『スーパーマリオブラザーズ2』は1986年6月3日に任天堂よりファミリーコンピュータディスクシステム用ソフトとして発売されたアクションゲーム。
世界中で愛された前作『スーパーマリオブラザーズ』のステージを完全に一新した作品。
ファミっ子たちが待ちに待った大作ACTの続編であったが、満を辞して発売された“新しいマリオ”は子供達を地獄の底へ突き落とす難易度だった…。
販売までの経緯
歴代スーパーマリオシリーズの中でも最高峰の難易度を誇る本作は如何にして生まれたのか?
それはそもそも本作の発売のコンセプトが、“世界一売れたACT”である前作『スーパーマリオブラザーズ』(以下スーマリ1)を散々遊び尽くしたプレイヤーを対象に開発された高難易度版であるからである。
『スーマリ1』は世界中でやり込まれ、“ワープなしでのクリア”などは当たり前、“タイムアタック”では全面クリアを5分を切る猛者や“目隠ししたままクリア”する変態まで登場した。
開発者が意図していない様々な高等テクニックが生み出され、もうこれ以上縮めるのは無理だと思われたクリアタイムですら次々とNew Recordが更新された。
そんなスーマリマニアを満足させるために生まれたのが、この『スーパーマリオブラザーズ2』(以下スーマリ2)なのである。
その象徴としてパッケージには「FOR SUPER PLAYERS」と表記されている。
超絶難易度
『スーマリ』上級者向けに発売された本作は、前作で生み出された“クリアに必須ではない”高等テクニックをデフォルトで駆使しなければ先に進めないのは当然のこと、裏技である無限増殖を使うことも前提にしているのかと思うほどの超絶難易度である。
実際に無限増殖で残機を99機に増やしても普通にゲームオーバーになる難しさだ。
敵キャラの挙動が予測しづらくなっており、新キャラとして「水中メット」や「赤パックンフラワー」など手強い新たな敵も追加されている。
さらにレンガを殴って出すパワーアップアイテムの中になんと“毒キノコ”が隠されてる時がありスーパーキノコや1UPキノコと間違えて取るとペナルティを受ける。
他にも様々な難しさアップの方向の仕様調整がされており、幼い子供や『スーマリシリーズ』初挑戦のプレイヤーにはいささかキツい内容となっていた。
パワーアップした内容
当時はROMカセットの3倍の容量を持っていたディスクシステムでの販売となり、前作に比べパワーアップした面も多々ある。
まず最初に挙げられるのは、マリオとルイージの能力に差がついたことであろう。
前作は服の色が変わるだけで能力などに差はなかった。
今作ではルージはジャンプ力が高く、その代わりブレーキが効き難い。
そしてマリオはジャンプ力が低い分絶妙な操作がし易くなっており、好みによってキャラを選択できる。
そして前作はバグを利用して無理やり発現させていた“ワールド9”が隠しルートとして正式に実装されたことも大きな追加要素であり話題になった。
その他にもブレーキ音が挿入されたり、グラフィックが可愛くなったり、コンテニューが実装されたりと要所でシステムがブラッシュアップされている。
阿鼻叫喚のファミっ子たち
当時の子供達はあの『スーマリ1』の続編が発売だと言うことで嬉々として飛びついた。
しかし上級者用だと理解などしていない子が多かった(筆者もまったく理解していなかった)。
この難易度は幼い子供にはかなり辛いものがあり、全面クリアを諦めるファミっ子が続出した。
しかしちゃんと“上級者用”と銘打って販売している任天堂は悪くはないし、この高い難易度なのは当然である。
そして難易度と仕様にさえ慣れてしまえば、バランスもしっかりしていて良作と言えるゲームであった。
筆者と『スーパーマリオブラザーズ2』
難易度は高かったけど、名作として認知された本作は最終的に265万本を売り上げるに至り、これは198本のディスクシステム用ソフトの中で第1位です。
筆者は本作をディスクライターでの書き換えにて購入しました。
無限増殖しまくってなんとか8-4をクリアするのがやっとの実力だったので、“ワープなしでクリア”が条件の「ワールド9」や
“8-4を8回クリア”することにより(1回クリアする毎にタイトル画面に☆が追加される)プレイが可能になる『ワールドA~D』は出せませんでした。
その普通のクリアですら難しくて一旦は途中で匙を投げたのですが、この手のACTが神懸かり的に上手い友達がいて、その子が全面クリアするところを見せてもらい、見よう見まねで練習して全面クリアすることができたのです。
クラスに1人は居ませんでした?ファミコン名人みたいな子が(笑)。
この時代はファミコンが上手いとヒーローでしたよね!
今回は今プレイしてもまた全面クリアできるとは思えない高難易度ACT『スーパーマリオブラザーズ2』の紹介でした。
あわせて読みたい