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【タクティクスオウガ】光とともに沈黙があり、闇とともに叡智がある──。SRPGの歴史に名を残す伝説のタイトル。【SFC・クエスト・レビュー】

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『タクティクスオウガ』は1995年10月6日にスーパーファミコン用ソフトとしてクエストより発売されたシミュレーションロールプレイングゲーム。

1996年にSS版、1997年にPS版へと移植されており、2010年にはPSPにてリメイク版が発売された。

その他にもバーチャルコンソールにて配信されている。

 

 

『タクティクスオウガ』とは

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『タクティクスオウガ』はゲームクリエイターの松野泰己が企画・シナリオを手がけた前作『伝説のオウガバトル』に続くSFC用ソフトである。

『オウガバトルシリーズ』は後述する叙事詩「オウガバトルサーガ」をモチーフにしたSRPGであり、空の世界ゼテギネアにおけるヴァレリア諸島での民族紛争による戦乱が、島の少数民族ウォルスタ人の少年デニムの視点から描かれる。

 

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販売本数は50万本であり、これはSFCソフト全1447本の中でも41位の歴代記録である。

SFCソフトの販売本数上位はほとんどが有名メーカーで占められている中、中小メーカーであったクエストが50万本の売上を達成したのはまさに快挙と言える実績であろう。

 

『オウガバトルサーガ』

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本作のプロットは松野泰己が入社時に提出した提出した企画であった叙事詩「オウガバトルサーガ」である。

「オウガバトルサーガ」とは、邪神・魔神・冥王・悪魔などが魔界の鬼「オウガ」を率いて起こした大昔の大戦争の物語である。
『タクティクスオウガ』は全8章からなる「オウガバトルサーガ」の第7章、「Let Us Cling Together (手をとりあって)」のゲーム化タイトルにあたる。

 

ストーリー

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オベロ海に浮かぶヴァレリア島。

この島では、古くからその覇権を巡った紛争が絶えなかった。
この紛争は覇王ドルガルアの登場により一時的に終止符を打ったが、彼の死後はその後継を巡り再び民族間の内紛が激化するようになった。

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支配階級の多いバクラム人や多数派のガルガスタン人に対し、少数派のウォルスタ人はこの紛争に対抗するだけの戦力はなく、ガルガスタン人により弾圧されていた。
民族根絶を目的とした虐殺や、自治区での強制労働も行われる中、残されたウォルスタ人の一部は抵抗勢力となってゲリラ活動を続けていた。

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抵抗勢力の一員として迎えられた主人公デニム・パウエルは、様々な出来事に直面することとなる。

そして、彼の決断が諸島の未来を揺さぶることになっていく──。

 

システム

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本作は前作『伝説のオウガバトル』と同じ世界観であり同じSRPGジャンルでもあるが、そのゲームシステムは大きく変化している。 

MAP上では敵味方に関係なく「ウェイト」の数値が0になったユニットから行動ができる。

「ウェイト」の数値が小さいユニットほど順番が回ってくるのが早く、逆に大きいほど遅くなる。

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自軍ターンと敵軍ターンを交互に回すシステムのSLGが多い中、ユニット毎に行動順が回ってきて、ターン制自体を完全に排除したシステムは非常に斬新であった。

クラスやレベルによってウェイトの基本値が変わるうえ、装備品の重量によって更に変動する。

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場面や各ユニットの役割に応じて、重装備で固めるか防具等を外してでも軽量化するかといった戦略性も求められる。

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一つの章の間であるならば、そのMAP上の移動可能な範囲であるならばどこへでも自由に移動できる。

シナリオクリアを重視して、最短経路を進むこともできるし、キャラ育成を重視してランダムバトルを繰り返すことも可能。

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寄り道をすることにより、隠し要素が解放されたり、シナリオに関連する謎が解き明かされたりすることも多いので、プレイヤーの探究心をくすぐる自由度の高さとなっている。

 

キャンペーン 

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本作では“ファイアクレスト”というアイテムを入手した写真をクエスト社に送ると、ある人物からの手紙と「ガラスのカボチャ」がプレゼントされるというキャンペーンがあった。

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ゲーム内では重要な役割を担う占星術師ウォーレンがキャンペーンの申し込み方法を説明してくれる(笑)。

 

最後に

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斬新なウェイトターン制を取り入れた戦術制の高いSLGバトルシステム。

魅力的なキャラクターたちが織りなす濃厚かつ刺激的な民族紛争を描くシナリオ。

人間、モンスター、背景、その他細かな装飾などまでもが妥協なく丁寧に書き込まれた美しいグラフィック。

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物語を盛り上げる重厚かつ壮大なBGMの数々。

現在でもSRPGというジャンルにおける唯一無二の代表作だと語るファンも多い歴史に名を残すタイトルである。

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2010年にはPSP用ソフトとしてフルリメイクされた『タクティクスオウガ 運命の輪』が発売されている。

システムやゲームバランスはSFC版とは大きく変わっているが、松野泰己を筆頭にオリジナル版のスタッフが集結して制作しただけのことはあり、非常に完成度の高いリメイクと言えるだろう。

そして2022年11月11日にPS4/PS5/Switch/STEAM用ソフトとしてフルリメイク版である『タクティクスオウガ リボーン』がオリジナルから27年の歳月を経て発売となる。

こちらも往年のファンたちの間で話題となっている。

 

今回はSRPGの歴史に名を残す伝説のタイトル『タクティクスオウガ』の紹介でした!

 

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