『The Last of Us(ザ・ラスト・オブ・アス)』は2013年6月20日にPS3専用ソフトとしてSOCより発売されたサバイバルホラーアクションアドベンチャー。
開発はノーティードッグ。
海外のレビューサイトで軒並み満点を叩き出したモンスタータイトルである。
PS3版で700万本以上を売り上げ、その後2014年8月21日にPS4専用タイトルとしてHDリマスター版を発売している。
PS4版は1080p、60fpsへのグラフィックの強化、追加エピソード『Left Behind ‐残されたもの‐』などがプラスされており、こちらも爆発的ヒットを記録してリマスター版のみで1000万本以上売り上げている。
あらすじ
The Last of Us Remastered ローンチトレーラー
ある日突然謎の寄生菌のパンデミックが発生し、世界は荒廃していった。
パンデミックから20年後、ブラックマーケットでの取引を生業とする主人公ジョエルは、武器取引を巡るトラブルに巻き込まれたことをきっかけに負傷した反乱軍の女リーダー・マーリーンから運び屋の仕事を頼まれる。
その荷とはエリーというこの世界を救う鍵をにぎる14歳の少女。
しかし受取先の反乱軍のメンバーは全滅。
ジョエルは相棒も失い荒廃したアメリカを少女と二人で旅をして行く事になる。
行く手には「感染者」の他、生き残るためには手段を選ばない略奪者たちとの戦いが待っていた。
一方で様々な方法で生き残ってきた人々との出会いは彼らの旅に新たな希望と絶望をもたらす。
荒廃した世界
完全に荒廃した世界、人は生存者同士で疑い合い、感染者に怯えながら暮らしている。
人々は奇跡的に感染を逃れた「隔離地域」で暮らす。
そこでは軍がすべての決定を下し人々を管理する。
そして「治安の維持」という名目の下で感染が見つかった人や、窃盗や配給カードの偽造で捕まった人は処刑される。
感染者(クリッカー)の脅威
隔離された街から一歩外に出ると、いたるところで寄生菌に侵された感染者(クリッカー)たちが蠢いている。
彼らの形状は感染の進行度合いによって異なり、生存者を攻撃して感染を広げようとする。
隔離地域も完璧に安全という訳ではなくいつ感染者の群れに襲われて崩壊するかわからない。
このままの生態系、秩序では人類はいずれ崩壊するであろう。
失われた秩序
しかしこのゲームで本当に恐ろしいのは、感染者ではなく理性を失った人間であるとされている。
作中でも、ジョエルの知り合いであるビルが「クリッカーは人間と違って行動が予測できるからまだマシだ」などと語っている。
相手が生存者の場合、こちらが飛び道具を持っていると分かると距離を取って慎重になったり、背後に回って挟み撃ちを仕掛けてきたりと頭を使った戦闘を仕掛けてくるので面倒臭い戦いを強いられることになる。
愛情と葛藤
世界を救うためジョエルとエリーは目的地へと長い旅を続ける。
初めは仕事としてエリーの護衛をするジョエルだが行動を共にしていく内に、それ以上の感情が芽生えていく。
エリーの姿が過去に娘を失ったトラウマとフラッシュバックしてジョエルは苦しむ。
一本のオスカー映画を見るより素晴らしいストーリーである。
リアルな戦闘システム
ゲームシステムは本当に秀逸であり、敵にいかにして見つからずに倒すか?
または見つからずにやり過ごすか?
基本ステルスアクションが中心となるが「見つからない方法」は一定ではない。
例えばクリッカーは生存者とは違い、目が見えないので目の前を通り過ぎても大丈夫である。
反面聴力が異常に発達してるから少しの物音でも感づかれるなど、敵によって身を隠す方法が変わってくる。
この辺はゲームを進めていくうちに身体で憶えるしかない。
文明の残り香
荒廃した世界はかつて人間が生活していた痕跡を残しており、とても切ない気持ちになる。
筆者もそうだが廃墟好きには堪らない世界だろう。
長い旅をしていくにあたり、常に滅びた街や人間の手が入らなくなった自然などを通っていくので、この世界の終焉を匂わせていてノスタルジックな気分を満喫できる。
エリーはパンデミック後に産まれた少女なので、隔離地域から出た事がない。
そのため、いく先々で初めて見る世界の情景に感動する。
「森っていいね…」という言葉が忘れられない。
この旅に終わりはあるのだろうか?
この旅の行く末にジョエルとエリーを待ち受けているものは一体どのような結末なのか?
美しい映像
秀逸なゲームシステム、感動的なストーリーをPS4トップレベルの映像美で体験できる。
その世界の景色にプレイヤーは息を呑む事であろう。
実写と見間違うほどに細部まで繊細に描かれた映像に、まるで本当にこの終末の世界を旅をしている錯覚すら覚える。
サバイバルホラーとして最高の作品であり、もし未プレイの方がいるならば是非プレイして貰いたいタイトルのひとつだ。
Left Behind -残されたもの-
追加エピソードであるLeft Behind -残されたもの- はエリーが主人公となり、ゲーム本編でジョエルとエリーが出会う3週間前のエピソードが展開する内容である。
軍の寄宿学校で親友だったライリーとの関係を描く新たな物語で、プレイヤーは二人の少女が繰り広げる冒険を体験する。
また、本編でジョエルが大怪我を負った後の、エリーが医療器具を探すエピソードも収録されており、2つの舞台が交互に入れ替わり同時に語られる仕様となっている。
追加エピソードもとても素晴らしい内容となっており4時間前後でクリアできるので本編のストーリーを補完する意味でもやっておくことを薦める。
続編である『The Last of Us PART2』が2020年2月21日に発売されている。
筆者もとても楽しみだ。
PART2の発売日は有給を取ってスマホの電源を切って挑むつもり(笑)。
それほど筆者の中では心に深く刻み込まれるタイトルなのだ。
今回は『THE LAST OF US』の紹介でした。
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