『ドラゴンボール 神龍の謎』は1986年11月27日にファミリーコンピュータ用ソフトとしてバンダイから発売されたアクションゲーム。
のちに様々なハードで移植版が発売された。
『ニンテンドークラシックミニ 週刊少年ジャンプ50周年バージョン』収録作品のひとつでもある。
『ドラゴンボール 神龍の謎』とは
もはや"知らない人は居ない” と言っても過言でない鳥山明原作の超人気漫画である『ドラゴンボール』。
ファミコンだけで7本もゲーム化されており、その後様々なゲーム機でもリリースされ、2013年には「世界で最もビデオゲーム化されたコミック」としてギネス世界記録に認定されている。
『ドラゴンボール 神龍の謎』はそんな『ドラゴンボール』の記念すべきファミコンにおける初のゲーム化タイトルである。
残念ながらコンピュータゲームとしては2番目に発売されたソフトであり、コンピュータゲーム初のゲーム化は、本作の2ヶ月前にスーパーカセットビジョン用ソフトとしてエポック社から発売された『ドラゴンボール ドラゴン大秘境』。
ちなみにこちらはシューティングゲームであった。
『ドラゴンボール 神龍の謎』は主人公である孫悟空を操作し、ドラゴンボールを7つ集めると現れる「神龍(シェンロン)」が叶えてくれるという願い事の謎に迫るアクションゲームであり亀仙人、ブルマ、ウーロン、ヤムチャなど原作準拠のキャラクターも登場する。
販売本数は125万本であり、これはファミコンソフト全1252本の中でも28位の歴代記録である。
ゲームシステム
メイン画面はトップビュー方式のアクションゲームとなっており、敵キャラクターを倒しながらステージを進んでいく流れ。
またサイドビュー方式の謎解き部屋では、謎を解き明かしアイテムを手に入れることができる。
悟空の攻撃方法はパンチが基本となるが、特定のアイテムを手に入れることで如意棒やかめはめ波などの強力な攻撃も可能になる。
画面左上に“POW”ゲージが表示されており、こちらがライフとなっている。
ライフが0になるとゲームーオーバー。
ステージの最終にはボスが待ち構えている。
どのステージのボスもかなり強く、初見ではまず殺される。
ヤムチャなどは原作において中盤以降“噛ませ犬”的な立ち位置のキャラの癖に、本作では狼牙風風拳を駆使する強敵であり悟空より遥かに強い(笑)。
ストーリーは三部構成であり全14ステージとなっている。
第一部はドラゴンボールを求めて旅をする「孫悟空と仲間たち」。
第二部は天下一武闘会を題材にした「カンフー大会」。
第三部はオリジナル要素の強い謎のMB軍団との戦いを描く「MB軍団総攻撃」。
14ステージをクリアするとエンディング。
明らかにおかしいゲームバランス
ライフは敵からの攻撃を受けると減るのは当然であるが、時間経過でも減ってゆく。
原作に倣って悟空はお腹が空くとパワーが出ないという設定であるが、結構な速さで“POW”が減ってゆくので、敵を倒すと落とす“ホイポイカプセル”の中に入っている、骨付き肉やケーキを食べて回復させながらゲームを進めなければならない。
この空腹仕様が本作を鬼畜難易度へと押し上げている。
悟空は食べ続けないとすぐに空腹に見舞われる設定なのにも拘らず、ホイポイカプセルの中にはPOW回復アイテム(食べ物)以外にも如意棒や得点UPアイテムやギャルのパンティーなど7種類のアイテムがランダムに入っている為、敵を倒しても必ずしもPOWを回復できる訳ではない。
その為、敵が食べ物を落としてくれなければどれだけ頑張っても確実にゲームオーバーになるという完全な運ゲー仕様となっている(笑)。
こんなに頻繁に主人公が餓死するファミコンゲームは本作と『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』(バンダイ:1985年)くらいしか筆者は思いつかない(笑)。
最後に
当時人気絶頂であった『ドラゴンボール』のファミコンゲーム化ということで大ヒットした本作。
しかし前述した様に難易度が鬼畜レベルであった為、全面クリアできたファミっ子は少ない。
さらにグラフィックもあまり綺麗ではなく、空腹仕様が運ゲーすぎる事もあり、現在でもドラゴンボールのゲーム化作品の中ではWorst1位という声も多い(笑)。
本作の反省を生かしたのかは不明であるが、2年後の1988年に同じくバンダイから発売されたドラゴンボールのファミコンソフト第2弾『ドラゴンボール 大魔王復活』では大きく仕様を変え、カードバトルを取り込んだアドベンチャーゲームに生まれ変わっている。
こちらはかつてない新感覚アドベンチャーゲームとなっており、本作とは打って変わって好評であった。
ステージ6とステージ14をクリアすると神龍が現れ、実際に複数ある願い事からプレイヤーが好きなものを選択して叶えてもらえる仕様は面白かった。
どれも面白そうな願い事であり、どれを選ぶべきか非常に悩ましい。
もう一度最初からプレイして神龍の願い事イベントまで進めるのはかなりの徒労なので、プレイヤーは頭を抱えた(笑)。
しかし実際はどの願い事もネタ的な要素が強く、期待していると肩透かしを喰らうものが多い(笑)。
ゲームバランスが鬼畜である為、クソゲー寄りな評価となってしまった本作。
しかし125万本という販売本数は数ある週刊少年ジャンプ原作ファミコンゲーム中でも第1位の記録である。
これは「出せば売れた」と言われる当時のファミコン人気と、日本が世界に誇る漫画『ドラゴンボール』の人気が相まってこその偉業と言える結果であろう(笑)。
今回はファミコン初のドラゴンボールゲーム化タイトル『ドラゴンボール 神龍の謎』の紹介でした!
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