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【逆転裁判 蘇る逆転】ようこそ、法廷へ──。ADVというジャンルに新風を巻き起こした白熱の法廷バトルゲームシリーズ第一弾!【DS・カプコン・レビュー】

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『逆転裁判』は2001年10月12日にCAPCOMからゲームボーイアドバンス専用ソフトとして発売された法廷バトルアドベンチャーゲーム。

様々なハードに移植され、数々の続編を生んだ逆転裁判シリーズの記念すべき第1作目である。

今回は2019年2月21日に発売された『逆転裁判123 成歩堂コレクション』から初代逆転裁判のリメイク版『蘇る逆転』を中心に紹介する。

 

『逆転裁判』

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『逆転裁判』とは2001年にCAPCOMより発売された新感覚ADVである。

“法廷バトル”というジャンルの草分け的タイトルであり、そのかつてない面白さでゲーマーたちの間で話題になり口コミで広がった名作だ。

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逆転裁判シリーズとしては続編が『逆転裁判6』まで発売されており、スピンオフシリーズとして『逆転検事』や『大逆転裁判』などがそれぞれ複数タイトルある。

その人気の高さからハードを跨ぎ何度も移植が行われており、シリーズ累計販売本数は680万本を超えるCAPCOMの中でも屈指の人気シリーズである。(2018年現在)

 

『蘇る逆転』

2005年に『1』をニンテンドーDSに移植するにあたって発売された『逆転裁判 蘇る逆転』は、『1』と『2』の間の時期に新エピソードを1話追加された作品である。

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GBAにて発売された逆転裁判『1』『2』『3』は、既にシナリオ及び基本システムが完全に完成されていた。

そのため、『蘇る逆転』に加えられた追加エピソード以外は移植・リメイクタイトル共にオリジナルに忠実に制作されており、ストーリーには一切手は加えられておらず、画質の強化とUIを便利にするなどの変更のみに留められている。

 

『成歩堂セレクション』

『成歩堂セレクション』とは2014年にDS版『蘇る逆転』『2』『3』の3作品を1本に纏め、ニンテンドー3DS用に移植された作品である。

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画面レイアウトや操作方法はいずれもDS版に準じているが、画面とテキストがHDになり綺麗になっている。

これまですべてのシリーズが携帯ゲーム機での発売だったが、2019年にSwitch・PS4・Oneに移植されたことにより、シリーズ通して初めてテレビでのプレイが可能となり、大画面での迫力の法廷バトルを堪能することが可能となった。

 

ゲームシステム

プレイヤーは主人公の弁護士「成歩堂龍一」となり、無実の罪に問われている被告人の弁護依頼を受け裁判で無罪を勝ち取るのがゲームの目的である。なお依頼人の罪状はほぼ”殺人事件”である。

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本作は各エピソードごとに“探偵パート”“法廷パート”に別れている。

探偵パートでは裁判で勝つための情報や証拠品を手に入れる為、事件現場や関係者の所縁の地などを歩き回り、捜査や聞き込みを行う。

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そして法廷パートでは、入手した情報や証拠品、または検察側から提出された証拠品とつきあわせつつ、証人達の証言から矛盾点を見つけ出し、「尋問」により追及して証言を崩してゆく。

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そして様々な矛盾を暴くことにより事件の“真相”を明らかにし、依頼人の無罪を立証するのがゲームの目的である。

 

登場人物

本作はエピソードごとに依頼人や被害者、証人、警察関係者などたくさんの人物が登場するが、ここではシリーズを通して登場するメインキャラクターを紹介する。

 

成歩堂龍一

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主人公。

主に刑事事件を扱う弁護士で、「成歩堂法律事務所」の所長。

ギザギザした髪型と青いスーツが特徴。

矢張政志と検事の御剣怜侍とは小学校時代からの親友で幼馴染。

正義感が強くお人よし。

 

綾里真宵

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綾里千尋の10歳年下の妹で倉院流霊媒道の霊媒師。

殺人事件の容疑者となるが成歩堂の弁護によって無罪となって以降は、成歩堂法律事務所にて住み込みの助手になる。

大江戸戦士トノサマンの大ファン。

 

綾里千尋

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成歩堂の師匠にあたる凄腕の弁護士。

ある事件にて殺害されてしまうが、死後も真宵の霊媒で度々登場し、成歩堂を助けてくれる。

 

御剣怜侍

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天才検事。

国内最年少の20歳で検事になる。

その後5年間、有罪判決を得るためなら手段を選ばないやり方で無敗を誇っていたが、親友の成歩堂と再会し、彼との法廷での戦いを経て、その考えを徐々に改めていく。

赤いスーツとフリルタイがチャームポイント。

 

矢張政志

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成歩堂の最初の依頼人で、小学校以来の親友。

悪人ではないのだが、思考が短絡的でもめごとに巻き込まれやすく、「事件のカゲにヤッパリ矢張」と言われるほどのトラブルメーカー。

惚れっぽく、さまざまな女性とつきあうが上手くいったためしがない。

 

糸鋸圭介

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いかつい風貌だがドジでオッチョコチョイな愛すべき刑事。

26歳で刑事課に配属。

殺人の初動捜査を担当しており、通称「イトノコ刑事」。

御剣のことを「尊敬できる上司」として厚く信頼している。

しかしよく失敗をするため、その度に御剣から減給されている。

どうもソーメンが主食らしい。

 

