『光神話 パルテナの鏡』は1986年12月19日に任天堂からファミリーコンピュータディスクシステム用ソフトとして発売されたアクションゲーム。
ファミコンミニディスクシステムコレクションとしてGBAに移植。
バーチャルコンソールとNintendo Switch Onlineでも配信されている。
光神話 パルテナの鏡とは
『光神話 パルテナの鏡』(以後パルテナの鏡)とは任天堂がディスクシステム専用ソフト第7弾として開発・販売したアクションゲームである。
販売本数は109万本であり、これは198本あるディスクシステム専用ソフトの中で第6位の実績である。
プレイヤーは主人公である少年天使の「ピット」を操作し、闇の女神「メデューサ」を倒し、征服されてしまったエンジェルランドに平和を取り戻すのが目的。
高い難易度とギリシャ神話をモチーフにした世界観が特徴となっている。
ストーリー
神様と人間が一緒に暮らしていた時代、エンジェランドは光の女神パルテナと闇の女神メデューサによって治められていたが、メデューサが人間に対し酷い仕打ちをするため、パルテナはメデューサを醜い姿に変え冥府界に追放した。
しかし、メデューサは冥府界の魔物達と手を結ぶと、エンジェランドに奇襲をかけ、パルテナ軍から三種の神器を奪って勝利し、エンジェランドを征服してしまった。
兵士達は石に変えられ、エンジェランドは魔物の棲みつく闇の世界となった。
パルテナは最後の力をふりしぼり、冥府界に幽閉されていた親衛隊長のピットを脱出させて弓矢を与え、最後の望みを託した。
高い難易度
女神パルテナを救いエンジェランドをメデューサの魔の手から解放するため、ピットは魔物の軍勢に立ち向かい天空界の更に上空にある天空の神殿を目指してゆく。
ライフ制であり体力が0になるか、画面外へ落下すると死亡。残機制ではないので一発ゲームオーバーである。
コンティニューを選択すると死んだエリアのスタート地点から再開できるが体力は1の状態となかなかシビアである。
成長システム
敵を倒すとハートを落とす。
ハートはこの世界では通貨の役割を持っており、ハートを貯めることでお店でアイテムを購入することが出来る。
他にも“宝の部屋”というボーナスステージでもアイテムを入手できたり、“修行の部屋”では大量の敵が現れ、これを殲滅すると武器の強化ができる。
加えて敵を倒すと加算されていくスコアは経験値としての側面もあり、エリアをクリアした時や“神様の部屋”に訪れた際に体力や攻撃力がアップするなどRPG的な成長要素もある。
極端なゲームバランス
本作は「冥府界」「地上界」「天空界」「天空の神殿」の全4ステージで構成されている。
どのステージもシビアな難易度で難しいが、とりわけ一番の難関が第1ステージである。
(1)スタート直後でプレイヤーが本作の操作方法に慣れていない。
(2)まだ序盤であり強化アイテムなどを入手していないピットがとても弱い。
(3)縦スクロール面なので落下=即ゲームオーバーになってしまう。
などの理由から初プレイ数時間は地獄の様な高難易度に感じる。
結果全ステージの中で最初の面が1番難しいという理不尽な内容となってしまっている。
そのため1面で匙を投げたファミっ子も多かった。
カオスな世界
ギリシャ神話を題材とした世界観をぶち壊すぶっ飛んだ敵キャラやふざけた設定があちこちで仕込まれてて笑いを誘う。
「なすび使い」が投げてくる茄子に当たると、ピットが茄子の姿になってしまい、一切の攻撃が封じられてしまう。
かなり凶悪な呪いの攻撃なのだが、茄子に手足が生えた主人公の見た目は笑うしかない。
ちなみに茄子の姿になってしまった場合は、なぜか病院で治してもらえる。
「メガネハナーン」は名前の通り鼻眼鏡の姿。滑稽な姿だが倒すと大きいハートを落とす美味しいキャラだ。
お店で買い物をする際に、Ⅱコンで喋って値切らせることができるが、やり過ぎると怒られて逆に高額で交わされることもある。
このゲームはコンテニュー使用回数やクリア時のピットのステータスによってエンディングでのピットの姿が変わるのだが、最低成績だった場合ピットの姿が上記の「メガネハナーン」となり、クリアの感動が台無しになる(笑)。
ゲームオーバーになると、プレイヤーを小バカにするようなマヌケなBGMと共に画面に表示されるヤラレチャッタの文字。
ゲームオーバーでがっかりしてるプレイヤーにさらに追い討ちをかける(笑)。
筆者と『パルテナの鏡』
筆者はこのゲームは所有しておりませんでした。
友達の家で遊ばせてもらいましたが、難しすぎて1面クリアもできませんでした。
印象に残っているのはBGMで、幼いながらも心躍るサウンドに感動したのを憶えてます。
BGMを手掛けているのは『MOTHER』や『メトロイド』のBGMも手掛けた「田中宏和」氏ですが、本作に登場する「メガネハナーン」はこの「田中宏和」氏をモデルにして生まれたという逸話には流石に笑うしかありませんでした(笑)。
正直なところ個人的にはそれほど面白いと思えなかった作品ではあったのですが、ディスクシステム専用ソフト売り上げ第6位の実績であること、その後もファミコンミニディスクシステムコレクションに選ばれたり、Nintendo Switch Onlineでも配信されているところを見ると、ちゃんとやり込めば面白いタイトルだったのかも知れませんね。
余談ですがピットは『スマブラSP』にも参戦していますが、別人のようにイケメンになってて整形疑惑がささやかれてます(笑)。
今回はギャグ満載のギリシャ神話アクションゲーム『光神話 パルテナの鏡』の紹介でした。
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