『ファイナルファンタジーⅥ』は1994年4月2日にスーパーファミコン用ソフトとしてスクウェアより発売されたロールプレイングゲーム。
1999年にはPSに、2006年11月にはGBAにそれぞれ移植されている。
他にもバーチャルコンソール・ゲームアーカイブス・Steamなどで配信されている。
『ファイナルファンタジーⅥ』とは
『ファイナルファンタジーⅥ』(以降FF6)はスクウェアの看板RPG『FFシリーズ』のナンバリングタイトル第6作目。
キャッチコピーは「近づく、予感。」
SFCで発売された最後のナンバリングタイトルとなる作品。
スタッフはプロデューサーに坂口博信、音楽担当は植松伸夫、美術担当は天野喜孝が務めている。
販売本数は255万本であり、これはSFCソフト全1448本の中でも7位の歴代記録である。
SFCで発売された3本の『FFシリーズ』の中でも1番売れたタイトルとなった。
ストーリー
魔大戦。
全てを焼き尽くしたその戦いが終わったとき、世界から、「魔法」という力が消え去った。
そして1000年──。
鉄、火薬、蒸気機関。人々は機械の力を使い、世界を蘇らせた。
今またここに、伝説となった「魔法」の力を復活させその強大な武力によって世界を支配しようとする者がいる…。
人々はまたその過ちを繰り返そうとしているのか…。
グラフィック
本作ではグラフィックが一新されており、前作以上に綺麗なグラフィックが話題となった。
スクウェアの十八番芸である“ドット絵技術”の極みと言える美しさであり、モンスターのグラフィックなどはそれが如実に表れている。
天野喜孝のイラストをドット化したメニュー画面のキャラクターアイコンのクオリティーはもはや芸術の領域である。
前作から導入されたキャラの感情表現のパターンも表情からリアクションまでより多彩に、細かく演出される様になり、見ていてとてもに楽しめる。
世界観
本作を名作とする理由のひとつに練り込まれたその世界観が挙げられるであろう。
それまでの『FFシリーズ』とはガラリと変わった近代的な機械文明の世界となっている。
本作の舞台となる世界では産業革命により発展した機械技術により、城は独自の防衛システムを築き、交通では蒸気機関車が活躍している。
このスチームパンク風な機械文明に一線を画す、魔法と機械を融合させた現代的な文明を創り出しているのが敵対国であるガストラ帝国。
ガストラ帝国は失われたはずの魔法を機械の力により復活させた力を「魔導」と呼び、これを魔導アーマーといった軍事兵器や、魔導の力を有する兵士の育成に活用しており、魔導の力で増強された軍事力を背景に世界侵略を進めている。
シリーズ過去作に倣い、あくまで中世ファンタジー寄りの文明観の上に成立した世界観となっているが、機械要素の占める重要性や『FFシリーズ』の象徴とも言えるクリスタルの完全なる排除など、のちの『FF7』の世界観へと通ずるものが多々ある。
最後に
再度シナリオを重視した内容となった『FF6』。
ここまでの展開を見ると『FF1・3・5』は育成重視型、『FF2・4・6』はシナリオ重視型だと考察したプレイヤーは筆者だけでは無いはず(笑)。
シナリオ重視型というだけあってストーリーはシリーズでも1、2を争う人気となっている。
世界を侵略せんとする「ガストラ帝国」とそれに抵抗する主人公たちが所属する反乱軍「リターナー」との対立を基本に物語は展開していく。
本作でパーティーメンバーになる人数は14人と非常に多く、このメンバーが物語の展開によって次々と入れ替わっていき、最初から最後までパーティー内に残っている者はいない。
14人全員が力を合わせ帝国を倒すという群像的な作劇となっており、スクウェアの公式見解的には「メインプレイヤーキャラクター14名全員が主人公」とされている。
14人それぞれにテーマ曲が用意されており、更にそれらの曲のアレンジバージョンがメドレーで流れるクライマックスの演出は鳥肌もの。
これほどまで拘ったシナリオであるのにも関わらず、物語の後半は世界中を好きな順に周り大量のサブイベントをプレイヤーの任意でこなせるようになっているのは大きな特徴だ。
シナリオ重視型のRPGは自由度が低くなるというセオリーを見事に打ち破った傑作と言えよう。
SFCでリリースされた3本の『FFナンバリングタイトル』の中では1番高額である11,400円という強気な価格(FF4=8,800円 FF5=9,800円)でありながらも、255万本という最高販売本数を売り上げたことも納得のタイトルである。
今回は14人の主人公が織りなす壮大な冒険譚『ファイナルファンタジーⅥ』の紹介でした!
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