『がんばれゴエモン ~ゆき姫救出絵巻~』は1991年7月19日にスーパーファミコン用ソフトとしてコナミより発売されたアクションゲーム。
コナミの看板タイトルのひとつである『がんばれゴエモンシリーズ』の4作目でありSFC版としてはシリーズ初のタイトル。
FC版の本編シリーズのシステムを踏襲しつつ、ハードにあわせた様々な変更点・追加要素が施されている。
『がんばれゴエモンシリーズ』
1986年に第1作目となる『がんばれゴエモン!からくり道中』がFC用ソフトとして発売されたコナミのアクションゲームシリーズ。
江戸時代の日本を舞台にしたアクションゲームであり、シリーズが進むにつれコミカルなギャグ要素や時代を超越したオーバーテクノロジーなどのSF要素が多く取り込まれていき、SF時代劇コメディといった趣きの作風が確立されていった。
現在までに24作品が発売されている同社の看板シリーズのひとつである。
『~ゆき姫救出絵巻~』
和風情緒溢れる世界観に近代文明的要素をプラスした独特な世界観が踏襲され、後のシリーズの作風の原典となったシリーズ初のSFC版タイトル。
シリーズとしては4作目にあたり、がんばれゴエモン生誕5周年記念作品として制作された。
これまでにFC版で発売されたシステムを踏襲しているが、従来の見下ろし型マップステージの他に、横スクロールの2Dアクションステージが追加されている。
人気シリーズではあったが、偶然にも発売日が大作RPG『FFⅣ』と同じということもあり発売日にはそこまで売れなかった。
しかし口コミで面白いと評判になり、じわじわと売り上げを伸ばしていき、最終的に150万本を売り上げるミリオンセラーとなったタイトルである。
ストーリー
はぐれ町に住む天下の義賊・ゴエモンは、すっかり顔なじみとなった相棒のエビス丸から聞かされたほろほろ寺の女幽霊を退治すべく、さっそくキセルを片手に町を飛び出す。
戦いの末、幽霊の正体である忍者猫のクロベエから江戸に危機が迫っていることを知らされた二人は、事態を解決すべく日本横断の旅へと出るのであった。
ステージ
本作は全9ステージからなる面クリア型アクションゲームである。
各ステージ毎にボスがおり、これを倒すことでステージクリアとなる。
ステージは下記の3つのエリアに別れている。
旧シリーズ同様の見下ろし型マップの「町エリア」。
ここでは雑魚キャラを倒しお金や装備を整えながら、町人との会話で後述する拠点エリアやボスの攻略のヒントを手に入れることができる。
今作から新たに追加された横スクロールアクションの「拠点エリア」。
こちらは次々と襲い来る敵を倒しながら、ボスの待つ最終地点を目指し拠点を突き進む内容となっている。
拠点エリアの最深部で待ち受けるボスと戦う「ボスエリア」。
各ステージのボスはコミカルで愛嬌のあるいでたちをしており、攻略には工夫と戦術を必要とする。
前作まではステージクリアに必要な手形などが隠されていた「3D迷路エリア」だが、今作ではクリア条件が手形集めからボス討伐へと変更になったため、ミニゲームのひとつとなりプレイ必須ではなくなった。
2人同時プレイ
本作は“ふたりであそぶ”を選ぶことにより2人同時プレイを楽しむことができる。
1人でプレイ中でも途中参加することも可能。
1プレイヤーがゴエモン、2プレイヤーがエビス丸を操作となるが、2コンで“ひとりであそぶ”を選ぶとエビス丸での1人プレイができる。
2人プレイの時に地面に伏せた相手にもう片方の相手が飛び乗る事により、移動と攻撃を分担する“おんぶ状態”を取ることができる。
片方が全機失っても、もう片方の残機をもらって復活することが可能である。
最後に
旧作『からくり道中』のように面数が多すぎず、かといってボリュームは十分であり、全9ステージの構成のバランスはかなりよくなっている。
パスワード制のコンティニュー機能も実装され全面クリアも現実的に。
難易度調整も前半の4ステージまでは、比較的簡単でありACTが苦手なプレイヤーも頑張れば先に進め、後半はなかなか手応えのある難しさとなっておりバランスも良好であった。
さらにSFCのハード機能を存分に引き出したグラフィックとBGMは特筆すべきクオリティ。
日本情緒あふれる時代劇風味な世界観でありながら、遊園地などの現代の施設やSFチックなギミックも多数登場し、見事にシュールな世界を作り出している。
BGMも和楽器音源を基調とした和風ミュージックでありながら、ポップでコミカルな色も融合させていてゲームを一段と楽しく彩っている。
特に最終ステージにてFC版初代『がんばれゴエモン! からくり道中』のメインBGMである「お江戸でSWING」が流れるのは涙モノの演出(笑)。
筆者も本作を所有していたが、SFC初期のACTとしては『スーパーマリオワールド』と並びトップクラスの面白さだったと思う。
先に進む楽しさが強く、何度もゲームオーバーになりながらも頑張ってコンティニューしてチャレンジしたくなる魅力があった。
また、2人用もなかなかのバランスであり、友達とワイワイ遊ぶのにも適していた。
3DS用でダウンロード購入、もしくはスーファミクラシックミニにも収録されているので現在プレイすることも可能だ。
昔を懐かしんで久しぶりに遊んでみても良いかも知れない。
『がんばれゴエモンシリーズ』は面白い作品が多く、新しいゲームハードが発売される度に新作が発表されてきたが、2005年にDSで発売された『東海道中 大江戸天狗り返しの巻』を最後に新タイトルは出ていない。
Switchあたりで15年ぶりに新作を、発表してくれればかなり話題になると思うのだが、コナミさん如何だろうか?(笑)。
今回は時代劇風アクションの金字塔がんばれゴエモンシリーズ初のSFC版タイトル『がんばれゴエモン ~ゆき姫救出絵巻~』の紹介でした!
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