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【ヴァンダルハーツ 失われた古代文明】知る人ぞ知る、PS・SS初期の隠れた名作!ドラマティックな物語と高い戦略性で人気を博したSRPG!【PS・SS・コナミ・レビュー】

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『ヴァンダルハーツ 失われた古代文明』は1996年10月25日にPlayStationおよびSEGA SATURN用ソフトとしてコナミより発売されたシミュレーションロールプレイングゲーム。

2003年7月に続編の『ヴァンダルハーツ2 天上の門』が発売された。

2010年1月にはシリーズ3作目にあたる『Vandal Herts:Flames of Judgment』が発売されている。

 

 

あらすじ

1000年もの繁栄を誇った神聖アッシャー王朝は、王侯貴族たちの退廃的な享楽により徐々に腐敗を深めていた。
その中、立ち上がった民衆は賢者アレスの指導により革命を成功させ、議会制を中心とした共和制国家『イシュタリア』が誕生する。

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しかし、その盟主の座に賢者アレスの姿はなく何処かへと姿を消してしまっていた。

そしてそれより15年後──。

イシュタリア警備兵団第16小隊を率いるアッシュ・ランバートは、「黒い疾風」の異名をとる剣の達人であった。

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個人的武力もさることながら類稀なる統率力で部隊をまとめ上げていた。

しかしある時、アッシュは悪徳政治家たちの謀略に巻き込まれる。

数奇な運命はやがてアッシュだけではなく、彼の部隊ごと国家の存亡をかけた戦いに導いていく…。

 

ゲームシステム

マップ

ゲームは、舞台となるイシュタリア諸国が描かれたマクロマップに配された各拠点を移動し、指定された戦闘マップをこなすことで進行する。

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マップは斜め上から見下ろしたクォータービュー形式を採用しており、立体的に表現された地形舞台に2Dキャラクターを配置していく。

地形を利用して戦略性を持ってミッションを有利に進行させる事ができる。

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オブジェクトを動かしてバリケードにし、敵の進行を遅らせたり、橋を封鎖して敵の足止めをしたり色々考えながら攻めていこう。

 

戦闘

戦闘は先行と後攻に分かれたターンバトル。

ターン中でも隣接して攻撃して敵ヒットポイントが残っていた場合、しかるべき反撃を受ける。

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ゲーム進行に直接関係する戦闘マップでは主人公アッシュが半強制的に出撃、アッシュが死亡するとゲームオーバーになる。

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それ以外の味方キャラクターは戦闘で倒されると、そのミッションは退場となるが次のミッションでは復活、完治しておりまた参加する事ができる。

 

ユニット

基本システムは『ファイアーエムブレム』や『ラングリッサー』を模範としており、各ユニットには三すくみの相性が存在しており、それに基づいて作戦を立て、戦闘を優位に進めていく。

弓や魔法の遠隔攻撃ユニットは相手から反撃を受けないので、序盤の敵の数減らしや終盤の殲滅戦で重宝する。が、これは敵も同じなので気をつけなければならない。

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ストーリーの進行によりどんどん仲間が増えていき、ユニットのタイプも豊富になるので、戦闘の舞台となるマップの地形や敵のタイプによって出撃ユニットを選択していこう。

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各キャラクターには特有のクラスがあり、またレベルやストーリーの進行度合いに伴い、より上位のクラスへのチェンジも可能である。

 

特徴

当時のシュミレーションRPGとしては斬新な演出、緻密な戦略、感動的なストーリーを楽しめる秀逸なタイトルである。

ライトな難易度

難易度に関しては、味方がヤラれても次のミッションでは復活していることや、成長すると各キャラクターがかなり強くなる事などで、ゴリ押しで敵を撃破できる様になるため『ファイアーエムブレム』などに比べると大分低め。

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その為、硬派で高難易度のシュミレーションRPGを好むゲーマーにはぬるくて手応えが感じられないかも知れない。

しかし各マップの特性やギミックが非常に凝っているので、作品としての完成度はかなり高い。

ストーリー展開も良いのでSRPGとしての面白さは一級品といって良いであろう。

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ブシューっと吹き出す血飛沫

特徴的な仕様として本作では敵、味方限らず戦闘でヤラれた際には激しい血飛沫を天高く吹き出して絶命する。

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この演出が衝撃的であり今でも強く記憶に残っているユーザーも多い。

味方キャラクターは斬殺されても次のミッションでは平気な顔をして復活してるんですけど(笑)。

 

神秘的な素晴らしい主題歌


ヴァンダルハーツ〜失われた古代文明〜 「悲しみを燃やして」 full

 

主題歌はヤドランカが担当。

この主題歌がとても素晴らしく、当時中毒的に繰り返し聞くユーザーが続出。

 

エンディング

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最終的な敵を倒したアッシュは、勝利とひきかえに異世界へとのみこまれ、行方不明になってしまいます。
ラスボスを倒しても、それでめでたしめでたしとはなりません。

悪徳政治家が一掃されたわけではないので、国政の混乱は続いています。
そんな情勢の中、残された仲間たちは、ある者はふたたび剣を取り、ある者は政治の道へ、そしてまたある者は平凡な暮らしを楽しんだりと、それぞれの人生を歩み始めます。
最後、みんなの近況を書いた手紙をつづりながら、自分だけは何もしていないと悩むヒロイン・エリナのもとへ、聞き覚えのあるメロディが流れてきました。

それは、以前アッシュがよく吹いていた笛の音でした。

エリナは、「…おかえりなさい!」とドアを開ける…。

この一抹の切なさを残す独特の終り方に「胸に何かが支えてる感じが好きじゃない」というユーザーも居れば、「みんな幸せハッピーエンドより遥かに物語に深みが出る」と捉えるユーザーもいた。

基本的にストーリーが重い展開である上、エンディングが当時のゲームにしては大団円ではなかったためこの様に賛否両論となったのであろう。

 

続編

2003年7月に続編の『ヴァンダルハーツ2 天上の門』が、2010年1月にはシリーズ3作目にあたる『Vandal Herts:Flames of Judgment』が発売されている。

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『2』は本作の面影を残す内容となっているが、『3』ではグラフィックが洋ゲー化しており別ゲームの印象を受ける。

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『3』もゲームとしては面白いのではあるが、『ヴァンダルハーツ』シリーズとしては残念な感じが否めない。

 

最後に

最後になるが、本作に対する筆者の個人的評価は非常に高い。

人を選ぶタイトルであることは間違い無いが、SRPG好きなら一度はプレイしても損はない作品だと思う。

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しかし販売本数が15万本とあまり良くなかった為か、移植もゲームアーカイブスでの配信もされていないのが残念でならない。

現在本作をプレイするのであれば、PSをプレイできる環境でなければならないのでその敷居は少し高い。

いつの日か当時を思い出しながら、もう一度プレイしたいと思う。

 

今回は『ヴァンダルハーツ 失われた古代文明』の紹介でした。

 

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