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【ドラゴンクエストⅥ 幻の大地】この旅は、夢という真実へ──。シリーズ随一の高い自由度を誇るSFC最後のドラクエ!【SFC・エニックス・レビュー】

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『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』は1995年12月9日にスーパーファミコン用ソフトとしてエニックスより発売されたロールプレイングゲーム。

2010年1月28日にリメイク版がニンテンドーDSで発売された他、2015年にはスマホアプリ版が配信されている。 

 

 

『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』とは

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『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』(以降DQ6)はエニックスの看板RPGである『DQシリーズ』の6作目であり、『天空シリーズ』の3作目。

SFCで発売された中では最後のナンバリングタイトルとなる。

キャッチコピーはSFC版が「DQを超えるのはDQだけ」、DS版が「この旅は、夢という真実へ」

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今作のテーマは“発見”であり、2つの大きなパラレルワールドが存在し、主人公たちは2つの世界を行き来しながら冒険を進めていくのが特徴となっている。

販売本数は320本であり、これはSFCソフト全1447本の中でも3位の歴代記録である。

 

ストーリー

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仲間達と魔王に挑むが、返り討ちに遭い石にされてしまう。

そんな悪夢にうなされ目が覚める主人公。

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主人公は山奥の村ライフコッドで妹のターニアと2人暮らしをしている青年。

ある日、村長の依頼で村祭りに必要な道具を麓の町まで取りに行くことになるが、その道中で大地に開いた大穴に落ちてしまい別の世界へ行く。

その世界では自分を認識してもらえない奇妙な体験をし、元の世界に戻りライフコッドで話を聞くうちにそれはこの世界とは違うもうひとつの世界「幻の大地」であると確信するのだった。

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その夜村祭りで精霊のお告げがあり、主人公は旅立ちを決意するのだった。

そして道中で出逢った仲間達と旅を共にする事になり、それぞれ本当の自分自身を見つけるための「自分探しの旅」が始まる。

 

過去のシリーズ作品との関連性

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本作は『DQ4 導かれし者たち』『DQ5 天空の花嫁』と共に『天空シリーズ』の3作目と位置付けられている。

SFC版では『DQ4』『DQ5』と本作との繋がりについて特に明らかにされなかったが、DS版ではクリア後のとあるイベントによって『DQ4』『DQ5』と同一世界の過去の物語であることが明らかになった。

本作の夢の世界に登場する「クラウド城」は、『DQ4』『DQ5』に登場した「天空城」と構造がほぼ同じであり、堀井雄二も「『DQ6』は天空城が出来たいわれの物語」と述べている。

 

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特徴

高い冒険の自由度

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前作『DQ5』ではシナリオに倣ってほぼ1本道の順番にしかゲームを進められなかった。

しかしそれ以前の『DQシリーズ』は中盤以降は比較的に自由度が高めであり、本作でも自由度を大切にするというコンセプトで制作された。

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物語中盤以降は次の目的地が明確に示されず、行動できる範囲をさまよううちに新しい“発見”ができるという仕組みになっている。特に海底に行く手段を得た後は、どの順番でもシナリオを攻略できるようになっている。

『DQ3』以来の転職制度の復活

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本作では『DQ3』に登場した転職システムが復活。

ゲーム序盤の終わりごろにダーマ神殿にて転職ができるようになる。

職業は、条件なしで転職できる基本職9種と、下級職を複数マスターすることで転職できる上級職9種の合計18種がある。

本作では“勇者”も職業として存在しており、主人公以外のキャラでも条件を満たせば勇者になれる。

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この仕様は「夢見て努力を続ければ、きっと誰でも勇者になれる」という製作者側のメッセージが込められているが、「勇者が何人もいるのはDQ的にあり得ない」という層もおり一部ファンの間では物議を醸した。

 

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やり込み要素

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過去作の『DQシリーズ』にもやり込み要素は存在したが、本作はかなりのボリュームのやり込み要素が実装されており、コレクションや育成などを楽しむことができる。

小さなメダルは健在で、累計交換制で100枚までのレアアイテムが用意されている。

前作では1箇所だったカジノが3箇所に増えており、交換できるアイテムもカジノ毎に異なっている。

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キャラクターステータスの“かっこよさ”を競うベストドレッサーコンテストが実装されており、1位になると賞品を獲得でき、さらに上位の大会へ参加できる。

賞品の中には、入手しないとストーリーを進めることができないキーアイテムもある。

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仲間にしたスライム系のモンスターをAIで戦闘させるスライム格闘場も存在する。

他にも『DQ5』で好評だったクリア後のおまけ要素として、隠しダンジョン、裏ボス、隠し職業・仲間モンスター、隠し装備なども継承されている。

 

最後に

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SFCで発売された最後の『DQ』ということもあり、進化したグラフィック・操作性・BGMによって、当時のRPGの中で高いレベルの完成度を誇る作品となった。 

特に32Mビットという当時としては大容量ROMを採用し、細かく創り込まれたグラフィックとサウンドは前作を遥かに凌駕したと高く評価された。

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大容量ROM搭載ということもあり『DQシリーズ』としては初めての1万円超えである11,400円と高額になったのにも関わらず320万本というトリプルミリオンの販売実績を記録した。

問題点としては職業を極めた特技が強力すぎて呪文が目立たない、職業システムと仲間モンスターシステムを両方導入したのはいいが、バランスが噛み合わず微妙な感じになるなど、自由度の高さに拘ったための弊害が指摘されることも多かった。

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しかしその批判はあくまでJ-RPGを代表する『DQシリーズ』としての厳しい評価である。

主人公たちの世界と幻の大地というシリーズ屈指と言われる広大なマップを自由に冒険し、奥の深いキャラクター育成システムてんこ盛りのやり込み要素を実装した本作は、十分名作と言って良いタイトルであることは間違いない。

 

今回はシリーズ随一の高い自由度を誇るSFC最後のドラクエ『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』の紹介でした!

 

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