サブカルチャーのある生活

なつかしのレトロゲーム同好会

ーPICKUPー
ファミコン
“クソゲー特集”
20210509220713
“ファミコンマガジン”
CONSOLEWARS

【ハイドライド・スペシャル】ファミコン初の本格RPG!剣士ジムとなり王女アンを救出し、フェアリーランドに平和を呼び戻せ!【ファミコン・東芝EMI・レビュー】

f:id:zel_8bit:20181119221052j:plain

 

『ハイドライド・スペシャル』は1986年3月18日に東芝EMIによりファミコン用ソフトとして発売されたアクションロールプレイングゲーム。

元は1984年にPC用ゲームソフトとして発売された『ハイドライド』の移植であり、開発はPC版と同じくT&Eソフトとなっている。

ファミコンとしては初めての本格RPGと言う事で有名なタイトルである。

 

 

ハイドライドシリーズ

f:id:zel_8bit:20181119221930g:plain

1984年にPC-8800用ソフトとして発売され、長年に渡って数多くの機種に移植された国産ARPG。

たくさんのハードに移植された本シリーズの販売本数はパソコン向け100万本、家庭用100万本で累計200万本に達した大ヒットタイトルだった。

 

『ハイドライドスペシャル』とは

f:id:zel_8bit:20181119221311p:plain

『ハイドライド』のシステムを踏襲し、それに『ハイドライドⅡ』で導入された魔法要素を追加する形でファミコン用『ハイドライドスペシャル』が1986年に発売された。

開発はT&Eソフトであるが、発売元は東芝EMIとなっている。

ドラゴンクエストより2ヵ月前の発売であり、ファミコンにおける本格RPGとしては初めてのタイトルと言われている。

 

ストーリー

f:id:zel_8bit:20181119221330p:plain

王様の住んでいる宮殿と、広大な緑の国フェアリーランドは、宮殿に祭られた三つの宝石によって、王国の平和がたもたれていました。
ところが、ある心ない人間の手で宝石のひとつが盗まれてしまいました。

そして宝石によって封印されていた最強の悪魔バラリスが目をさましてしまいました。
悪魔バラリスは、国王の娘、アン王女までも魔力によって三人の妖精にしてフェアリーランドのどこかにかくしてしまったのです。

f:id:zel_8bit:20181119221344j:plain

さらに国中に怪物を解き放ち、フェアリーランドを支配してしまいました。

この悪魔バラリスの悪業にたえかね、一人の若者が立ち上がりました。

彼の名はジム。

ジムは剣とヨロイに身をつつみ、怪物のうごめく荒野へ敢然と挑戦していったのです。

 

ゲームシステム

f:id:zel_8bit:20181119221413j:plain

シンプルなARPGであり、剣による物理攻撃は体当たりにて行う。

プレイヤーが操作する主人公ジムには「ATTACK」と「DEFENSE」のモードがあり、Aボタンを押している間はATTACKモード、話してる時はDEFENSEモードとなる。

ATTACKモード時は攻撃力が高く、防御力が低い。

DEFENSEモードはその逆で低い攻撃力となるが、防御力が高くなる。

f:id:zel_8bit:20181119221642j:plain

敵の後ろや横に回り込みATTACKモードで体当たりをして敵を倒してゆくのが基本戦略となっている。

どうしても真正面からぶつかる時などはDEFENSEモードで凌ぐことになる。

必要なアイテムを手に入れながら、フェアリーランドを冒険してゆき悪魔バラリスを倒すことが最終的な目的となっている。

 

早すぎたファミコン版

f:id:zel_8bit:20181119221617p:plain

ファミコン初のRPGと言う事で子供たちの間ではそこそこ有名なソフトだった。

しかし、まだRPGは当時のファミっ子には早すぎた。

「RPGがどういうモノか?」というのがゲーマーであれば当然知っている現代ならまだしも、知識がまったくない状態の子供たちは、突然広大な世界に放り出され、何をすれば良いかまったく解らず右往左往するだけであった。

更にPC版の大人たち向けの難易度でそのまま移植されたため、小学生たちにとっては相当な高難易度といえる難しさ。

f:id:zel_8bit:20181119221441j:plain

おまけにシステムコマンドもすべて英語で読めない子供が大半(笑)

実は筆者も本作をプレしたのだが、幼かったため何をすればいいか解らずに早い段階で匙を投げてしまった。

本作の持つ“ワクワクするような雰囲気”だけはしっかり感じられたことを憶えているので残念でならない。

 

ゲーム自体は良作

f:id:zel_8bit:20181119221501j:plain

『ハイドライドスペシャル』の名誉のためにも追記するが、ゲームシステムはよくできており、バランスも良好、低スペックのファミコンながら移植度の高さもかなりのモノだった。

レベルアップをするたびにHP・MP・STRなどがちゃんと上がっていき、強くなっていく面白さも感じられるし、謎を解いていく快感もある。

f:id:zel_8bit:20181119221519p:plain

特筆すべき点として当時のファミコンソフトとしては非常に珍しいSAVE機能搭載であり、電源を切らない限りSAVEしたデータから再開できることが挙げられる。

しかし電源を切る際はパスワードを控えて、再びプレイする時はパスワード入力にて始める必要はあった。

前述した通り子供のころ進め方が解らない為クソゲー認定していたが、数年後にプレイし直しクリアまでした。

筆者の中で最終的には良作という認識に置き換わった作品である。

 

最後に

f:id:zel_8bit:20181119221535j:plain

2ヵ月後に販売されたドラゴンクエストは、コマンド式とは言え同じRPGなのに大ヒットした。

その理由はRPGに慣れていないこの時代のファミっ子たちの為に、ゲーム序盤にチュートリアル的な仕組みを用意した事が大きかったと思われる。

その辺は流石堀井雄二氏と言ったところであろう。

 

zel.hatenablog.com

 

 

f:id:zel_8bit:20190322064252p:plain
本作もチュートリアルを導入し、難易度を子供向けに数段落とし、コマンドを英語からカタカナへ変更さえしていればもしかして大ヒットしたのではないかと個人的には考える。

しかしPCゲームではすでに人気のあったRPGをファミコンに移植するという試みは大きく評価したい。

f:id:zel_8bit:20181119221658j:plain

この記事を書いている内に無性に本作で遊びたくなり、3DSのバーチャルコンソールで検索してみたが残念ながら配信されてないようだ。

Switchオンラインのレトロゲームで追加される事を祈りながら待つことにしよう。

今回はファミコン初の本格RPG『ハイドライドスペシャル』の紹介でした。

 

あわせて読みたい

 

zel.hatenablog.com

zel.hatenablog.com

zel.hatenablog.com