裁判長

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つるりとした頭と髭が特徴の地方裁判所の裁判長。

名前と年齢は不明。

裁判では屈指のボケをかます人物。

弁護士・検事の意見に左右されやすく、すぐに判決を下そうとすることから「移り気で浮気な裁判長」と言われている。

ただし、人情味溢れる性格の持ち主でもあり、彼が担当した裁判は結果的に良い方向に収束するらしく、「不思議で不気味な裁判長」とも言われている。

 

狩魔豪

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「狩魔はカンペキをもってヨシとする」の体言者であり、被告人を全て有罪にして完璧に勝利することを信念とし、そのスタンスは弟子たちにも引き継がれている。 
しかしその実態は証拠隠滅証言操作等、御剣以上に悪質。御剣曰く「私の20倍タチが悪い」

 

ストーリー

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本作はオリジナルエピソードが4話と追加シナリオ1話にて構成されている。

当初は続編が発売される予定はなかった。

 

第1話:はじめての逆転

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アパートで殺人事件が発生し、被害者の恋人で成歩堂の小学校以来の親友・矢張政志が逮捕された。

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「綾里法律事務所」所属の新米弁護士・成歩堂龍一は矢張の無実を信じ、初の弁護を引き受けることを決意する。

 

第2話:逆転姉妹

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綾里法律事務所で、成歩堂の師匠・綾里千尋が何者かに撲殺された。

その犯人として、第一発見者であり、被害者の妹で修行中の「霊媒師」である綾里真宵が逮捕される。

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留置所を訪れ彼女が犯人ではないと確信した成歩堂は弁護を引き受け、事件の調査を開始する。

 

第3話:逆転のトノサマン

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人気特撮番組のヒーロー「トノサマン」が、怪人「アクダイカーン」を本当に倒すという事件が発生。

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「トノサマン」ファンの真宵に引っ張られ、成歩堂は留置所にいるトノサマンの役者・荷星三郎の弁護を引き受けることとなる。

 

第4話:逆転、そしてサヨナラ

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ひょうたん湖公園で殺人事件が発生。容疑者として逮捕されたのは、成歩堂の旧友の天才検事・御剣怜侍だった。

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事件の調査を進めるうちに、15年前に発生し未解決のままだった「DL6号事件」との関連性が浮上する。

 

第5話:蘇る逆転

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ひょうたん湖の事件以来、成歩堂も御剣も法廷に立っていなかった。

そんなある日、成歩堂の元に一人の少女が「姉を助けて欲しい」と事務所に駆け込んでくる。

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彼女の姿が事務所を去った真宵と重なって見えた成歩堂は依頼を引き受けることを決意する。

依頼された事件は検察局の駐車場で捜査官が刺殺されたというもの。

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しかしその殺人事件と「同日・同時刻」に「同じ捜査官」が警察局でも殺害され、「別の人間が逮捕される」という奇妙な事件が起こっていた。

 

演出・セリフ・BGM

このゲームは推理ゲームとしてのトリックやシナリオだけを見ると、“出会ったことのない最高傑作”とまでは言えないかも知れない。

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しかし法廷バトルというシステムの確立、個性豊かな愛すべきキャラクター、そのキャラクターを活かすセリフと演出、そして物語を盛り上げるBGMとゲームを構成するすべての要素が渾然一体となりゲームを唯一無二の極上のエンターテイメントに仕上げている。

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最初は涼しい顔で“嘘”の証言を喋る証人がその嘘を見破られ、追い込まれる過程で豹変してゆく姿など、緊迫した法廷で繰り広げられる舌戦の中の至る所に放り込まれるギャグは声を出して笑うほどレベルが高い。

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そして真相が暴かれるにつれ見えてくる人間ドラマには、感動の涙を禁じ得ない。

笑って、泣いて、法廷バトルのなかでプレイヤーは主人公・成歩堂と共にすべての感情を揺さぶられ、1話終わる度に心地良い満足感に満たされていることだろう。

 

筆者と『逆転裁判』

筆者は様々なADVをプレイしてきましたが、この“法廷バトル”というジャンルに初めて出会った時は凄まじい衝撃を受けました。

それは1992年にSFCの『弟切草』で初めてサウンドノベルをプレイした時以来の感動でした。

まさに新感覚ADVという呼び名が相応しい、新しいスタイルのゲームに魅了され、一気に逆転裁判シリーズの大ファンになりました。

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GBAで『逆転裁判123』と全て購入、その後DS版でも3本とも購入。

シリーズ合わせ、クリアした回数は全部合わせたら10回は超えていると思います。

それほど大好きな作品となりました。

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個人的にゲームはテレビの大画面でプレイするのが好きな筆者ですが、CAPCOMはこれまで本シリーズを一貫して携帯ゲーム機でしか販売していなかったので、今回Switchで『成歩堂セレクション』が発売されると聞いた時は小躍りして喜んでしまいました(笑)。

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携帯ゲーム機で遊ばなくなってから逆転裁判シリーズとも離れていましたので、今回プレイするのは10年ぶりほどでしょうか?

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絶体絶命の状況から、依頼人の無実を信じ、何度も崖っぷちに追い込まれながらも最後は大逆転を決める展開は相変わらずの面白さで、過去に何度もクリアしたはずなのに、またあっという間に夢中になってしまいました。

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この調子でSwitchで『逆転裁判456』『逆転検事』『大逆転裁判』なども発売してくれないかと心待ちにしてます。

今回はADV界に激震を起こした白熱の法廷バトル『逆転裁判 蘇る逆転』の紹介でした。

 

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