が高くRPを心から楽しんでる奴らばかりで本当に毎日が楽しかった。

 

信頼できる仲間たち

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同じPK Guildの仲間と2人で旅人を襲っていると、敵PK Guildの大部隊と遭遇してしまい、ヒィヒィ言いながら逃げたり
「おい!Zel!俺がここでこいつらを食い止めてる内にお前だけでも逃げろ!」
「馬鹿野郎!お前だけ残して逃げられるかよ!死ぬ時は一緒だぜ!」
などとIRC(文字チャット)で話しながら10人ぐらいの敵に2人で挑むも、当然惨殺され荷物も全部奪われ裸で笑いながら家路まで帰った思い出も宝物だ。 

 

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我がGuildでPKイベントを開き同盟Guildの連中と30名以上で徒党を組み、一晩中ブリタニア全土で殺戮を繰り返した事もあった。
一晩で100人以上のプレイヤーを殺し、とんでもない額の財宝を手に入れた事もあった。
たかがゲームなのに本気で仲間と笑いあい、本気で悩み、本気で怒り狂い、時には別れに泣いて、心の底から歓喜する事もあった…
あの時代のブリタニアには確かにもう一つの世界、もう一つの人生が存在していた…
自由度が非常に高く、秀逸なゲームであったが、これ程までにのめり込めたのは、やはりこの時代だったからだろう。

 

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個人情報保護法も無くネットはまさに無秩序、そんな時代にネトゲで遊ぼうと思うある意味命知らずなゲーマーたちが皆UOに集まってきていた。
UO以外には数えるほどしかネトゲは無く、その中で一番歴史が古く、人が多かったのがUOだからだ。

たくさんのプレイヤーたち、まるでその喧騒が聴こえてきそうな活気に溢れる街並み、あれは15年前だからこそ実現した奇跡の世界だったんだ。

今でも一緒にUOをやってたリア友と酒を呑む時は

「あの時代の無法地帯だけど活気に溢れる世界に舞い戻る事は不可能なんだね…」

「だけどクソ楽しかったな」

「あの世界を経験できた俺たちは幸せだったな」

などと必ず話題に上る(笑)

 

廃人レベルにハマった最高のゲーム体験

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そうそう、当時は毎晩睡眠時間3時間くらいに減らしUOをやっていた。

まさに廃人だ。

今でこそネトゲとの付き合い方も解っているつもりだが、当時はその面白さに呑みこまれ実生活に影響が出るほどだった。

当時のUOのチラシがまさにそのネトゲ依存を現しているかのうようなデザインだった。

最終的に2008年まで約5年間に渡り遊び続けたUO。

後にも先にも一つのゲームを休止期間なしで、これ程やり続ける事は恐らくないと思う。
ブリタニアで知り合った人たちは敵味方合わせ100人以上居た。

今でも連絡を取り合ってたり、たまに呑んだりするリアル付き合いになってる人も僅かながら居る。

皆もう会社では責任あるポジションに着いて、子供もいる良いおっさんやお母さんになっている。

もうあれから9年ほど経つが、噂ではほとんど人がいない過疎化状態らしい。

MMO界の始祖であり金字塔のUOもそろそろサービス終了も近いだろう。

寂しいけどこれが時代の流れ、仕方が無い事だ。

筆者はUO稼働最後の1ヶ月間は、復帰してブリタニアで過ごそうと決めている。

同じように考えている引退者は沢山居ると思う。

 

☆☆☆☆☆My Character☆☆☆☆☆

Zel 魔導師 【PK】

Grifis 戦士【狩り】

Lina テイマー【獣医】

Feena 裁縫師 【商人】

Zel MarkⅡ 戦士【PK】

 

☆☆☆☆☆歴代所属Guild☆☆☆☆☆

【Normal】Crazy Family【C/F】 Master:Casyu

【Normal】Dragon Rize【D*R】 Master:Cervandis

【PKK】Friend【:F:】 Master:kouki

【PK】Arrogance ask for Soul【AS】 Master:Rai

【PK】virtual insanity of vampirism【2v】 master:Illu

【PK】sokuseki PK【10$】 master:Zel

Ultima Onlineで出逢った全ての人々に…THX!

今回は『Ultima Online』の紹介でした。

 

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