1986年7月30日にコナミよりファミコン用ソフトとして発売されたアクションゲーム。
コナミの看板シリーズのひとつを担い、主人公のゴエモンは人気キャラクターとして同社の沢山の他作品にゲスト出演している。
同社が1986年5月にアーケードゲームとして稼働させた「Mr.五右衛門」が礎になっている。
2004年にはファミコン20周年記念で発売された「ファミコンミニ」の厳選タイトル30種の中にも選ばれている。
あらすじ
その昔、大平の世を良いことに、全国各地の大名は、庶民の暮らしを顧みず、したい放題私腹を肥やしておりました。
そんな御時世、噂の義賊ゴエモンが盗んだ小判を貧しい人に与えながら、諸国大名をこらしめる旅に出たのでございます。
しかし、お上の追っ手は厳しく、城への道中は容易なことではございません。
はてさて、この物語の結末はいかに相成りますことやら。
ゲームシステム
ステージは全部で104面構成で13面ごとに1つの国が完結する形になっており、西から江戸に向かって順にクリアしていく。
実質的な周回制のゲームとなっており、2つめの国以降、8つ目の国・江戸の最終ステージまで1~13面と全く同じ内容の面が繰り返される。
各国のクリアごとに大名が改心するエンディングシーンが挿入された後に次週面が開始され、104面目のエンディング到達時に晴れて全面クリアとなる。
FC版はセーブ機能もパスワード機能も無かったため、エンディングを見るには最初の1面からずっと通してやらなければならなかった。
ステージクリアのための条件として、関所通過のための手形集めが存在し、地下通路や3D迷路に落ちている通行手形を拾ったり、店で売られている闇手形を購入したりして手形を3つ集めた上で関所に到達しなくてはならない。
ファミコン初の2MBロムカセットで売り出した。ちなみにMB(メガバイト)ではなくMB(メガビット)である。
多彩なアイテムでパワーアップ
基本キセルで近距離攻撃だが招き猫のアイテムを取ると五右衛門が白装束に変身し、小判を投げて遠距離攻撃が可能となる。
ただし小判を1枚投げると所持金が1枚減る。
アイテムのひょっとこと草履は取るたびにゴエモンの速度とジャンプ力がパワーアップし、最大時に画面の端でジャンプすると何故か画面外に飛んで行ってゲームオーバーになるので注意が必要である。
お店では所持金があれば団子や味噌汁などを購入でき、体力回復が可能である。
3枚揃えなければならない通行手形も購入する事が可能。
3D迷路
3D迷路も実装されており、迷路内にはたくさんのアイテムが落ちている。
横スクロールアクションから突如の3D迷路へのステージ変更も当時の魅力の一つであった。
中には千両箱(お金)や大入り袋(1UP)、通行手形と言ったアイテムが落ちているが1度入るとリタイアが出来ず出口に辿り着くまで迷路を出られない。
迷路内には地図が落ちており、その地図を見つけると簡単に出口まで辿り着けるが、地図無しで自力突破を試みると余裕で数時間かかるほど複雑な迷路となっている。
ファミコン初の2MB!
当時はMBの意味も解らず「超凄いんだぜ!大容量なんだぜ!」と夢中になって遊んでいました。
今となってはメガビットなど本当に少ないデータ容量なんですけどね。
当時のゲーム製作者はよくぞこんな僅かな容量でこのソフトのようにボリューム満点のゲームを作れたものです。
クリエイターの努力と工夫がファミっ子たちの心を掴む名作を産んでいたのですね。
104面というステージ数はクリアまで膨大な時間を要するモノでした。
セーブやパスワードにによるゲーム中断機能が無く、ステージワープのようなクリア短縮ルートも存在しなかった為「ゲームは1日1時間」世代の子供達がエンディングまでプレイするのはかなり難しかったです。
ちなみに筆者はクリアはできませんでした。
しかし本当に面白いゲームであり、放課後に友達と集まってかわりばんこで遊んだ思い出は今も脳裏に焼き付いています。
和風情緒溢れる世界観を表現した質の高いBGMとグラフィックが楽しく、アイテムでゴエモンをパワーアップさせられるのも夢中になれる要素でした。
そんな面白いゲームだからこそ、その後20年もシリーズが続き、別ゲーやスロットなどにも出演を果たすビッグネームとなったのでしょう。
続編の「がんばれゴエモン2」やSFC「がんばれゴエモン 雪姫救出絵巻」なども楽しくプレイしたものです。
2005年にニンテンドーDSで発売された「がんばれゴエモン 東海道中大江戸天狗り返しの巻」を最後にシリーズ続編は途絶えてしまいました(2018年現在)。
しかし初代「がんばれゴエモン」である本作が登場してから、ハードを乗り継ぎ続編が実に24作品も発売され、数々の名作ゲームを産んだコナミの中でも看板ソフトのひとつであることは間違いありません。
本作はプレイしていなくとも、きっとその後の続編を遊んだという人は多いはず。
今回は昭和を代表する和風アクションゲームの決定版『がんばれゴエモン!からくり道中』の紹介でした。
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