『YsⅣ The Dawn of Ys(イース4 ザドーンオブイース)』は1993年12月22日にハドソンよりPCエンジンCD-ROM²用ソフトとして発売されたアクションロールプレイングゲーム。
日本ファルコムのARPGシリーズである『イースシリーズ』の第4作目に当たり、ファルコムの原案を元にハドソンが開発した『イースⅣ』のオリジナル作品の1つである。
本作以外にも同時期に同原案からライセンシーの元で開発された『イースIV』としてはトンキンハウスによるSFC用ソフト『イースⅣ MASK OF THE SUN』(1993)がある。
イースシリーズ
『イースシリーズ』とは冒険家アドル=クリスティンを主人公としたARPGシリーズである。
2019年5月現在でナンバリングタイトルは8作、その他にもたくさんのリメイクや派生タイトルも発売されており、シリーズの累計売上は2017年時点で480万本に達している。
30年以上に渡って続くファルコムの看板作品となっているタイトルである。
当時マニア指向の強かった“アクションRPG”をゲームの代表的ジャンルへと一気に飛躍させ、後のアクションRPGブームの先駆けともなった。
YsⅣ The Dawn of Ys
1993年にファルコムの原案を基にハドソンによりSUPER CD-ROM²の目玉ソフトとして開発・発売されたタイトル。
制作にあたりファルコムとハドソンは密に連絡を取り合いながらの開発ではあったが、ファルコムはゲーム制作自体には関わってない。
ストーリーとしては『イースⅠ・Ⅱ』の直後から始まる物語である。
そのためシリーズの時系列としては『イースⅠ・Ⅱ』→『イースⅣ』→『イースⅢ』の順となっている。
PCE版『イースⅠ・Ⅱ』の正式な続編として制作されたことだけのことはあり、旧作ファンには涙モノのギミックがあちこちに散りばめられている。
グラフィック
SUPER CD-ROM²の性能を遺憾無く発揮しており、オープニングなどのビジュアルシーンはOVAと比べても遜色はなくゲーム技術の進歩を感じさせた。
また、ゲーム中のフェイスアップによる会話シーンのグラフィック及び声優を起用した演出はこの時代の最高峰と言えるクオリティを誇っていた。
BGM
BGMの作曲はファルコムのサウンドチームであるが、編曲は『イースⅠ・Ⅱ』同様「米光亮」が行なっている。
今回も非常に素晴らしいアレンジとなっており好評を得た。
ハード性能を活かしたサウンドは、時代の一歩先を行ったハイクオリティな音質と合間って至高のBGM実現させた。
戦闘システム
PCE版の『イースⅠ・Ⅱ』の続編として制作された本作は、基本的にそのシステムを踏襲している。
クォータービューのゲーム画面で戦闘は伝統の“半ずらし”を駆使した“体当たり”を中心に行う。
前作から進化して斜め方向への移動が可能となっている。
基本はひとり旅であるが、一部では仲間と共に行動する場面があり、その際はパーティープレイとなり仲間も戦闘に参加してくれるがあまり役には立たない。
体当たり以外でのの攻撃手段としては『イースⅡ』でお馴染みの魔法でダメージを与えることができる。
登場する魔法の種類は概ね『イースⅡ』 から引き継がれているが、タイムストップの魔法のみフリーズの魔法に差し替えられている。
最後に
CD-ROM²版『イースⅠ・Ⅱ』の続編として正統なタイトルである本作は、次世代機であったSUPER CD-ROM²による演出面もあり旧作のファンも納得の内容となっている。
特に前作の舞台であったエステリアやイースなど国やフィーナやレアなどのキャラクターが登場することにより感情が高まるプレイヤーは筆者だけではないだろう。
個人的にではあるが、1993年にSFC版として発売された『イースⅣ MASK OF THE SUN』や2012年に本家ファルコムより完全新作として発売された『イース セルセタの樹海』よりも好きな作品であり、“イースⅣと言えば本作”というイメージを持っている。
本作は『イースシリーズ』の中でもトップクラスのボリュームを持っており、クリアするにはかなりのプレイタイムを必要とした記憶がある。
それでも「冒険をしている」というプレイ感が楽しく、ダレることなく最後まで遊ぶことができた。
現在プレイしても間違いなく名作と言えるタイトルであり、またいずれ機会があれば久しぶりにプレイしてみたいと思うタイトルのひとつ。
PCエンジンアーカイブスで配信されているが、プレイする手段が筆者にはないので、現行機でもプレイできるようにして欲しいものだ。
今回はPCE版イースⅠ・Ⅱの正当な続編『イースⅣ The Dawn of Ys』の紹介でした。
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