『ランボー』は1987年12月4日にパックインビデオ(ビクター)よりファミリーコンピュータ用ソフトとして発売されたアクションゲームである。
シルベスター・スタローン主演の大ヒットアクション映画シリーズ『ランボー』のファミコンゲーム化作品である。
キャッチコピーは「男の怒りが爆発する地獄のバトルゲーム」
映画『ランボー』
映画『ランボー』は1982年に公開されたアメリカのアクション映画。
社会から孤立したベトナム帰還兵「ジョン・ランボー」の物語を通して、ベトナム戦争によって負ったアメリカの傷が描かれている。
本作によりスタローンは『ロッキー』に続くキャラクターイメージを獲得し、アクションスターとしての地位を不動のものとした。
大ヒットとなった『ランボー』はシリーズ化され、これまでに4作品が公開されている。
シリーズ最新作となる『ランボー5 ラストブラッド』は2019年秋に日本公開予定となっている。
ゲーム『ランボー』
ファミコン用ソフト『ランボー』は映画『ランボー』のゲーム化作品である。
前述したシリーズ作品の中、2作目にあたる『ランボー2 怒りの脱出』をモチーフとした横スクロール型のアクションゲームとなっている。
キャッチコピーは「男の怒りが爆発する地獄のバトルゲーム」だ。
ストーリー
服役中のランボーの元に元上官であるトラウトマン大佐が訪れ、極秘任務をランボーに依頼する。
その任務とは、戦時中ランボーが脱走したベトナムの捕虜収容所に潜入し、戦後10年以上が経過した今なお囚われている戦争捕虜の証拠写真を撮影して帰ることであった。
任務を承諾したランボーは、CIA所属のマードックの支援のもとタイの米軍基地からベトナムへ潜入するのだが…。
ストーリーはかなり忠実に映画本編に忠実であり、登場人物の台詞もしっかりと再現されていて映画『ランボー』のファンはニヤリとできる。
ゲーム内容
しかし肝心のゲーム自体はだいぶ残念な出来栄えとなっている。
ファミコンの性能上仕方が無い部分もあるが、ハードスペック関係なしで「お前これ絶対ギャグで作っただろ?w」と思わせられる部分も多々あり、もはや笑い無しでではプレイ不可能とも思えるバカゲーとなってしまっている。
ゲームシステム
まずランボーは敵陣へたった1人で潜入するのだが、持っている武器はコンバットナイフ1本のみ。
まぁこれは原作と一緒なので良しとしても、本来ならすぐに敵兵のマシンガンやらロケットランチャーやらを奪ってドンパチやらかすのだが、本作はかなり終盤までコンバットナイフでの戦闘が主となる。
そして敵の大半は蜘蛛やら蛇などの動物類であり、敵兵士(人間)と戦う事が少ない。
その為、ナイフで動物と戦うゲームという印象が強くなり、グリーンベレー兵がゲリラ戦をしている感覚が薄れる。
後半に差し掛かるとゴリラやロボットなども敵キャラとして出現し始め、もはや『ランボー』の世界観は微塵も感じられなくなる。
ちなみにランボーは敵を倒すと「怒り」ゲージが溜まっていき、MAXになるとレベルが上がる。素直に“経験値”ではなく“怒り”にしているところは原作の副題「怒りの脱出」へのリスペクトなのだろうがプレイしている方は滑稽でしか無い(笑)。
グラフィック
ファミコンのスペックでの表現には限界があるので仕方が無いとも言えるが、タイツ一丁の上半身裸の主人公は“ランボー”というより“江頭2:50”に見える(笑)。
途中で挟まれる会話のシーンに導入されているアップのドット絵も明らかに似ていない。
演出に関してもふざけているとしか思えない部分が多々ある。
例えば中ボスなどの敵兵との戦闘ではダメージを与えるたびになぜか敵の顔がでかくなっていく。
ダメージを蓄積させた状態などはもはやギャグ漫画であり、緊張感が台無しである(笑)。
ラスボスを倒した後、自分を裏切った味方の基地へ戻り怒りを爆発させるランボー。
このストーリー自体は原作通りなのだが、映画ではマシンガンをぶっ放すところをなぜか「怒」という文字そのものを飛ばして攻撃をする(笑)。
そして「怒」を食らった敵キャラは蛙になる。
この謎の演出に関しては30年以上経った現在でも、全くもって意味不明である(笑)。
最後に
昭和60年。
小学生低学年だった筆者は映画『ランボー2 怒りの脱出』を父に連れられ劇場で鑑賞しており、その迫力と格好良さに大感激して一気にスタローンのファンになった。
その2年後、大好きな『ランボー』がゲームになって発売されるというのを聞いて歓喜した。
ソフトは親に買ってもらう事ができなかったが、幸い仲の良い友達が購入したのでその子の家で遊ばせてもらった。
しかしそのゲームは筆者の憧れた『ランボー』とはかけ離れていた。
ダメージを与えると顔がデカくなってゆく変な敵兵や、ワギャンランドの「ギャー」の様に「怒」の文字を発射し敵を倒すランボーに、ただただ爆笑してプレイしたのは今でも記憶に残っている。
本作は「クソゲー」と評されることもあるが、どちらかと言うと「おバカゲーム」の分類に別けられるべきタイトルだと筆者は思う。
今回は男の怒りが爆発する地獄のバトルゲーム『ランボー』の紹介でした。
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