『悪魔城ドラキュラ』は1986年9月26日にコナミよりファミリーコンピュータディスクシステム用ソフトとして発売された横スクロールホラーアクションゲーム。
後にコナミを代表する看板シリーズのひとつとなる『悪魔城ドラキュラシリーズ』の記念すべき第1作目である。
ハードを跨ぎたくさんのシリーズ作品が制作され、現在でもコアなファンが多数いる。
悪魔城ドラキュラとは
コナミの看板シリーズの初代作品である本作は、昭和61年には珍しいゴシックホラーの世界観を持った本格ACTだ。
ファミコン全盛期であったこの頃、ACTの大半はコミカルで可愛いキャラクターが画面狭しと飛び回るような作品ばかりだった。
そんな中、ディスクシステムで発売された本作はゴシックホラーを原調にしたリアルタッチなキャラクターや背景などのグラフィックアートによりかなり異色なタイトルであった。
現在でも名曲と言われているBGMと、かなりの高難易度でありながらも理不尽ではないバランスでたちまち話題となり大ヒットととなった。
ストーリー
舞台は中世ヨーロッパ時代の小国トランシルバニア。
魔王ドラキュラにより滅亡の危機に瀕したこの国であったが、英雄ベルモンドの活躍により、ドラキュラは封印され、この地に平和が訪れたのであった。
それから100年の月日が流れた──。
その時、町外れの荒廃した修道院跡で邪教徒が黒ミサの儀式を行っていた。
突如邪悪な雷雲が町を覆い、一筋の稲妻が修道院を貫いた。
それはドラキュラ伯爵の復活の合図であった。
100年の刻を経て再び訪れた王国の危機に、バンパイアハンターであるベルモンド一族の血を受け継ぐ青年シモンは、代々一族に伝わる不思議な力を秘めたムチを手に、一人ドラキュラの城へと乗り込むのだった。
ゲームの特徴
ゴシックホラーの世界観
コナミ広告チラシには「スーパーリアルタッチのアクションゲーム」と銘打たれており、開発スタッフ数多くのホラー映画を参考にして本作の制作にあたった。
そのため、ホラータッチな演出が随所に取り入れられており、精細なグラフィックと合間ってゲームの雰囲気を盛り上げている。
独特のアクション性
ジャンプ中空中制御ができなかったり、攻撃中は移動不可だったり、高所から着地すると一瞬硬直するなど、そのアクション性にはかなりの癖があり慣れるまでは幾度もゲームオーバーの洗礼を受けることになる。
しかしその癖に慣れ、何度も繰り返すことで段々と先に進めるようになっていけるバランスであり、上達することに快感を覚えたプレイヤーが次々とハマっていった。
鞭を使った戦い
このゲームの大きな特徴の一つとして、当時は珍しい「鞭」がメインウェポンとして採用していることが挙げられる。
これにより敵に極端に近づかなくても攻撃することができるが、銃のような飛び道具では無いので完全に安全な位置からダメージを与えることはできない。
この敵との微妙な距離感が、ACTとしての緊張感を生み、他のタイトルとは一線を画していた。
ゲームシステム
ヴァンパイアハンター「シモン・ベルモンド」を操り、悪魔城に巣食うゾンビやミイラ、半魚人、死神と言った様々なモンスターと戦い、最奥にいる魔王ドラキュラの打倒を目指す。
ライフ+残機制を採用しており、3ステージで構成されるブロックが6つの面構成であり、各ステージの最後にはボスが待ち受けている。
ドラキュラサウンド
ドラキュラサウンドと称されるアップテンポで格好いいサウンドが神懸かっているほど素晴らしい。
シリーズのメインテーマである「Vampire Killer」などは未だに数々のアレンジバージョンが生み出されており、現在でもオリジナルサウンドトラックなどが発売されている。
筆者と『悪魔城ドラキュラ』
筆者は本作をディスクライターの書き換えにより購入しました。
まだ幼かったのでホラーの雰囲気が少し怖かったのですが、周りの友達が大絶賛していたのでプレイしたくなったのです。
格好いいBGMと美しいグラフィックに感動し、夢中になってやり込みました。
最初はスーパーマリオの操作性に慣れていた筆者は、前述した独特のアクション性に大苦戦して中々先の面へ進めなかったのですが、何度も挑戦しているうちに徐々に上手くプレイできるようになってきました。
しかし結局はゲーム終盤の難易度の高さに挫折して、とうとうクリアをせずに途中で諦めてしまった苦い思い出があります。
たしか5面のボスである“死神”にどうしても勝てなかったんですよね…。
それでも楽しかったと言う記憶は刻み込まれており、忘れられないタイトルのひとつとなっています。
2019年5月にコナミグループ創業50周年記念としてSwitch・PS4・XBone・Steamにて『悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション』がダウンロード専用・3,000円(税別)にて発売中です。
こちらは初代『悪魔城ドラキュラ』をはじめ初期の8タイトルが収録されており、さらに秘蔵の開発資料を見られる大ボリュームの「ボーナスブック」まで付いてくるのでファンの方は購入しても良いかも知れません。
今回はコナミの誇るゴシックホラーアクションの金字塔『悪魔城ドラキュラ』の紹介でした。
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