『魔界村』は1986年6月13日にファミリーコンピュータ用ソフトとしてCAPCOMより発売されたアクションゲーム。
オリジナル1985年9月19日にCAPCOMより稼働されたはアーケードゲーム。
ファミコン版への移植開発はマイクロニクス。
ロックマンシリーズを始めとする、カプコンのお家芸とも言うべき高難度アクションゲーム。
やり込んでいけば目に見えて上達を実感できる優れたバランスと、これまでの作品と一風変わった西洋ファンタジー風の独特な世界設定やキャラクターの魅力により、カプコンを代表する新たなアクションゲームシリーズの礎となった。
魔界村とは
CAPCOMお家芸の横スクロール2Dアクションゲーム。
1985年にアーケードにて稼働開始された。
王国の騎士が捉われの姫を救うため魔物の蠢く魔界を突き進むというファンタジックかつ王道な設定や魔界を舞台にした独特な世界観を表現する美しいグラフィック。
おどろおどろしいながらもどこかコミカルで愛嬌のある魔物たち。
そして一筋縄ではいかないストイックな難しさが好評で、この時代のアーケードゲームではトップクラスの人気を誇っていた。
CAPCOMの代表作の1つである。
劣化が酷かったファミコンへの移植
移植の質の悪いマイクロニクスによってファミコンへの移植がなされた。
魔界村がお茶の間でプレイできる事を楽しみにしていたゲーマーと子供達の期待を予想通り裏切る酷い劣化版となった。
キャラクターの動きがガクガクでBGMの再現性も低い。
ファミコン版独自の追加要素も相まって、ゲームバランスが大きく変化してしまい、もともと難しかったアーケード版に比べて更に難易度が上昇してしまい稀代の激ムズゲームと化してしまった。
しかしながら販売本数は164万本と大ヒットとなっており、これはファミコンソフト全1252本の中でも11位の歴代記録である。
特にアーケード版にはなかったアイテムである「偽キング像」は取ると強制的にカエルに変身させられるので致命傷となる。
幼かった筆者はこのゲームの難易度に驚愕し、アーケードゲームをやっているお兄ちゃん達はこのレベルのゲームをプレイしているのかと尊敬しましたが、魔界村に関してはファミコン版の方が数段難易度が高いと知ったのはその数年後だった。
ゲームシステム
鎧を着た主人公の騎士アーサーは拐われたプリンセスを救う為、魔物が蠢く不気味なステージを武器を投げて敵を倒しながら進んでいく。
敵に接触するか、敵の攻撃を受けると鎧が剥げパンツ一丁の姿となり、その姿でまたミスをすると骨と化し1機失う。
武器は5種類ありゲームを進めていくとアイテムとして武器が出現し、取るとその武器に変更される。
武器によって特色や癖があるので、苦手な武器が出現したらスルーするのも基本テクニックである。
槍(ランス)→アーサーの初期装備であり、前方にまっすぐと飛ぶスタンダードな武器。
短剣→槍と同じく前方に飛んでいく武器であり、槍を上回る弾速を持ち連射が可能である為ファミコン版では1番人気。
たいまつ→緩やかな放物線を描いて飛び、着弾すると爆発し炎をあげる。
斧→放物線を描いて飛び、敵を貫通する。
十字架→槍や短剣と同じくまっすぐ飛んでいくが射程が非常に短い。しかし敵の吐く弾を相殺できる唯一の武器であり、これを持っていないと大魔王と戦うことはできない。
余談だが拐われるプリンセスの名前はプリンプリン。
オープニングシーンではアーサーとプリンプリンがデートをしているところに突如レッドアリーマーが現れプリンプリンが連れ去られるところからゲームはスタートとなる。
真の最強ボス?レッドアリーマー
全体的に高難易度極まりない本タイトルだが、その中でも特筆すべき脅威だったのが雑魚キャラの分際でボスより強いレッドアリーマーという凶悪な敵だ。
素早く空を飛び回り、こちらの攻撃は避けるわフェイント攻撃を仕掛けてくるわでとても勝てる気がせず絶望を味わわされた。
筆者は1面の中盤で早々にこいつが出てくる為1面クリアに何日も掛かった(笑)。
先生!コイツです!コイツに1000回以上殺されました!(怒)
2面も1面以上に激ムズ。
相当手こずりながらも何とか突破できたが、3面でレッドアリーマーが3〜4匹連続で出現する場面があり、筆者はここが突破できずゲームを断念した。
全7ステージの中盤まですら辿り続けずの挫折となった苦い思い出のタイトルだ。
レッドアリーマーの脅威は伝説となり、ゲーマーの間で語り継がれた。
その知名度にあやかりCAPCOMは1990年にこのレッドアリーマーを主人公とした『レッドアリーマー 魔界村外伝』をゲームボーイ用ソフトとして発売。
本家タイトルのボスでもない1敵キャラが主人公となる、稀有な派生作品の誕生となり、話題となった。
雰囲気やBGMは良いが難易度が凶悪過ぎ
そんな劣化版と言われたファミコン版魔界村だが、アーケード版をプレイしたことのない子供だった筆者はそれでも憧れの魔界村が我が家で遊べるのが嬉しくて夢中になってプレイした。
とても難しかった為、1面クリアするのも何日もかかかった記憶がある。
そんな激ムズなゲームだったが雰囲気とBGMが好きで飽きずに何度もチャレンジした。
それでも3面が最高記録でありクリアできなかったタイトルでもある。
この先更に難易度が上がるかと思うと、とてもじゃないけど筆者レベルのへっぽこゲーマーにはクリアは無理だと諦めた。
しかもこのゲーム1周目では終わらなく、また1から2周目をクリアして初めてエンディングなんだよね!
ファミコン版魔界村を完全クリアした人は筆者の友達では居なかった。
筐体では小学生ながらワンコインで2週全面クリアできた友達はいたが、その彼でさえファミコン版は1週クリアもできなく「なんだよコレ!無理ゲー!」と切れていた(笑)。
しかしその難しさにも拘わらず164万本を売り上げた本作。
難しくてクリアを挫折した苦い思い出のゲームでもあるが、長い間ハマって遊べたのでなんだかんだ言って魅力があるタイトルである事も間違いない。
今回は『魔界村』の紹介でした。
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