『サムライスピリッツ(SAMURAI SPIRITS・侍魂)』1994年9月22日にスーパーファミコン用ソフトとしてタカラより移植・発売された対戦型格闘ゲーム。
オリジナルはSNKが1993年に稼働させたアーケードゲーム。
略称は『サムスピ』。
SNKを代表する対戦格闘ゲームのひとつであり、のちに幾つものシリーズが制作され、たくさんのコンシューマ機に移植されたタイトルである。
本記事では主にSFC版を中心に紹介する。
『サムライスピリッツ』とは
『サムライスピリッツ』はSNKの看板タイトルである対戦型格闘ゲーム。
1993年にACにて稼働されて以来、たくさんの続編が制作され、家庭用機への移植も為された名作である。
1991年に『ストリートファイターⅡ』(カプコン)が大ヒットしたのを切っ掛けにこの時代は対戦型格闘ゲームブームが到来しており、たくさんのFTGがACに並んでいた。
どのタイトルも素手と素手での闘いのゲームばかりだったが、本作は刀をはじめとする“武器”を主軸とする斬新なゲームデザインであった。
そして時代劇風のテイストを全面位押し出しながら、個性的なキャラクターが斬り合う様が人気を呼んだ。
さらにシンプルな操作ながら複雑な読み合いが必要となるバランスは秀逸であり、対戦型格闘ゲーム全盛期においても群を抜く人気を誇るモンスタータイトルであった。
SFC版『サムライスピリッツ』
ACで大人気だった本作は、NG・GBA・SFC・MD・3DOなど、様々な家庭用ゲーム機にも移植をされた。
タカラが手掛けたSFC版の移植・販売は、拡大縮小がカットされキャラサイズが縮小時で再現されているため見た目は少し迫力に欠けるが、削除された要素などはなく移植度は高い方だと言える。
ゲームシステム
大斬り
強攻撃の斬りである通称「大斬り」は、隙は大きいものの通常時でも一撃で3割ほどの体力を奪っていくほど攻撃力が高い
本作は複雑なキー操作を必要とする必殺技よりも、簡単に繰り出せ大ダメージを与えられる「大斬り」が花形の攻撃である。
怒りゲージ
ダメージを受けるごとに溜まるゲージがMAXになると「怒り状態」となり、攻撃力が上昇する。
さらに「瀕死状態」になると攻撃力が上昇する要素もあり、「怒り&瀕死」の状態だと一撃で敵体力の半分以上を掻っ攫う事も可能。
このため片方が圧倒している状況でも常に一発逆転の可能性が付き纏い、終始緊張した闘いとなる。
鍔迫り合い
両者の攻撃がタイミング良くぶつかった時などには、時代劇で時代劇で見られるような、互いに相手の打った刀を自分の刀の鍔で受け止め、押し合う「鍔迫り合い」が発生する。
「鍔迫り合いに負けたキャラ」は武器を吹き飛ばされ、素手で戦うことになる。
吹き飛ばされた武器はまた拾う事が可能だが、拾う時に隙が生じてしまう。
武器耐久値
各武器には「耐久値」が設定されている。
これはキャラ毎により異なり、武器同士をぶつけ合いゼロになると壊れる。
武器が壊れてしまうと、そのラウンド中はずっと素手での戦いを余儀なくされることになる。
登場キャラクター
覇王丸
武者修行の旅を続ける武芸者。本作主人公。
荒っぽく束ねられて凄いことになっている長髪が特徴。
橘右京
想い人に捧げるための「究極の花」を求める居合の達人。
肺病を患う優男で、女衆からの人気が高い。
ナコルル
アイヌの巫女である可憐な少女。
鷹のママハハを連れて戦う。
シャルロット
フランスの貴族令嬢で、フェンシングの原型であるレイピア剣術の達人。
胸部や四肢を鋼鉄の防具で固めている。
柳生十兵衛
二刀を操る隻眼の剣士。
実在した剣豪の柳生十兵衛三厳がモデルで、流派は柳生新陰流・改。
服部半蔵
伊賀忍者の頭領。
黒装束と覆面に身を包んだ誰の目にも明らかな忍者。
ガルフォード
甲賀忍術を学んだ金髪碧眼のアメリカ人忍者。
忍犬として仕込んだ愛犬パピィと共に、悪を討つために戦う熱い性格の持ち主。
千両狂死郎
江戸で絶大な人気を博す歌舞伎役者。
「舞闘流歌舞伎」を掲げ、薙刀を振るって戦う。
王虎(ワンフー)
青竜刀を携え弁髪を結った中国の武人。
でっぷりとした体格が示す通り腕力に優れ、一撃必殺の強斬りを持つ。
アースクェイク
甲賀忍術を(適当に)学んだアメリカ人の巨漢忍者。
巨大鎖鎌を持つ。
タムタム
大刀を持ち仮面で顔を隠した秘境の戦士。
装束はマヤやインカといった中南米文明のものがモデル。
不知火幻庵
緑の肌に尖った耳を持つ異形の者。
金属の爪を付けた篭手で戦う。
天草四郎時貞
本作ラスボスでCPU専用キャラ。
若くして島原の乱を主導し、幕府に敗れて死亡した史実のキリシタンがモデル。
最後に
『ストリートファイターⅡ』が世に出た92年から90年台末期にかけての空前の格ゲーブームの中、数あるFTGタイトルの中でも際立って目立ち、名作として人気を博した名作『サムライスピリッツ』。
移植されたSFC版は縮小・拡大の演出こそ削除されたものの、その他の部分は良移植であり、コンシューマ機ゲーマーの中でも話題となった。
同時期にセガから発売されたMD版はSFC版とは逆でキャラサイズを大きいままに保つために、巨漢キャラのアースクェイクがリストラされたり、容量不足の問題から様々な要素が削られたりなどでがっかりな移植で有名。
本作を語るのに外せない話題として、登場キャラクターの1人でありヒロイン的存在である「ナコルル」であろう。
その可憐で可愛らしい出で立ちと、一族に伝わる宝刀を手に、動物たちと共に戦うアイヌの巫女という設定は、プレイヤーの絶大な支持を受け、SNKの看板キャラの一人ともなった。
アーケードゲーム専門誌の「ゲーメスト」では人気投票で1位が続きすぎたことで殿堂入りを果たしている。
今もなお熱狂的なファンを多数持つナコルルは、一説では “萌え”という概念を確立させたキャラであるとまで言われている。
数々のシリーズが発売されている本シリーズであるが2008年以降は新作が発表されていなかった。
しかし2019年6月27日にシリーズ11作目である最新作がPS4・XBoneにて発売された。
原点回帰の意味合いなのかサブタイトルは無く初代と同様の『SAMURAI SPIRITS』が正式タイトルとなっている。
2019年12月12日にはSwitchでも発売開始となるので、昔からの古参サムスピファンはもちろん、今まで本シリーズに触れたことのなかったゲーマーもこの機会にプレイしてみては如何だろうか?
今回は武士の斬り合いの緊張感を見事に演出した異色の対戦型格闘ゲーム『サムライスピリッツ』の紹介でした!
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